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朝起きると雨が降っていた。
この世界は気温や気候にあまり変化がなく、常に暖かく天気のいい日が多い。
そうは言っても日の長さには多少の変化があり、そのせいで一応旬の果物や野菜なんかも存在する。
週に1〜2度くらいの頻度で雨が降るのだが、雨も数時間降ると止んで太陽が顔を出す。
日の短い時期は雨の量が少し増える。
今降っているということは出勤前には止むだろう。
もしかしたら虹を見ながら出勤なんて出来るかもしれない。
虹を見るとやっぱり嬉しいし、何か良いことがあるような気がする。
子供の頃からずっとそうだった。
出勤までまだ時間があったので、朝ごはんを食べてからミイちゃんとアオと遊ぶことにした。
朝ごはんは今日は和食。
ご飯を土鍋で炊いて、卵焼きと菜の花のからし和えとワカメのお味噌汁。
なんとこの世界には納豆もある。
ミイちゃんもアオも食べなくていいという割に結構食べる。
ミイちゃんは甘い卵焼きがお気に入りで、アオは茹でる前の菜の花を啄んでいる。
ご飯を終えて茶碗を洗っているとふと違和感を感じた。
いつもゴム手袋の代わりに空気を手に纏って家事をするのだけど、水が跳ねて服が濡れると思ったのに水を弾いたのだ。
元々空気を纏える範囲は狭いし、服や靴は覆えなかったはずなのに。
「ミイちゃん、なんか魔法の範囲が広がってる気がするんだけど…」
「ん?アオのせいじゃない?精霊が近くにいると魔力が強くなるよ?」
「ピッ!」
「そうなんだ!アオすごいね!!
ミイちゃんも精霊的な存在なんでしょ?2人がいるって事は私すごい魔力上がってるってこと?」
「私はそういうのとは違うから〜。
残念だけどキヨコに影響を与えたくても与えられないの。
この世界の知識を教えるだけの存在なのよ。
残念だけど。」
「じゅうぶん助かってるし、いつも感謝してるよ。
ミイちゃんありがと。」
「ピピーッ!」
「アオもありがとう」
「ビッ」
私は2人をひとしきりモフり倒してから仕事へ向かった。




