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徒然異世界日記  作者: えつお
異世界で暮らします
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工場の仕事には早番と遅番がある。


早番はだいたい7時から15時くらいまでの勤務で、前の日に出来上がった商品の梱包、納入と機械の点検。それが終わったら機械を稼働させて次の日に出荷する製品を作り始める。


遅番は12時から20時くらいまでで、製品の製造を引き継いで、品質の点検を行い、翌日使う材料のチェックと工場の掃除を行う。


その日は私は早番で出勤していたのだが、ちょっとした事件が起きた。


従業員の1人が梱包の際に、その日の商品である硝子花瓶を冷却するために並べている棚を倒してしまい、辺りにガラスの破片が飛び散ってしまったのだ。


ここの工場で作るガラス瓶の中では薄手で割れやすいタイプのものだったので、製品はほとんど壊れてしまい、しかも破片はかなり鋭利で危険な状態になってしまった。


私は足に空気を纏わせれば怪我をすることがないので、みんなに動かないように伝え裸足でガラス片の掃除を始めた。靴を履いて動くと靴に刺さったガラス片が思わぬところに落ちてトラブルになりかねないと思ったからだ。


箒で念のため隅から隅までしっかりと掃いてガラスをかき集め、もう大丈夫だろうと廃棄はみんなに手伝ってもらうことにした。

瓶工場だけあってガラスの扱いには慣れている人ばかりなので、特に怪我をする人も出ず片付けを終えて生産作業に取り掛かった。


が、ガラス飛び散り事件で動揺していたのか、製造機械のチェックをし忘れたまま稼働させてしまったのだ。

いつもとは反対にベルトコンベアが動き始めたせいで機械に手を巻き込まれた人が出てしまった。


すぐに機械は止めたものの、ベルトコンベアに挟まれた手は皮がペロンと剥けて、筋肉や一部骨が見えてしまっている状況だった。

怪我をした人は真っ青になって床に倒れ込んでいる。


私は元医療従事者なので、比較的冷静に対応させていただいた。

清潔な布で強めに手をくるみ、胸より上に腕を上げさせて、社長の車で病院に向かった。


この世界に来てから初めて病院に行くことになったのだが、このような怪我をどうやって治すのか正直興味がある。

治癒魔法とかあるんだろうか、と社長に聞いたところ、残念ながらそんなものは無いと一蹴されてしまった。


この世界は家電はある。でもパソコンはない。

家はある。でもビルはない。

車や船はある。でも飛行機はない。

ないのは必要がない物なのだそうだ。

その必要ない物の基準がまだ私にはわからない。

パソコンとか便利だし。


病院にはレントゲンやCTはあるのだろうか。

血液検査やエコーはできるのだろうか。

薬はあるのだろうか。

手術はできるのだろうか。

この人の手が綺麗に治るといいのだけど。




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