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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

命の焔

作者: M.K.Shion

目覚め。


差し込む朝日と、起床の目覚ましの音が部屋を支配する。

彼は上体を起こし、両手を見つめ、熱を確かめる。


胸に手を当てる


───温かい。


確かな鼓動がその両の手の平に伝わる。

一つの命を繋ぎとめるに必要な、温かな鼓動。

それは、誰しも誰にでも、『生きている』ことを実感させる為に十分なものであった。


彼はベッドから静かに立ち上がり、白一色の服を纏う。

そして、コップ一杯の水と、少量の錠剤、そしてある薬剤50mlを注射器で、身体へ取り込んだ。





現在日本は、未だ嘗てないほどの栄華に包まれている。

人は笑い、食物をほおばり、酒を飲みあい、時に朝まで語り明かす。

まさに鼓腹撃壌といった具合である。


ここは『シド区』


日本復興・景気回復の為に作られた更生施設。

名前の由来は、その当時有名だった歌手から取ったものとかなんとか、詳細は不明である。

その施設の表向きは、選ばれた全国の無職、生活保護受給者を再び再就職や扶助無しの生活へと支援を行う、謂わばハローワークな様なもの、らしい。

選ばれたその人々は、シド区の中で生活をし、十分に一般社会で生きられるようになったらシド区から解放されるといわれている。


彼、こと相生悠木は、そんな選ばれた民の一人である。

生まれつきの悪相と、幼い頃、事故によって負った巨大な傷による後遺症と、体中の創痕により、事故前後からの記憶が曖昧、かつその事実から二十代半ばになっても就職が出来ず、途方に暮れていた。

