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徒然異世界日記  作者: えつお
異世界で暮らします
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この世界に来て半年が経った。


大学医局に所属していた時は2年に1度くらいのペースで転勤があって、ほとんど知り合いのいない場所で新しい生活を始める事には慣れていたので、3ヶ月目くらいの時には近所の人ともだいぶ打ち解けたし、街の中の色々なお店もほとんど見て回った。


聞いていた通りこちらの世界の人は本当に優しい。

少しシャイでぐいぐいこちらに踏み込んで来るようなことはないが、ちょっと困った素振りがあればすぐに手を差し出してくれる。

神田さん一家も私のことを気にかけてくれていて、2週に一度くらいの頻度でお互いの家を行き来している。


この半年での大きな変化といえば、仕事を始めた事と、なんと魔法が使えるようになった!

憧れの魔法を初めて使えたのはこの世界に来て2ヶ月目のこと。


神田さんのお店で買った新しいサンダルを履いて街の散策をしていたのだけれど、途中で右足の親指の付け根が靴擦れで痛くなり、足の指をちまちま動かしながらごまかしごまかし歩いていたら急に痛みが和らいだのだ。

不思議に思い色々調べてみるとサンダルと足の当たる部分に空気の層ができていて擦れるのを防いでくれていた。


そこから色々試して見たところ私の身体の至る部分を空気の層で覆うことができるようになったのだ!

手だけとか足だけとか顔だけとか範囲は広くないから全身を覆うことはできないのだけれど、ハンバーグをこねるときに手が汚れなかったり、水たまりに嵌ってしまったときに濡れた靴の不快感を感じないようにできたり、微妙にありがたい。


仕事は先月から街の外れにある工場で働き始めた。

瓶を作る工場で、機械の操作をしたり出来上がった瓶にひびや歪みや曇りがある物を見つけて取り除いたりする仕事だ。

こちらの世界は皆おおらかなので多少の歪みや曇りは廃棄にはならず、最初はその見極めをするのが難しかった。

従業員は社長の家族3人を含む8人で、小さな工場だが、色々な色や形の瓶は可愛らしくて見ていて癒される。


私が仕事をしている間、ミイちゃんはお留守番をしていたり、マリさんの家に帰ったり、アイちゃんマイちゃんと森に遊びに行ったりしているそうだ。

森は私の家から役場の方とは反対に小1時間ほどのところにあり、蔦のはった背丈の高い、濃い緑の葉をたくさん広げた木が密集していて、小川や湖もある森林浴にはぴったりの場所だった。


そんなこんなで私の異世界生活は穏やかに過ぎていっている。




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