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「どうするのよ〜!小鳥って何食べるの?ひまわりの種とか?
鳥の餌とかお店に売ってるかな…
とりあえず隣のおばさんに相談してくる!」
慌てて家を出て行こうとすると、ミイちゃんが私のスカートの裾を咥えて引っ張った。
「落ち着いて。その子よく見て。」
うん。すごい可愛い。そして小さい。
「...?」
「その子、ただの小鳥じゃないよ。精霊。」
「...?」
「せ、い、れ、い!!」
「......ええ〜!!精霊ってあの精霊!?」
「そう!その精霊!
珍しいんだよー!
だから私と一緒で特別なご飯は必要ないよ。」
「えぇ〜…」
この半年の間に精霊の話も聞いていた。
この世界では、ありとあらゆる物にわずかながら力が宿っていて、長い時間の中でその力が合わさって何かしらの形をとる事があるのだそうだ。
滅多に姿を見せないその存在は精霊と呼ばれて、人々はとても有難い存在として祈りを捧げたりお願い事をしたりするのだとか。
ラッキーなことがあった時やトラブルから逃れられた時に「リリューシャ」と唱えて人差し指を眉間に当てるのが、精霊に感謝を伝える意味があるらしい。
「ど、ど、どうするの?精霊様どう扱ったらいいのよ!?」
「ほっといていいんじゃない?キヨコを気に入れば一緒にいるだろうし嫌だったらすぐいなくなるよ、たぶん。」
手のひらの小鳥もとい精霊をじっと見ると、精霊はまたピッと鳴いて左右に首を傾げた。
とりあえずお菓子を入れていたバスケットに布を敷き詰めてそこに精霊をそっと降ろすと、精霊はクルクル回ってから羽を広げてペタンとうつ伏せた。
うーん、可愛い。
ミイちゃんの頭とかに乗ってたらめちゃくちゃ可愛いんじゃなかろうか。
このまま家にいてくれるなら嬉しいけどいなくなるかもって言ってたもんね。
じっくり観察すると、青い羽の内側は少し緑がかってキラキラ光っており、南国の海のような色合いでとても綺麗だ。
目の周りもよく見ないとわかりにくいが白い隈取があって神秘的な感じがする。
その日は夜遅くまで精霊を眺めて過ごした。
魔法に精霊、私、異世界を満喫してるんじゃない?