そんな彼にある一通の手紙が届く。


───そう。『シド区』への招待状だ。


彼は喜んで参加した。

これで就職が出来るなら、これで親に迷惑をかけなくて済むなら、自立できるなら...と。


シド区が提示しているデータによると、シド区出身者の就職率は100%である。

その数字を見て、彼は迷いなくシド区への入区を決意した。





窓に映るは、ただひたすらに手を動かす人間の姿。


ひたすらに同じ行動を繰り返す人形。


目は虚ろに宙を眺め、だがその手は止まる事はない。



人形達の胸についている装置は、『枷の罪火』と呼ばれる、生命を可視化する装置である。

シド区にいる限りは、これが通行証となり、また固体識別証になる。逆を言えば、シド区ではこれが無いと生きていけない。


さて、その人形達。

人形と言っても人間であるのだが、『火が消えている』のだ。


『火が消えている』


それは、そのもの自体がもう生きていない事を意味する。


そして、その人形達が。

死んでいるはずの人間達が。

ただ、何の作業をしているというのだろうか。


死んだ人間が動くことはありえない。だが、現実としては窓の向こうの目の前で動いている。


人形達から、視線を下へと移す。

するとなんということだろうか。

あろうことか人形達はまた「動かない」人間を解体していた。

解体された部位はベルトコンベアへと乗せられ、何処かへと運ばれていく。


彼はそんな光景を眺めながら、また、耳鼻科の診察椅子のようなとある機械へと繋がれていた。

隣には同じ境遇の、既に体中に電極を、頭へと被り物をした人形達。


通常であれば、そんな光景を見れば、目を疑い疑問の声をあげる以前に死体なんかを生活の中で見ない常人では胃の内容物を吐き出していてもおかしくない光景である。


だが、彼、悠木は何も感じず、ただただあるがままの光景を受け入れている。

その目は既に生気を感じさせず、唇や頬は痩せこけ、眼窩は窪み、おおよそ生きた人間の様相をしていなかった。

そして彼の胸にもまた、『枷の罪火』がつけられている。いや、正確には嵌め込まれている。それも、自分では決して取り外せぬよう厳重に。


彼の目の前に、とある機械の被り物が降って来る。

その後は、身体を強制的に椅子へと固定され、被り物で視界を塞がれた後に、身体中へと電極が容赦なく刺し込まれる。


痛みが、苦しみが、身体へと襲いかかって来る。


身体の内部を焼かれるような痛みと、乗り物酔いや酷い眼精疲労によっておこる吐き気に似た何か。

身体は小刻みに痙攣を続け、どんなに激しくなったとしても止まる事が無かった。





彼は、気付いたらシド区内に用意された自室にいた。


今までシド区から用意された仕事をしていた、という記憶はあるのだが、どうも詳しい業務内容が思い出せない。

朝から夕方辺りまで仕事をしていた、という充足感は身体にみちているのだ。だが、肝心の仕事をしていたという記憶はない。


それでいて、シド区に入る前の日本での平均的なアルバイトの給金よりも高いのだ。


心と身体は満たされている。

財布も満たされている。

これだけあれば生活に不満もないし、部屋は用意されているもので家賃なども払う必要も無い。

食事もシド区から労働の対価として無償でいつでも食べる事が出来る。


シド区へ入区する前に聞いた、シド区での生活が魅力的過ぎて出たくない、という噂も頷ける生活。


だが、どうにもな不気味さと違和感を感じざるを得ない。


「おーい、飯でも食いに行こうぜー」


一先ずは、同僚と腹ごしらえに食堂へと向かうのであった。





満足げに腹を食物で満たした彼は、考察の続きを想定していた。


まず、可能性としてあり得る一つ目としては何らかの方法で記憶を消されていること。

この想定だと、身体の何処かに異常が出ていないとおかしいのではないだろうか。

だが、


「おかしいところは...無い、よなぁ」


身体の何処にも異常な点は見られない。

ドラマなどにありがちな注射痕もないし。鬱血の痣などもない。

それに、例え拘束されていたならば抵抗した後が残っているはずだ。


一つ目としては可能性は低い。


では二つ目。記憶機能に何らかの障害がある。

だが、今までの生活でそんなことは無かったし、シド区に入る前の記憶もある。

薬か何かを射たれたという想定は一つ目で消されているから、ない。


よって二つ目も可能性は低い。


ならば三つ目…と考えて行ったところで切りがない。

彼は、きっと集中しすぎて覚えて無いだけだろ、と決め付け、早々に思考を打ちきったのであった。


この後、施設の従業員に業務内容を聞いてみても、帰ってくるのはいつも同じこと。


シド区へ入区する際に添付されていた用紙に書き込まれた内容と同じ。


結局、考えても、探しても、意味の無いこととして終った。


「やっぱり、思い込みが過ぎただけかぁ。

昔っから思いついたらすぐ行動してたからなぁ...よく考えて行動しなきゃだなこれからは」


彼は個室のベッドの上で、そう一人勝手に納得して、明日の作業と生活のために睡眠についた。



───彼を監視する視線があるなんて露さえも思わないで。





「区長」


そこには、白衣を纏った痩せこけた男がいた。

区長と呼んだ男の目線の先には、まるで富の象徴のようなでっぷりと太った男が、デスクチェアへと座っている。


特注だろうか、一面ガラス張りされた背景からはシド区の夜景が展望できる。


デスクの上には、様々な、古今東西の美食が並べられている。

区長と呼ばれた男は傍らのワインボトルを手に取りつつ、煩わしいものを見るかのような目つきで白衣の男を見やる。


「なんだね。

私は今忙しいんだ。急用以外は出て行ってくれたまえ。

もしくだらない内容を報告するのだったら...覚悟したまえよ」


じろりと白衣の男を()めつける。

すると白衣の男は傍らに抱えたA4用紙数枚の紙束を区長のデスクへと皿を押し退けるように置く。


「くだらないかどうかは、私は認知致しかねますな。

最終的な決定権は区長、あなたにあるのですから。結果、それでこの実験(・・)が失敗したとしても、全てはあなたの責任となるのです。」


紙束の中から一枚引き抜き、区長の目の前へと突き出す。


「これを見て、くだらないとおっしゃるのならば、きっとあなたは歴史的偉人にも負けないくらいの豪胆なのでしょうね。」


「あぁもう、うざったらしい!

