表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あれ、もしかしてもう最強に!?   作者: 星乃いーふ
2/6

生まれ変わった場所は

 ……ここ、どこ……?

 確か私は、死んだ。

 だというのに、この空気はなんだ。まるで生きているような。空気を生で吸っている。

 ヨーロッパ街のような石造りの家が並んでいる。

 しかし周りにいるのは日本人っぽい顔の人たち。

 ……テレビの撮影かなんか?

 でもだとしたら、私はそんなものに参加した記憶はない。

 しかも私は、死んだはず。

 ……いや、どゆこと!?


 〜前世の私〜


 陸上部に入っている私、柚姫は、猛烈に青春を楽しんでいた。でも、彼氏がいた経験はない。

 告白は片手では数えられないほどにはあるが、全て断ってきた。

 私はいわゆる『〇〇』というものが恋人系女子だ。

 その〇〇は、陸上。いや、走ること。

 走るのはすごく楽しかった。

 私が走るのは八百メートルで、一瞬だ。

 走っている間は苦しい、などの感情が出るが、走り終わったあとの達成感、嬉しさ、結果を見た時の悔しさ、感動が私の心を埋め尽くす。

 今日は、高校最後の試合。そして、全国大会だ。


「柚姫、頑張って!」

「柚姫ならいける! ファイト!」

「うん、ありがと〜」

 

 今日は仕事で忙しいお母さんとお父さん、そして親友が見に来てくれた。

 ……この応援のおかげかな。今まで続けられたのは。

 もちろん最近は、走ることが楽しい。だが、最初は苦しくてたまらなかった。

 やめたい、と何度も思った。でも、この応援があったから、私は頑張ろうと思えた。

 私の性格も出ているのかもしれない。

 ……ここまで来たんだ。絶対優勝したい!

 私はトラックの近くに足を踏み入れた。



「セット……バン!」


 審判が声をあげ、気持ちのよい音が響いた。

 学校にいる友達はうるさくて嫌いだ、とか言うけど、選手にとってはこれが命のようなものだ。

 まあ、八百だから、それほどではないかもしれないけど。

 私は必死に走る。

 さすがに全国だ。みんな桁が違う。

 ……でも、負けない!

 必死に足を動かす。中間らへんだった場所から一人、二人、三人と徐々に抜き進めた。あと一人だ。

 今いる場所を確認する。あと、百メートルだ。

 ……まだいける!

 そう思ったはずなのに、表彰台には二位と書いてあった。


 ……あれ、もしかして私、負けちゃった……?

 あと、少しだった。あと少しだったのに。

 これまで、頑張ってきたのに。

 ……私、また二位?

 小さい頃から私は、二位だった。

 何かが特別勝っている訳ではない。ただ、全てが平均よりも出来ただけ。

 そんな自分に寒気がした。私は、一位になりたい。なんだかとても子供らしいことを言っているけれど、私はまだ子供の分類に入っていいはずだ。

 お母さんたちが私を慰めた。でも、慰めなんかいらない。私は一位にならなくちゃいけないんだから。

 ……神様、神頼みって訳じゃないけど、ちょっとだけ、私に力を貸してくれないかなぁ。


「なーんて。何やってんだ、私。神頼みなんかしちゃってさ。…………う、うぅ。……なんで、私はいつも、二位なんだろう。……うゎぁ……」

 

 私はその日、悔しくて泣いた。

 家族には、さよならを言えなかった。


 私は一人で帰る、と言った。少し、気持ちの整理がしたかった。

 まさか、それが仇になるとは。

 私にはトラックに轢かれる瞬間、何かが変わる予感がした。



「で、死んだはずなんだけどなぁ」


 トラックに轢かれる。それは身を持って感じた。間違いないはずだ。となると。


「これが、異世界転生……」


 なんだか不思議な気分だ。さっきまで私は、泣いたただの柚姫だったはずなのに。

 不思議で首を傾げていると、私の耳に幼児の声が入ってきた。


「ねえ、ママ。さっきからあの人何やってるの?」

「しっ。見ちゃいけません!」


 ……は、恥ずかしい!!

 確かに変な動きをしていた……かもしれない。

 私はとりあえずぶらぶらと周辺を歩くことにした。

 この胸の高鳴りを静かに感じながら。

星乃いーふです(*^^*)

時間がないのでちょっと変なところで終わります〜。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