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徒然異世界日記  作者: えつお
異世界の王都にきました
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アオは鳩くらいの大きさになってしまったので、羽ばたくと結構な迫力がある。

でもバサバサしてても何故か風邪は起こらないし、なんなら羽を広げているだけで宙に浮いている。

鳴き声も「ピピッ」から「ピュルー」に変わった。

精霊の成長、突然過ぎて怖いわ。

大きくなった後もアオは変わらず私の肩やミイちゃんの頭に止まるが重さはさほど感じない。


「もう少し奥の方まだ行くとお城が見えるよ〜」


ミイちゃんが教えてくれたのでシートを片付けてまたネモフィラの中を進む。

道なりに進むと右側にまわり込むような登り坂のカーブになっていて、そこを登り切ると奥の方に小さくお城が見えた。

お城は真っ白で昔ガイドブックで見たドイツのノンバインシュタイン城のような形をしている。

たぶんこの世界で見たなかで1番大きな建物だ。


お城の麓に城下町があるようだが、この公園は高台になっているのでちょうど街が隠れてしまっていて、花畑の向こうにぽっかり城が佇んでいるように見えるのだそうだ。


少し強めの風が吹いて、ネモフィラの花が波のようにさざめいた。

本当に海の中にお城があるようで、とても幻想的な光景になっている。

ミイちゃんもアオも気持ちよさそうだ。

小さい精霊もたくさんいると言っていたから、たぶん2人にとっても心地よい空気に満ちている場所なんだろうと思う。


王立公園を満喫して宿に戻るともう夕方で、カウンターにはリンドさんが座っていた。


「キヨコさん、おかえりなさい!無事行ってこれた?」


「リンドさん、ただいまです。王立公園すごく素敵な場所だったー。今日は少し疲れたから晩御飯をお願いしたいんだけど、大丈夫かな?」


「もちろん大丈夫!6時以降に食堂に来てくれれば準備しておくね。」


「ありがとう。これお土産〜」


王立公園で買った、小さな花の形の箱に入った青と白の金平糖を渡すと、リンドさんは嬉しそうに両手で受け取ってくれた。


「お気遣いありがとう!すごく嬉しい!あとで大事にいただくね。」


小さなお土産だけれどとても可愛らしいし、なんだか感動を誰かと分かち合いたくなって、リンドさんだけではなくイーサンの人達の分も結構たくさん買ってきてしまった。

まだひと月以上王都にいるつもりなのに今からお土産なんてとも思ったが、こういう物はその時その時の出会いが大切だからと自分に言い訳をした。

もちろんミイちゃんとアオにも買ってあげた。

白と青の2人の色で出来ているんだもの、当然よね。



6時過ぎに一階の受付の奥にある食堂へ向かうと、すでにいい匂いが漂っている。

宿自体が6部屋しかないわりに、食堂はそこそこ広い。

なんでもこの宿は食事に定評があり、宿泊者以外も利用は可能で、近所の人や他の食堂の無い宿の人が食べに来るのだそうだ。


朝ごはんを昨日いただいたが、焼きたてのパンにグリーンサラダ、ベーコンとオムレツと焼きトマトにオニオンスープという普通のメニューだがどれもとても美味しかった。

ベーコンは自家製で燻製の香りが強く、オムレツはフワフワでスープは雑味がなく透き通っている。

パンもフワフワでサラダは塩とオリーブオイルとバルサミコ酢のみの味付けが逆に新鮮な野菜の旨みを引き出していた。

晩御飯は初めてなのだが、とても楽しみだ。


席に着くとリンドさんのお母さんのリズさんが飲み物のメニューを持ってきてくれた。

「今日の定食は魚がサーモンのグラタンで肉が鴨のコンフィだけど、どっちにする?」

ミイちゃんもアオもいるので、どちらも頼んでみんなでシェアすることにした。


さほど待たずに料理が運ばれてくる。

グラタンは熱々でチーズがたっぷりかかっておりサーモンの臭みも全く感じない。少し硬めの玉ねぎとブロッコリーの食感が良いアクセントになっている。

鴨コンフィはジューシーで柔らかく、オレンジのソースとクレソンが添えられていた。

オレンジの酸味と苦味と甘さが混ざったソースが鴨にとてもよく合っていて、パンと一緒に食べるとこれまた美味しい。

もう美味しいという言葉しか出てこない。

ミイちゃんが鴨をたいそう気に入って、おかわりをお願いしたほどだ。

デザートもついていて、こちらはイチゴとチョコレートの小さなムースだった。


なんだか食生活はこの世界に来てからの方が充実している気がする。




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