グダグダと口上を垂れるくらいならばさっさと出て行かんか。」


区長は突き出された書類をまるで虫でも払うかのように押しのけ、白衣の男を無理矢理に部屋の外へと追い出した。

区長は、これでやっと一安心、とでもいったかのような表情を浮かべ、書類を一瞥するでもなく、ただひたすらに美食に舌鼓を打つのであった。


白衣の男は、区長室より追い出されて、再び自分のあるべき場所へ戻ろうとしていた。

歩く廊下の窓からは、機械に繋がれた人形(・・)たちが見える。

人形たちの肌は所々焦げたように黒く変色していて、おおよそ生物の肌という様相をしていない事が見て取れる。


「あぁ、また失敗の先触れか...再び出力調整と事前の予測を立てないとじゃあないか...」


白衣の男は愚痴りながらも実験の成功にまた一歩近づいたことににんまりと口角を吊り上げた。

男は、そんな様子を見て気分がよくなったのか、足早に自分のあるべき場所へと急ぐ。


「堪らない...堪らないじゃないか...ヒヒヒッ!」


区長へと提出した書類の事などはとっくに忘れて、遂には人目も憚らず笑いながら駆けていった。



その頃、白衣の男が去った後の区長室では、書類になど目も移さず食事を楽しんでいる「豚」がいた。

それどころか、提出された書類など必要ないかのごとく部屋の隅に追いやっていた。

たった数枚の紙束は、区長としての執務だろうか、はたまたサボタージュを決め込んでいるのか、その大量の書類の海の中に紛れ込んでしまった。

取り戻す術はすでに遠く、「豚」はそれに気付かず、ただひたすらに食事を続けるのであった。


「あぁ、やはり、食を極めることは、がふ、至高の極みだと、むぐ、思うのだよ...」


空いた皿を手で押しのけ、新たな皿を手元に引き寄せる。


空の皿が塔を作っていく。


塔は幾重にも立ち上り、部屋を埋め尽くしていく。


塔の下へ海の底へ、やがて何処へ往くのだろうか。


区長室は、絶え間ない独り言と、咀嚼音だけが支配していた。

そんな食欲の深淵に、再びノックする音が響く。


「よろしいでしょうか」


「急用なら入れ。それ以外だったら入るな。」


「失礼いたします」


上質な木材で作られた大きなドアがゆっくり開かれる。

扉を開いた彼女は三角巾を被り、腰には細かな清掃用具を纏めたベルトをしていた。

そう、正に清掃をしようかと言う格好をしていたのだ。


その格好を見て区長は理解したのか、一目見て、うむ、よろしく頼む、と一言声を掛け、再び食事に戻った。


数分後にはもう区長室を埋め尽くしていた皿が纏められていて、書類の塔が大半を埋め尽くす構造になっていた。

その中から彼女は、若干毛色の違う書類を見つけ出した。所々に折り目がついてくしゃくしゃになった書類だ。

彼女は通常皿の片付けと古紙回収のための仕事をするのだが、区長が古紙と必要書類を分けないように捨てているから分けるのが一苦労なのである。

そのため、時たま区長に判断を仰ぐのである。


「区長さん、この書類は回収してよろしいのでしょうか。

宛名と件名、名前が書いてありますが...」


区長は一瞥して、先程の白衣の男とは変わった態度で


「あぁ、どうしていいか私には判断できないんだ。

其の所にでも送っておいてくれないか」


と答えた。


彼女はそれを理解したのか、かしこまりました、と一言残し、区長室を空高く積みあがった陶器の塔と共に区長室を退室した。





悠木にとっては、シド区へと入区してからおおよそ半年程たった朝。


窓から差し込む朝日と、目覚ましの音。


いつもと変わらない朝。


シド区での生活にも慣れてきて、友人も、気になる異性も出来て。


時には傷付き、時には支え合い、今までなかった「恋」ということもあった。


まるで、失われたあの頃

───学生時代の青春を今、体験しているかの様だった。

片想いの人ができたら冷やかしながらも励ましてくれる友人達、彼女ができたら喜んで飯を奢ってくれる、大切な仲間。

そして、ここに入るまではあり得なかった初体験も...


現実ではないのかと、まるで夢なのではないかと思うほど、幸せと充実の頂点になっていた、そんな朝。


今日は彼が担当する業務での定休日。

そんな彼の部屋に、一つ、封筒が届いていた。

シド区内でも郵便の業務はあるらしく、こんな風に届け物が届く。利用する人は少ないらしいが。


投函されていたもののタイトルとしては『被検体第641号・相生悠木について』。


「被検体...だと...?」


彼はタイトルを見やるなり、乱雑に封筒を破り、中の便箋を取り出した。

中には複数枚の書類が詰め込まれていた。


一枚めくり、そこに書かれていた内容は


『被検体第641号・相生悠木について


被検体第641号・相生悠木(以降第641号と示す)において、他検体と異なる特異な反応が見られた。

具体的な事柄としては


・記憶の復元の兆し


・洗脳の弱化


など、本来入区時の脳調整によって破壊された、あり得ない機能が第641号に見られた。第641号には驚異的な脳細胞耐久性、若しくは回復性が予測される。

これについては、研究所も解析を進めているが、脳を開き見てみると他検体と極めて同じ構造をしていることのみしか解明出来ていない。成分分析の結果も同様である。

このままではシド区の秘匿領域に感付く可能性を払拭できなくなる恐れがある。


よって、速やかに第641号を処分することを推奨する。

区長の賢明な判断に期待する。



個人の意見としては...彼こそが実験の成功体第一号に私はなると思うのだがね。



なお、この文書は極秘事項につき、読了の際には必ず復元出来ないよう処分すること。


研究所より。』


彼はその文書を読み、唖然とした。

何が、何をこの文章が示しているのか、理解できなかったからだ。


彼は他の書類にも目を通す。

そこに綴られていた事柄は、どれも理解のし難き内容に変わりは無かった。

だがそれと同時に、この毎日が現実なのだと実感させられるに値するものに他ならなかった。



『入区の際の記憶消去』


『ヒトの感情・運動制御』


『人体実験と、それに関する兵器開発』



(何だこれは...)


彼は文書を読み進める。

一般人が理解するには到底知識と教養が足りないような文章だが、何とか噛み砕き多少理解したつもりでひたすら読み進める。



『人体の生命維持に不可欠な「枷の罪火」システムの厳重化』



(なんだ...「枷の罪火」...?)


