表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/51

だ、だけどここは最深部

「ダメージ・コントロール!」


 魔王フアトロはスキルを使い必死の形相で駆逐飛空艦、奇城 茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまを立て直そうと試みていた。


 攻撃役たるジャックがいなければもはや逃げるしかない。


「2番修復、4番修復、ふふふっ。まだまだぁ……」


 どうにか退避できる目途が立とうとしたとき、急にフアトロは寒気を感じた。


 フアトロは何事かとシステムメッセージを見た。


 見てしまった。


システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。抵抗――

システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。抵抗――

システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。抵抗――

システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまは何者かにDOT攻撃を受けました。

システム:魔王フアトロは状態異常、悪寒が発動しました。

システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。

………………

………


 そんなメッセージが延々と続き、今もなお継続中だ。


 まさか……、ただの艦に萌えているというのか?


 一体誰が? さすがに駆逐艦に萌えるとかHENTAIすぎるだろう。


 フアトロは思い出す。ヤツしかいない。

 それは、あのHENTAI以外にあり得ない。


 やつの≪視姦の魔眼≫以外には――


 このままではまずい……

 だが逃げおおせれば何とか――


 ここは駆逐飛空艦、奇城 茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまの最深部だ。

 DOT以外の攻撃など食らうはずもないのだ。

 逃げることなど容易なはず――


(しかし、一体どこから――)


 駆逐艦の魔道カメラを回すと、街の中心部で魔王リナの参謀たるサピエがスコップを手に何かを詠唱していた。



 スコップ――

 それはドイツ人であれば塹壕を作らずには入れられない愛と勇気のアイテムである。



「有象無象の区別なく――


  奇人(キジ)となった吾輩の弾丸を阻むものなど――


    あんまりない――」


 大きくサピエはそのスコップを振りかぶる。


 そこに自励された大量の魔力の光が現れる――


 それは、オーダの三段落ちの最後を飾るにふさわしいほどの威力を秘めていると容易に理解できてしまう。

 大次点魔王が三段オチ――。その最後を持って2x3=大六天魔王となす。そんなフィナーレを飾る攻撃だ。


(あれは、あの光は――まさか――)


 あんなものを投げつけてどうなるというのだろうか。


 だが、それが最終奥義(ラストワード)だったらどうなってしまうのか。


 『掘る』ことに特化したそのアイテム、スコップ。


 そして、おっぱい揉みくだし師というクラス。


「……だ、だけどここは最深部、ここまでたどり着くことなんてそう易々できるわけ……」


 しかし、フアトロを思い出してしまった。

 人々を新世界に導く白い悪魔という称号――


 すべては、あれがキケンだということを雄弁に語っていた。


 最終奥義(ラストワード)に対抗するには最終奥義(ラストワード)しかないが、ダメージコントロールで手いっぱいのフアトロにそんなものを出している暇はない。


(あぁ……、もしあれが繰り出されたら……)


 フアトロはあのHENTAIにおっぱいを揉みくだされたことを思い出した。

 思い出しながらフアトロの瞳の瞳孔が小さくなる。目の前が真っ暗になる。


「あぁ、あぁぁぁぁ―――」


 サピエの詠唱は続く――


「そうあんまりない、あんまりないのだ!!


 喰らうがよい! これで終わりだ!


 おっぱい揉みくだ師がぁぁ、最終奥義(ラストワード)ぃ!


 ほるすぅぅ~☆カリバーぁぁぁ!!」


 放たれた弾丸はまさにBOMというべき恐るべき威力を誇り、駆逐飛空艦、奇城 茨魏魏ヶ島(いばらぎおにがしまに施されたいくつもの内壁をすべてぶち抜いて魔王フアトロのケツをぶち抜いた。


 あのおぞましい体験は、実に――――新世界だ。


「いや……いや、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 その声が、魔王フアトロの最後であった。

 本日の汚い花火、ケツからファイヤーが炸裂する。



            ≪傲慢之魔王たる魔王≫フアトロ、撃破!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