新学期は闘いの始まり
学校 グラウンド
2人の高校生が武器を構えて立っていた。
1人は大きい三角定規を二枚。
もう1人は刺又を持っていた。
2人とも全く隙がなく、殺気に満ちていた。
1人が足を少し動かすと、もう1人が飛びかかり高速で打ち合い始めた。
俺はグラウンドのフェンスの向こう側からずっと見ていた。
全国の高校が生徒の特別進級制度という項目で始まったプログラム「スクールバトル」
このプログラムに優勝すると
高校の単位すべてを取得、卒業を約束される。
また、国立、私立関係なく進学が可能、授業料を全額免除。
就職を希望するものは、内定を必ず得ることができる。
プログラムの内容は学校校区内すべてを使用し、参加者同士で戦いあう。
主なルールとしては
・参加人数は10人ランダムで決める
・武器は学校内にある備品のみ
ただし包丁などの通常状態から殺傷能力のある物は認めない
・校区内から出た場合失格とする
・参加者以外の人間に危害を加えた場合、状況に応じたペナルティが発生する
・期間は一週間
このルールに則り生徒たちは一週間戦うのである。
自宅
今年から高校3年生になった。
だからといって何も変わらない。ただ、いつも通りアニメやゲームにラノベに勤しんでいる高校3年生である。
今日は始業式だ。
学校までは10分で着くので、ギリギリまで先日買ったギャルゲーを進めていた。
時計を見ると8:10だった
そろそろ行くか・・・
と必要なものをリュックに詰め、家を出た。
学校 教室
教室に入ると大体のクラスメイトは揃っていた。
特に仲が良い人がいないので、自分の席に腰をかけ、読みかけのラノベを読み進める。
いつもこんな感じで朝を過ごしている。
ラノベを読んでいると前から人の気配がしていた。読むのを一旦やめ、前を向くと、
「おっす!中村!」
朝からうるさいこの男は学校で友達と言える数少ない人間 名は杉田総司という。
アニメとゲームが好きで特に好きなジャンルはギャルゲー。
先日買ったギャルゲーをすすめたのもこいつである。
最近、声優の二人組ユニットのアイドルにハマっているキモオタである。
「この前すすめたゲームどうよ。やっぱり主人公の妹が最高なんだよな」
「いやいや、メイドさんが一番最高だ」
「相変わらずお前はメイドが好きだなww」
こいつが来るといつもこんな会話しかしない。
数分ぐらい喋っていると、
「始業式始まるから体育館に集合しろー」
と担任がお知らせしに来た。
「中村いこうぜ」
2人で体育館まで喋りながら向かうことにした。
学校 体育館
始業式が始まり校長のお決まりの長い話が続いている。
この時間に、自己紹介がまだなのでここでしておこう。
俺の名は、中村歳三
どうして歳三という名前なのかというと、父が大の歴史好きで自分の息子には一番敬愛する人の名前を付けたいと考えてたらしくこの名前になった。
と、そうこうしている内に校長の話が終わっていた。
若干早く終わったと思ったのは気のせいかと思ったが、気のせいではなかった。
「えー今日は特別進級プログラムに選ばれた生徒を発表するのでよーく聞いていてください」
俺は今あの時の記憶を鮮明に思い出した。
中学3年生の時のここのグラウンドでの記憶を。
忘れていた。
「まあ、どうせ俺には関係ない」
そう思っていた
「発表します
1-A 千本木 京
1-B 森田 友梨
1-C 江口 巴
2-B 豊崎 一
2-C 佐倉平助
2-D 水瀬 彰
3-A 矢作新八
3-B 杉田総司
3-C 中村歳三
3-D 梶田 涼
以上」
「え・・・」
選ばれた10人の中に杉田と俺が入っていた。