彼は、胸を掻くような仕草で、文書に書いてある通りの位置に手を伸ばす。

おそるおそる伸ばしたその指先に触れた硬いものに、それを感じ取るように指の腹で、指全体で、感じ取る。


(何だよ...これ...)


指に触れたものは、温かく熱を発する六角の人工物。

人体とは全く違う感触に驚かざるをえない。それ以上に、その部分だけが、身体から熱を奪い取るように温かい、いや熱いのだ。何故、今まで気付かなかったのか、と思うほどに。


驚きが身体を上回って緊張したのか、一言、いや、吐息たりとも漏らさずに彼は文書を読み進める。


そして彼は、ある一文に目を走らせる。



『24時間体勢の下、第641号をあらゆる面から監視した結果───』



彼は、その瞬間激しい寒気と怖気に襲われる。


この文書は、もしかしたら何らかの創作で、書いた文書を俺を知る何者かがいたずらで送りつけたのかも知れない。

この文書は、もしかしたら誰かの陰謀で、これを読んだ彼が動揺し、おかしな行動に出る事を何処かで笑ってみているのかも知れない。


...いや、この文書が、もしかしたら全て本当のことだったら


今も尚、誰かを、いやここに住む全員を監視しているのかも、人体実験などというふざけた行為を実際に行っているのかも知れない。


それとも───


彼は、何時の間にか震えていた手を強く握り、部屋中に視線を張り巡らせる。

そして、極めて自然な行動を心がけたのか、ゆっくりと足を動かし、そのまま文書を自室の机の中に押し込んだ。



『あらゆる面から監視』



もしも、この文書が本物ならば、不用意な発言は出来ないし、不審な行動も起こせない。

書かれている事が本当ならば、彼はただの一実験動物。恐らく、処分(・・)されてしまう。


あぁ、暑いなぁ、と震えた声で他愛ないことを呟きながら、彼は再びベッドへと横たわる。


もしかしたら、身体の中から既に監視されているのかも知れない。


彼は右腕を額に乗せ、脂汗を拭う。

そして、過去に何があったかを思い出そうとする。

だが、非常にも伝う汗は焦りを表すように、止めどなく溢れていた。



───



『やった!シド区からの招待状だ!』


彼はうれしそうに招待状を両親に見せ付ける。

これで「穀潰し」などと言われずに済み、尚且つシド区へ入ることが出来れば今や退職寸前ともいえる両親へ仕送りも出来る。

周りからは「就職していない」ということで白い目で見られることはないし、親孝行が出来れば自ずと外からの評価も変わってくる。


もう、買い物に出かけるにも周囲の目を気にしなくていい。


もう、スーツを着ることに抵抗を覚えなくて良い。



そして、旅立ちの朝。


彼は招待状に記載されていた様に、首都のある一角に向かった。

同じく記載されていたことによると、シド区へ入る前に何か講習を受けてから、そしてその講習の内容に納得、同意してからシド区への入区が認められるらしい。


そして、ある建物へ入って───



───



ここで記憶が一旦途切れている。


その後は、シド区での自室で、寝転がって見覚えのない(・・・・・・)用紙を眺めている記憶しかない。

そこからも、様々なことを思い出そうと更に記憶の深層へと足を運ぶ。



───



けたたましいサイレンと共に、機械的な音声で起床の号令がかけられる。

ノイズがかったその音声は、寝起きの頭にもはっきりと届くそれであって。


『起床時間になりました。

該当する人員は直ちに作業服に着ガえ、ひろバにシュウごうシて───』


脳の髄まで鳴り響くサイレン。

狂ったような音を紡ぐ機械。

歪んだ視界はいずれか閉じられる。


「起キなきャ...行かナキャ...?」



───



また、ここで切れている。

