9話
処女作であり、一応VRMMOものだと思います。不定期更新です
…いつまでここにいればいいんだ?いい加減することもなくなってきたんだが。…探索だけして何もなければ自殺しよう。取り敢えず花を摘んでみるか。また来れるかわからないから多めに摘んでおくk
「何をしている?」
わあ、突然現れた女性に大剣を突きつけられてる。なんか殺気を感じないし、どうなってんだ?…さて、どうするべきかな。明らかにこの人のほうが僕より強いよね。
「ん?君…侵蝕持ち?」
「へ?まあそうですけど…?」
「あっ。ッスゥゥゥゥゥ。…え〜、」
「?」
「大っ変、申し訳ありませんでした!」
どういうこと?
「どういうこと?」
「侵蝕等の一部のスキルを所持者が鑑定した場合、そのスキルを理解するためのチュートリアルをするという決まりがあるんです。その際、少しでも影響が減らせるように直ぐに転移してチュートリアルを開始するんです。それなのに私は、それなりに待たせた上に武器を向けてしまうなんて…お詫びとして何かしらで補填しないと…。ひとまず、侵蝕のチュートリアルを開始してもよろしいでしょうか?」
…まあ補填されるならいいかな。
「じゃあ開始してください」
「では、ここに謎の物体Xがあります。そして見てください。あなたの近くから変色していきますね?変色している部分はあなたに侵蝕された部分です。試しに形を変えてみてください。」
今は四角いから…適当に尖らせるか。
「…このように、侵蝕した部分はあなたの思うように動かせます。そして、侵蝕した物について、「どんな物か」はわからなくても、「どれが違う物か」はわかります。ここに謎の物体Xとそこら辺の石を混ぜた物体があります。これを謎の物体Xと石に分けてみてください。因みにもう侵蝕済みです。」
確かにさっきのやつとなんか違うのが混じってる感じがするな。さっきのやつを右に、違うのを左に分けるか。
「では、あなた自身の影響を説明しましょう。例えば、私が魅了をあなたに対して使っても効きません。他にも、念動を使っても動かせませんし、精神攻撃も効きません。まあ、念動に関しては周辺の空気等を動かして押せば動かすことができますが。つまり、何が言いたいのかというとあなた自身に関する干渉の無効化です。よっぽど格上なら干渉できるかもしれませんが、まあ救国の英雄でも無理でしょう。」
…ヤバくね?ヤバいな。
「現在、あなたが他のものに対してできるのはここまでです。では、補填その①です。一時的に未解放の技能の中で本当にまずいもの以外を解放します。これで解放してすぐに必要になっても使うことができます。開放できるのは他の存在に対する侵蝕と空間に対する侵蝕です。」
いや、空間に対する侵蝕って相当ヤバいと思うんだけどな。解放しないものはどれだけヤバいんだ?
「…まあ、言うだけならいいでしょう。今回解放しない技能は、■■に対する侵蝕と、〇〇に対する侵蝕です。…どうやら、言ってはいけないと判断されたようですね。では、他の存在に対する侵蝕についてですが、ここに、抵抗できない状態で創られたレイスがいます。まずはこれを侵蝕してください。」
急にレイスが誕生、というか創造されたことには驚かないぞ。それはそれとして、侵蝕し終わったな。ん、なんだコレ、視点が増えた?
「レイスを侵蝕したので、あなたの種族が「キメラ(ミニレッサースライム、レッサーゴブリンベイビー、スカル)」から「キメラ(ミニレッサースライム、レッサーゴブリンベイビー、スカル、レイス)」になりました。当然、レイスの種族スキルも使用できるようになりました。もし、視点が増えたことに違和感を覚えた場合、レイスの体と元からあった体を混ぜ合わせる様にすれば一体化できます。また、一体化した場合、レイスは肉体を持たない種族なので、肉体を攻撃されて、「肉体はやられたけど、HPは残っている」状態の時や、何らかの方法で肉体を捨てた時にレイスの体で活動できます。それと、死体を侵蝕しても種族は追加されません。生きている状態で侵蝕しないと意味がないので注意してください。」
あ、ホントだ。やっぱり視点は一つのほうが落ち着くな。でも、強くなりたかったら視点が複数あることにも慣れたほうがいいのか?いや、普段の生活のことも考えると慣れないほうがいいのか?一つの体に複数の目があるとかだったら結構慣れてるんだけどな。伊達にショゴスのアバター使ってないからね。
「では、最後に空間に対する侵蝕についてのチュートリアルです。そうですね…では、侵蝕されている状態の異空間を用意しました。はい、異空間に入りました。では、ここにガラスの箱を創りました。勿論この箱の中も侵蝕されていますし、箱自体も侵蝕されています。この箱の中に転移…どちらかといえば瞬間移動のほうが正しいですが、まあそれはともかくとして箱の中に入ってください。大丈夫です。イメージできれば大抵のことはできるのが侵蝕というスキルなので。」
イメージできれば大抵のことはできる、か。イメージできれば、ねえ?…イメージできるわけないんだが?
▲●おまけ■◆
この世界のゾンビ、スケルトン、レイス等のいわゆるアンデットと呼ばれるような種族について
スライムが流動的な体を持つように、ゾンビは所々腐っている(そう見えてるだけで実際には腐ってないし正常)体を、スケルトンは骨(骨に見えるし、硬さとかも同じだが、そういう形をしてるだけの偽物)でできた体を、レイスは物理的な干渉がスキルを使わなければ不可能な体(例外として、光だけは干渉できる)を持っている。まあ要するに別に死人とかが何らかの要因でなったとかではなく元からそう言う種族に生まれていて、扱いも分類も一般的なプレイヤーが戦っているウルフやラビットなんかと同じ。強いて違いをあげるなら、怖がられやすかったりレイスの警戒レベルが他より少し高いぐらいのもの。
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