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「…犬、猫、狐って、もしかしなくてもアイマイミイだよねぇ?」
「そうよー。ただ、さっきの話は神話みたいな物だから半分作り話みたいなものなの。
私達、聖獣とかではないし、土地を作り変えるほどの魔力もないしね。実際にその力があったのは初代国王で、私達は手伝ってただけなの。
でも一応そういう扱いだから、お祭りでは祀られるし、姿を見せると盛り上がるのよねー。」
「なるほどー。そんなんなら私がミイちゃん連れてったら大騒ぎにならない?」
「私達が渡り人が来ると一緒に行動するのはみんな知ってるから大丈夫。」
「たぶんミイちゃんがいるから私も結構大事にしてもらえてるんだね。どこに行っても至れり尽くせりだったもんね。」
「それはわからないけど。
私達も結構この世界にくることも多いから、お祭りの時以外はさほど騒がれたりもしないわよ?」
「そうなんだねー。でもミイちゃんがいれば王都も心配ない気がしてきたよ。」
「うふふ。任せて!」
ミイちゃんはご機嫌な様子で尻尾を揺らした。
「ところで、初代国王みたいなすんごい魔力の人ってどのくらいいるの?なんかなんでもできちゃえそうな感じだよね?
あと、ミイちゃんは違うって言ってたけど、聖獣って存在するの?」
「初代くらい魔力の強い人は会ったことないなぁ。
あ、でもソラの魔力はすごく強いし、魔力の匂いも初代に似てるかな。
何年も生きて力のある精霊はいるけど聖獣はいないわね。」
「なるほどね〜。
ソラ君は成長が楽しみだね。」
「そうね!大人になったらすごいと思うわよ!」
ミイちゃんの話はとても興味深く、家までの道のりがあっという間だった。
家に着いてから、ミイちゃんとアオに蜂蜜入りのミルクをあげてからお風呂に入ることにした。
バスタブにお湯を貼り少しの塩を入れてから帰り道に摘んだミントの葉を浮かべると、爽やかな香りが浴室に広がる。
肩まで浸かって手足をグッと伸ばすととても気持ちがいい。
今日のご飯も、このミントも、初代国王とアイマイミイが土地を豊かにしてくれたおかげなのだと思うと、私もちょっと祈りを捧げたくなった。
目を閉じてミントの香りを胸いっぱいに吸い込みながら、建国祭に思いを馳せた。