次の記憶は「作業を終えて自室で待機している」自分の姿であった。


「おかしな所しかねぇじゃねぇか!」


そう叫びたい気持ちを押さえつけ、彼は右腕を額からベッドへと落とす。

もしかしたら、彼以外の他の人たちは、文書に書いてあった通り記憶を完全に消されていて、こんな風に思い出せていないのかも知れない。

そう、目を瞑り身体をベッドへ沈ませながら考える。

ならばどうやってこの「違和感」の正体を解決するのだろうか。


世界に「異常」が溢れていれば、たった一人の「正常」は「異常」となってしまう。

彼が彼以外の誰かに訴えかけたとしても、もし(・・)既に「異常」ならば、彼が排斥・淘汰されかねない。


ちくしょう、と彼は内心呟き、じわり、じわりと溢れ出る孤独感と猜疑心に苛まれ始めていた。


杞憂であってほしい。


この、作り物にしてはやけに現実味を帯びている手紙が、偽物であって欲しい。


彼は再び、記憶の深層へと潜り込んだ。





衝撃


砕ける音、ひしゃげる音、潰れる音。


鳴り響くサイレン、響き渡る怒号、少年少女の泣き声。


揺れる視界。

赤色灯が目につく。


眩む聴覚。

反響する騒音。


朦朧とした意識を必死に繋ぎ止め、見えたものは、血にまみれ、関節が新たに一つ加わったのか、ボロボロになった自分の腕だった。


どんなに力を込めても動かない車輪。


どんなに力を込めても動かない身体。


どんなに力を込めても感覚のない脚。


そして目を閉じた次の景色は、白い、白い天井。

身体中に機械を繋がれているのか、視界には沢山の、色とりどりのケーブルらしきものが見える。それと同時に、電子音。

規則的なリズムを刻むその音は、何故か、何処か心地よく、再び目を閉じた。


目を開けた次の景色は、誰かが泣いている景色だった。


その人は「目を開けて、目を開けてよぅ」と泣きじゃくりつつ、胸元にすがり付いていた。

目を開けているじゃないか、と手を伸ばそうとするも、身体が言うことを聞いてくれない。逆に、手は動くどころか更にベッドへ沈み込むばかりである。


動け…動け…


祈るように腕を伸ばす。

されども、腕は力なくベッドへ沈むばかり。

そこで力が尽きたのか、目蓋は暗闇をもたらした。


目を、目を覚ませ…


何かが壊れる音がする。

それは小さな光のような、わずかなものだ。

すがるその意思は、功を奏したのだろうか?





彼は、こうしてはいられない、とパッと目を開き、普段通りに部屋から外へ出る。

何をする、というわけでもないが、閉じ籠っていてもただ疑心暗鬼になるだけだと自分に言い聞かせ、身体を動かす。

普段よりも心なしか重い特殊樹脂で出来た扉を開く。

開けた景色は今までとなんら変わらない、無機質な廊下に、窓から見える街。

木々は、葉をゆらゆらと揺らし、そよ風が吹いているだろうことをあらわしている。きっと、葉はさらさらと心地よい音を奏でているに違いないだろう。


「おい、どうしたんだ?そんな浮かない顔して。」


景色を眺めていたら、彼は不意に誰かから話しかけられた。

振り返ると、そこにはよく知った顔の、謂わば友人とも言える人間がいた。


「そろそろ朝飯の時間だろ?

飯食って元気出せよ!ほら、行くぞ!」


彼は余程酷い顔をしていたのだろうか、半ば無理矢理に食堂へ連れて行かれたのだった。

食堂は彼らの部屋に近い、というか同じ建物内にあり、普段から幾人もの入区者が利用する場所である。

当然、そこは時間帯に関わらず人間が集まっている訳で、現在の彼は少し遠慮したいと思うような場所ではないだろうか。


「あの話が、あの手紙が、あの記憶が、本物ならば」


だが、ここで拒むわけもいかない。

こんなところでそれを表面に出してしまえば、本当の意味で、ここで終わってしまう。


仕方がない...


