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これが魔力の層かもしれない!?
私は過去イチの衝撃を受けた。
いや、過去イチは異世界に来たことだから過去ニかな。
でもそうだとしたら、今まで見てみたかった、存在をイマイチ認識できなかった魔力ってなんぞやという疑問を解決する大きな手がかりになる。
てか、可能性はあるよなー。
なんで今まで気がつかなかったんだろう。
ずっと空気だと思ってたよ!
「それ、はっきりさせましょう!」
「そ、そうですね。ま、ま、魔力測定の、き、機械があるので、い、急いで確認、し、しましょう!」
私は慌ただしく隣の部屋に連れて行かれて、ちょうど人ひとり立って入ることができる位の大きさの箱に入るように言われた。
そこに入ると中は真っ暗で、時々チカチカとランダムに光が点滅している。
魔法を出すように言われて、身体全体に空気の層を纏わせると、ブォーという音がして光が渦状に上から降ってきてクルクルと体全体を覆った。
一際明るく光ったと思ったらまた真っ暗な状態に戻り、ミルヒさんが箱を開けて外に出してくれた。
箱の横に置いてある機械から一枚のレントゲン写真のようなものが出てくる。
写真は全体が黒く、人の形に白い線で縁取りされている。
縁取りの中の頭の部分と右の腰の部分、そしてそれを繋ぐ一本の線が一際明るくなっていて、その他に胸の辺りと喉のあたり、足の付け根の部分がほんの少しだけ白くなっていた。
「こ、この、し白い部分が、ま、魔力です。や、やはり身体をお、覆っているのは、ま、魔力と、か、考えられます。」
「なるほど。ではこの頭のところが尖脳で、ここが魔臓、この管が魔管なんですね?」
「は、はい。」
「では、この胸と喉と腿の部分はなんなんですか?」
「お、大人は普通、こ、この様にはなりませんが、こ、子供のうちは、か、身体の、い、至る所で魔力がつ、作られるので、か、このように見られることも、あ、ありますね。」
「なるほど…私はこの世界に来てまだ一年少しなので魔力の器官の発達はまだ未熟で子供と同じような形なのかもしれませんね?」
「そ、その可能性は、あ、あると思います。」
「ちょうどこの世界に来て20年の神田さんもいますし、作業が落ち着いたら神田さんの測定もしてもらいませんか?」
「ぜ、ぜ、是非!!」
ミルヒさんが勢いよく頷いた。
魔法についての知識不足を感じてミルヒさんに色々質問させてもらった。
そもそも魔法とは一般的にどういうものなのかを今まで学んでいなかった。
使える人と使えない人がいるとか、人によって使えるものは違うとか、そんなに大それたことは出来ないよくらいの知識しかないのだ。
ミルヒさんが言うには、魔法とはそもそも物に干渉して形状や性質を変えさせるというのが基本のスタイルなのだそうだ。
柔らかいものを硬くしたり、空気中の水蒸気を水の状態にしたり。
火を起こすのは静電気のようなものと酸素を集めて燃やすらしいし、待機中の物質を揺らして風を起こすこともできるらしい。
辛いものから辛味成分を取り除いたり、空気の振動を大きくして音を大きくしたり、100人いれば100通りの魔法が存在すると言っていた。
物に干渉するのが普通なので私のように魔力をそのまま発現させる魔法はいままで聞いたことがないとも。
私の空気を纏うという魔法も普通に存在しそうなものではあるが、ミルヒさんが引っかかったのは、感覚はあまり変わらないという部分だったそうだ。
空気を纏うとなると絶対に直接肌には触れないのだから感触があるのはおかしいのだと、熱く語ってくれた。
なるほどなー。
そういうもんだと思ってたもんな。
元々は私の魔法で人工魔管をコーティングみたいにして使えるようにならないかな、と漠然と思っていたのだけれど、ちょっと違う方向で解決の糸口が見つかった気がする。




