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ルナちゃんはすぐに女性と男の子を連れて戻ってきた。
女性はルナちゃんにそっくりの大きな目と小麦色の肌、そして焦茶色の癖毛を後ろに一つでまとめた小柄ながらもグラマラスな美人さんで、男の子は3歳くらいの少し色白で細めの黒目と黒髪のおとなしそうな子供だ。
神田さんは奥さんに向かって私の事を説明すると今度は私に向かって家族を紹介してくれた。
「奥さんのユユラと娘のルナと息子のソラだよ。
ルナとソラは5歳で双子なんだ。」
「双子…」
どう見てもルナちゃんの方が大きくて年上に見える。
「ソラはちょっと小さく生まれたし病気がちでね、成長も遅くて…
今はだいぶ元気になったけど、生まれて1年くらいはもうたいへんだったよ。」
神田さんは双子を優しく撫でながら、さあ行こうか、と店を出た。
レストランは役所の反対側にあるそうでここから歩いて10分くらいなのだそうだ。
他にも色々お店はあるがそこが1番種類も豊富で値段も手頃だから、と教えてもらった。
神田さんが右手でルナちゃん、左手でソラくんと手を繋いで歩く後ろを私とユユラさんとミイちゃんがついていく。
道すがらユユラさんとも少しお話ししたが、おっとりとした話し方の優しそうな人で、突然この世界に来た私のことを大層心配してくれていた。
これは神田さんもすぐに落ちるわと思っているとレストランに到着した。
レストランは一際明るい照明が灯っており店の外にもいくつかテーブルと椅子が並んでいる。
店の右側には川が流れていて水の流れる音が涼しげだ。
あたりにはいい匂いが漂いすでにたくさんの人が料理や飲み物を楽しんでいるようだった。
神田さんは店の中に声をかけ外に並んでいるテーブルの1つに座るように言った。
日が沈んですぐの少し青みの残る空には満月が出ており流れる雲に柔らかい光を映している。
レストランの看板は黄色で、いくつかのテーブルには白いパラソルが備え付けられていた。
昼に来ても気持ちよく食事を楽しめそうだ。
ゆっくり深呼吸をして背骨を伸ばすように体を動かすと、思ったよりも気持ちも心も凝り固まっていたようで何かしらが剥がれていくのを感じた。