彼は食堂へと大人しく連行されたのだった。





見慣れた場所に、見慣れた顔。

見慣れた食事に、見慣れた衣服。


いつも同じのこの場所で、いつも同じの彼らは、いつも同じのそれを摂っていた。

彼は、どこか不自然なところがないかを注意深く、注意深く観察していた。


目の動き、話の内容、仕草、ありとあらゆる事にまで気を配っていた。


もしかしたら、すべて嘘だったんじゃないか、と信じたかったがために。

確かに、あの話、記憶、すべてが嘘である確立は限りなく低いだろう。

だが、彼は信じたかった。疑いたくなかった。

この半年、一緒に暮らしてきた『仲間』を『非検体』だなんて、信じたくなかった。


その時、突然頭痛が走る。


彼はその痛みに対応することができず、うっかりと手に持っていた箸を落としてしまった。

急いで拾おうと下を見るが、箸は見当たらない。

片手で頭を押さえながら周囲を見回していると、横から声をかけられた。


「ねぇ、悠木くん。はい、お箸落としたでしょ?」


どこかで聞いたことのある、だけれども、どこか違和感の拭えない声。

頭痛と『別の何か』のせいで冷や汗が止まらない。


「彩香...さん?」


「そうだよ?ほーら、お箸はこっちだよー」


彼の誰何の声と、その回答。彼は顔を持ち上げて、彼女を見上げる。


「ほら、ユウきクん。オはしだヨ?」


肌が、眼が、黒く焦げたような。

髪は変色し、いつか見た濡れた様な黒髪の面影はない。


「ひっ...」


それはおおよそ、生きた人間の容貌ではなかった。

まるで、焼けたような、そう、火傷のような痕跡が見える肌全てに見えていた。

彼は、その場で吐き出しそうになる。

だが今、無理にでも詰め込んだ朝食、怪文書について、悲鳴、どれか一つでも吐き出せば彼はこの空間から「正常」ではなくなってしまう。

必死に、飲み込む。いや、飲み込まねばなるまい。


「おいおい...いくらお前が機嫌が悪かったって、彩香さんに悲鳴はないだろうよぉ」


そこに、彼を非難する声。

ここで、非難に対する謝罪をせねば、それこそおかしく思われてしまう。

彼は、その声のする方向へと向き、丁寧に言葉を選んで言葉を紡ぐ。


「あぁ...すまない、多少、気分が悪く...て...」


彼は、思わず言葉が詰まってしまった。

振り返った全員が、まるで「死体」の様相を示していたから。

少なくとも「生きている」様には見えなかった。


「おイ、どうシた?」


それ・・の口から紡がれる機械音声。

はっ、と彼は今まで詰め込んでいた食事に目を向ける。


死体が摂る食事とは、一体何なのであろうか。


やけに、彼はそんなところが落ち着いていた。


そこにあったものは、頼んだとおりの定食。

そこで、ふと目を上げると、いつもの景色。

誰も、何も、おかしくない。生きている景色だ。


「なぁ、体調悪いのか?ひっどい顔色してるぜ...?」


「あぁ...すまない。ちょっと部屋に戻ってる。幸い今日は休みだからな。時間ならある。」


彼は、彼らから離れるため足早に部屋へと戻った。

努めて、平静を偽って。





「む、ほう、被検体641号に異常反応が見られた、と...」


白衣の男は黙々と実験の結果だけを見つめながら、部下からの報告に耳を傾けていた。

それによると、視覚を司る脳の分野が、有り得ない事だが回復し始めているような兆候が現れ始めている、とのことらしい。

その証拠に、今朝の食堂での映像の提出をされている。

それによると、確かに視覚野が回復しているような(・・・)素振りが確かに見られた。


「ふむ、調査、してみるか。

至急...でも無くていい。被検体641号を研究所、いや私のところまで連れて来てくれ。」


横目に部下に告げると、再び実験結果を整理しなおす。


「死滅した脳細胞の再生、システムに囚われ尚正気を保つ構造...

