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あれ、もしかしてもう最強に!?   作者: 星乃いーふ
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転生したら魔力が大きすぎた件について。

「えー、まずは、貴方の出生について聞きましょうか。ああ、別に調べられないわけではないんですよ。時間がないだけで」

「はあ……」


 ……それよりも、この縄解いてくれませんか?

 そう言いたいのをぐっと我慢する。

 早く言った方が、身の安全がありそうだ。

 が、しかし。

 ここで大きな問題が。

 自慢ではない。これは、自慢ではない。

 ——私は、自分のことをよく知らない。


 ……え? だって仕方ないよね? 一昨日転生したばっかなんだから。

  

 逆に知っているという方が怖いと思う。

 しかし、転生したら、記憶が勝手に流れ込んでくれるものではないのだろうか。

 滅多に本を読まない私に、転生小説を勧めてくれた友達がなんやらこんやら言っていた気がする。


「聞いているのですか? 早く出生を言ってください」

「あ、えっとぉ〜。……農民の息子です」

 

 農作業をやっていたし、農民ではないだろうか。

 男は眉を寄せて頷いた。


「それはまあ、そうでしょう。そんなのわかっていますよ、貴方の格好と荷物で。私が聞いているのはそんなことではありません。まず、母親の名前と父親の名前。その二人が能力を持っているのか、です」


 ……そんなの分かるかぁ!

 男に出生を聞かれたから農民の息子です、と答えただけだ。

 それなのに、父親母親のことをいきなり話せというのか。

 まあ、この世界での父親母親の名前くらいは昨日知ったので、答えられる。


「えっと、お母さんの名前はアクアークスで、お父さんの名前はユーカトル……です」

「おお、そうか。……アクアークスとユーカトル……。聞いたことのない名だな」


 ……それは当然なのでは?

 農民だ。(たぶん。)

 名前を知っているはずがない。


「……まあ、とりあえずそれは後で調べるとするか。さあ少年、この石を触ってください」

「は、はあ……」

 

 訳も分からず石を触る。

 ……ああ、ここで何かが起こったりしてな。まあ、そんなこと起きるわけないか。

 ただの石だ。


「バチッ!!!!!!」

「いたっ!!!」


 とたんに石が弾け、砕けた。

 まるで強い静電気でも通ったみたいに、私の指はヒリヒリしている。


「な、何なんですか、これ……」

「………………」


 何してくれるんですか、とじとっとした目で男を見る。

 すると男は、信じられないとでも言うように、私を凝視している。

 そしてしばらく私を見た後、石を見た。


「……………これは、一体……何なんでしょうか」

「……さ、さあ?」


 私に聞かれても困る。

 それよりも謝ってほしい。

 無防備に石を触った私も悪いが、こんな電気バチバチのものを触らせないでほしい。


「魔力が……何ですか……これは……」


 男はやや青ざめている。


「……多すぎます」

「……? 別に悪いことじゃありませんよね」


 すごい、さすが転生。やはり、チート能力というものがあるのだろう。


「悪いことです、非常に。……この量は、現王と大体同じ量です」

「はあ……別に悪くなくないですか?」

「いいえ。……貴方の歳は?」

「え……」


 ……私って何歳なんだ?

 見た目からして十歳前後か、それとももっと大きいか。

 記憶をたぐらせる。

 たしかリトルは昨日、来週誕生日だとか何とか言っていなかっただろうか。

 ……えーっとー、確か、十一歳の!

 お前の誕生日も祝ったんだから俺のも祝えよ、と言っていたからおそらく私も十一歳。

 ここはもう、リトルと同い年だということを願うしかない。


「……十一歳です」

「恐ろしいですね。十一で、この量? 一体成人したらどれほど……」


 男は青ざめた顔をさらに青くし、もう紫まできている。


「……何かあるのですか?」

「反逆罪だと言われて死刑になるでしょう。貴方はもちろんのこと、家族や村の住人も」

「え!?」


 それは非常に困る。転生して早々死刑に!?

 しかも家族も死刑!? 

 ……何それ、申し訳なさすぎるでしょ!

 家族からしたら、異世界人が急に息子に変わってその息子のせいで自分らも死刑になるという最悪な事態だ。

 ……一体どうすれば……!!


「……しかし、それは私が許しません。せっかく魔力の多い者を殺すなんて、馬鹿が過ぎます。私ならば、死ぬまで魔力を搾り取る、という方法を選びますがね」

「絞りとっ!?」


 せっかく死なない道筋が見えたと思ったら、今度は国のために一生魔力をあげなければならないのか。

 ……そんなんじゃ、私の陸上国作り、始まるどころか始めるまでいかないんですけど!?


「嫌です!」

「そりゃあ、そうでしょう。国のことが自分ことよりも好きでなければそれは出来ないでしょうね」


 男はうんうん、と頷く。

 まるで自分はそうではないとでも言いたげだ。

 先程はあれほど「王を侮辱するものは私が許さない」とか言っていたというのに。

 ……いや、王を侮辱するのが許せないだけで、国のことは好きじゃないとか?


「そこで提案なのですが……」

 

 男はにこやかに笑いながら、それこそ反逆罪とも言える言葉を口にした。



 ——私と一緒に国を作りませんか?

読んでくださりありがとうございます!(´▽`)

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