いいねぇ...そそるねぇ...たまらないよ...」


ヒヒッ、ヒヒッ、と引き笑いだけが、その場にただ満ちていた。


部下の気まずそうな目を添えて。





自室へ戻り、ベッドへと横になる。

横になったら、何時の間にか辺りは暗く、窓から覗く空には孤月。

そのまま彼は、何もかもが考えられない、働かない頭でごろごろとベッドに寝転がっていた。

しばらくすると、部屋に誰かが訪れてきた。


コンコンッ、と規則正しいノック音。


扉を開くと、そこにはシド区職員の制服に腕章をつけた二人組の男性が居た。

片方が背が高く、片方が小さい。ぱっと見でこぼこコンビのような印象だ。


「あの、何か用ですか。」


彼は、訪ねてきた二人組に尋ねる。

すると、背の高い方が


「君、仲の良い人が居るだろ?ほら、よく一緒に居る男の人。

その人から、君が今日体調が悪そうだって教えてもらってねぇ。こうして私たちがやってきたんだよ。

流石にこの部屋には検査キットが無いから、別の医療棟に移動することになってしまうけどね。」


彼は、ほら、と彼の腕を引く。

それは多少強引で、痛覚を刺激するには十分すぎるほどの力である。

彼は堪らず手を振りほどき、痛いじゃないですか、と訴える。

するとどこか驚いたような表情をして、長身の男は呟くように言った。


「あぁ...ごめんね。こっちも仕事だから、多少強引になってしまうことがあるんだ。許してほしい。」


その後、彼は二人組に連れられ、曰く、医療棟へと向かうことになった。


医療棟はここからは遠いらしい。


その場所の説明を受けながら居住施設の長い長い廊下を歩く。

廊下を抜け、中庭を抜け、また廊下を抜け、そしてその時、彼は何か違和感を感じた

その廊下には窓も無ければ扉も無い。要するに一本道。

だが、彼は何かを感じたのだ。

感じて、立ち止まった。

すると、すぐ後ろについていた二人が不審に思い「どうしたんだい」と問う。


「なんか...ここ、どこかで見たような気が...」


「何も無いじゃないか。それに、君はここに来たことは一回も無いよ。だって、ひどい怪我とか病気とかしてないでしょ?」


「いや、でも、確かに俺は...」


脳裏に、閃光と苦痛。

カメラのフラッシュを連続して叩き付けられているかのような衝撃を、彼は感じていた。


「あ、れ...俺は...ここは...」


「何も無い。何も無いよ。そろそろ私たちも怒るよ。仕事の邪魔だからね。」


その時、彼はある言葉を思い出した。


「そうだ。研究所。」


長身の男が、彼の言葉に反応したのか、四肢を拘束しようと背後から襲う。

彼はもちろんそれに反応できず、拘束されてしまう。

彼が拘束されたのを確認すると、矮躯の男がポケットから薬剤の入った注射器を取り出す。

注射器は妖しく光を放ち、彼に針を今にも刺そうとしてじりじりと近づいてくる。


「やめろ...この、放せ」


彼は必死に暴れ、何とか逃れようとするが拘束はそう甘くない。


「早く刺せ!」


長身の男が叫ぶと共に急に苦悶の表情を浮かべ始める。

その顔は脂汗が吹きはじめ、まるで何かに耐えているかのようだ。

彼はそれが潮時だと思ったのか、更に暴れ、抵抗を強める。


足で男の急所を狙い、後頭部を激しく叩き付け衝撃を与え続ける。

動いている限りは矮躯の男も手荒に出来ないのか、こちらを見ながら危うそうに構えているだけだ。


次第に、男の拘束が弱くなり始め、彼は拘束から脱出しかける。

その時、矮躯の男が彼に向かって注射器を無理やり突き刺した。


おおよそうなじ、背中よりの部分だ。


彼は肉を抉られた様な痛みを堪え注射器をすぐに抜き捨て、その場から走り去った。


「ヒヒヒッ...」


倒れ付した長身の男と、矮躯の男。

彼ら(・・)は逃げる被検体を見ながら、不吉に笑っていた。





白に輝く道筋


朱に溺れる赤色灯


闇に集うヒトの目


彼は必死に走っていた。

何時抜けるともわからない長い長い通路を、ただひたすらに。

今、この瞬間も誰かに見られているかも知れない。そんな恐怖を感じながら、一向に変わることのない景色をひたすらに走る。


そんな時に、今まで扉の一つもなかった通路に、扉が現れた。


感覚的に、かなりの長距離を走った彼は体力的にも限界が近かったこともあり、多少ふらつきもしていた。

彼は扉が現れたことを不審にも思わず、その中へと入っていった。


扉の、その内部には彼を捕らえんとする研究所(・・・)の職員はいなかった。

部屋の内装を確認する限りここは資料置き場のようだ。


彼は無造作に机や棚の中に保管されている書類を取り出す。

そして、背表紙のタイトルだけを確認し、腕に抱える。


『記憶領域破壊に関する行動変化』


『生命恒常化の検証』


『枷の罪火実験』


彼はそれだけを確認し、再び部屋を飛び出し走り出す。

やがて次を見つけてはまた書類を取り出し、また走る。


走りすぎたせいだろうか、彼の足はすでに痙攣しかかっていた。

ようするに、限界はもう近いという事だ。


彼は次に辿り着いた扉を身体で強引にこじ開けて、中に身体を滑らせる。

滑り込ませたそこは、今までの資材置き場のような風景は無く、更に言えば机も、椅子も、何も無かった。

煌々と隅々までを照らす無機質な照明が、照らすだけ。

彼は今までと違った様相に困惑し、半ば死にかけの脚を引き摺り、部屋を探索しようとする。


だが、その時彼は強力な睡魔に(いざな)われた。誘われてしまった。


落ちる指先。

薄れ行く視界。


手放した光に、闇が落ちた。





声が、かすれているが、確かに一度は聞いたことのある声が鼓膜を震えさせる。


「やぁ、相生君。気分はどうかね。

まぁそんな物騒な椅子に縛り付けられて気分も何も無いか。

私の事は、覚えているかね?ん?」


男は、彼に問いかける。

彼は、その問いかけに答えるべく、瞳を凝らし、ずれる世界を照らし合わせる。


見知った男の姿だ。

薄汚れた色の白衣に、ぼさぼさの髪。

浮き出た頬骨と、瓶底メガネが不気味さを強調する。


その男は、その実彼のことをシド区へと導いた張本人である。

集会に指定された建物、その内部で薬物を扱い集まった人々を攫ったのも、記憶を消し「枷の罪火」を埋め込んだのも、ここシド区で住民たちを実験動物として扱ったのも、この男である。


男は、まだ朧気な彼を前にして語り続ける。


「懐かしいよ...私は、別段特定の素体を覚えているということはないのだが、君が栄えある第一作目となると、会ったときの事を思い出さざるを得なくなる。」


薄汚れた革靴を踏み鳴らしながら、男は彼の頭髪を掴み、無理矢理に顔を見上げさせる。


「そうだ、この顔だ。

あの時と同じ、いや、多少は明るくなったか。絶望に彩られていた、あの顔だ。

うん?まだ意識が戻らないか?それとも虚ろな振りをしているだけか?」


白衣の裏からビニールに包まれた注射器と、瓶に密封された液体。

それを取りだし、おもむろにピストンを引き液体をシリンジ内部へと吸い込む。

そしてそれを彼の腕へと打ち込む。


「ふむ、これで意識も元通りになる筈だ。

取って置きの強心剤だ。すぐにでも意識が明瞭になる。」


男は使用済み注射器を投げ捨て、彼と対面するように設置されている椅子へと足を運ぶ。


「さて、即効性の高い一本だ。

既に意識は戻っているはずだ。私の経験からそうに違いない。そろそろ起きたまえ相生君」


男の言うように目を覚ました彼は、今自分がおかれている状況に半ば絶望した。

胴、首はそれぞれベルトによって椅子へと縛り付けられていて、手足は金属製の拘束具によって椅子へ括り付けられていた。

更に猿轡が噛ませられていて、喋ることもままならない状況であった。


「おぉ、やっと戻ったな。

これで実験を開始出来るというものだ。今までは無意識下でのみの実験であったから、少々新鮮味を感じてしまってもおかしくはない、おかしくはないだろう。」


彼は視線を声のほうへとゆっくりと上げる。


何か、金属製の道具を沢山乗せた台と、その近くにいる声の主の足、彼を照らす照明。それだけが見えていた。

次第に照明が遮られ、男が現れる。

手には光を反射する鋭利なものを持ち、それを彼に近づけていく。

わずかな痛みと焼け付く恐怖。

あらかじめ剥がされていた、袖のあった場所にそれを押し付けられたのだ。


押し付けたのは男、傷ついたのは彼。


だが、男はその鋭利な刃物を手から零し、明らかに狼狽しているようだった。


「あぁ、あぁ!あぁ!!素晴らしいぃぃ!」


突如として叫びだす男に彼はあからさまに困惑した。

先ほどまで灼然たる大人とした態度をとっていた人間が、突如として両手を広げ喜色満面の笑みで叫んでいるのだ。


「やはり君は私の成功第一作目となるに相応しい」


男はぴたりと動きを止めて、以前のような科学者然とした表情となり、小声で何かを呟く。

それは彼には聞こえず、男は再び白衣の裏から注射器を取り出すと、麻酔を彼に打ち込んだ。





撃ち出された弾丸が、風通しの良くなった体に更に穴を穿つ。

とめどなく溢れていた鮮血も、もはやその体にはわずか一滴も残されておらず、穴のあいたその四肢は、既にピクリともしない。


「お、おい!やったぞ!殺したぞ!」


そこはシド区の地下に秘匿されている実験場。

そこでは、科学者達が作り出した実験体を相手に、確定の死刑囚を使い非人道的な実験が昼夜行われていた。

ある時は遺伝子改変して作り出された動物の性能実験。ある時は創り出した薬剤の人体実験。ここで、名称『枷の罪火』の実用試験も行われた。


今その場所にいるのは、磔にされ穴だらけになった一人の人間と、突撃銃を持って震えている一人の死刑囚。


死刑囚は、その風通しのよくなった人間を、荒い息とともにじっと目が離せないでいた。賞味2メートル。死刑囚はその孔を見つめ、そして動けないでいた。

突如としてその朽ちた体は焔に包まれ、包まれた体は赤色を発し、その体を溶かしていく。

死刑囚はそんな光景に呆気に取られて、声を出す暇も、腰を抜かす暇もないまま、焔に包まれた。


焔が収まった先に立っていたのは、死んだと思われたその怪物(・・)ただ一人だった。





世界に誇る軍事力を持つ、大国日本。


日本は遂に、鉄の楔で打ち止めた小さな箱のなかで、国民すらも認知し得ない至上最悪の生物兵器を完成させた。

撃ち抜かれようと、磨り潰されようと、焔を纏い敵を喰らい永久に死ぬことの無い生物。

それにスイッチなどは無く、ただ脳内に植え付けられた命令に従って敵を蹂躙する歩く恐怖。

維持に必要なものは多少の薬剤と、洗脳だけ。国のお財布にも優しい。

未だ嘗てないほどの栄華に包まれている日本というその国は、人は笑い、食物をほおばり、酒を飲みあい、時に朝まで語り明かすようなその国は。



おおよそにしてやはり、他者には知りえない鈍き色を放ち尚鮮明なほどの悪意を孕んでいるものだ。

傷だらけの体に焔を纏うその怪物もやはり...

ツイッターで2017年10月くらいから出す出す言ってて結局その4ヵ月後に投稿することになった短編です!

時間をかけた割にはあんまり出来はよくないと思います(汗)

そんな作品を後書きのここまで読んでくれた貴方に感謝なのです!!

ご感想等下さると私が喜びます。ブクマ、評価なども待ってる!

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[良い点] 読みにくいとは感じましたが登場人物の名前をあまり表記せず「彼・男・区長」等で進められているのが、まるで監視カメラ越しに見た全くの第三者目線のようで不気味さを感じました。 [気になる点] 今…
[良い点] 完結おめでとうございます♪ ストーリー展開に心地好いスピードがあって面白かったです。 言葉の選択も面白く、作者様の思考の片鱗が随所でキラキラ輝いていました。 小一時間で書き切ろうが、何年…
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