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賢者の図書館  作者: ゆるり
第1章
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第1話 運命の扉

ふぉぉぉぉ?


気づくと、目の前には巨大な扉。

思わず見上げて、変な感想出た。


「あれ、でも……」

よくよく見るとアンティーク調のちょっとオシャレな感じ。

こういうのは割と好き。


「じゃないでしょうが!」

自分しかいないのでひとりツッコミしてみる。

ちょっと虚しい。


深く息を吐いて、改めて周囲を見る。


何もない空間に不自然な扉があるだけ。

壁とかもなくて、ほんとにただ扉があるだけ。

裏側覗けるが、やっぱり何もない。

ただの扉。


「……私は何故こんなところにいるんだろう?」

最初は混乱したものの、だんだん冷静さを取り戻す。


「ありがちな転生者にチート能力くれるとか?」


ユスト・アーノン。それが私の名。

伯爵令嬢に生まれ、不自由なく育ち、只今5歳。


前世の記憶を持ったまま、現世に転生した事実は物心つく頃には認識していた。


病弱な日本人で、女子高生やってたが、一度も高校に通うことなく生涯を閉じるという過去有。

死に際の一言は、「おいしいものが食べたかった」である。

長期入院生活の挙句、食事制限有だったから、食べたいものが食べられず、結構トラウマだったらしい。

せめて恋したいとかさ、もうちょっと乙女なこと言えただろうに……

前世の自分は色気よりも食い気だったようだ。


でも、それは現世でも変わらずだな。


この世界、ごはんがあまり美味しくない。

調味料というものがほとんど存在しないのだ。

そのうえ調理法も焼く、煮るのみで、レパートリーが少ない。

神様は、不幸な少女の最後の望みすら叶える気がないらしい。


とはいえ転生しちゃったものは仕方がない。

食事はどうにもならないが、別の希望は見つけてある。


現世は魔法が普通に使えるファンタジーな世界。

魔法少女という響きには、かなりの憧れがある。


それに金髪碧眼の父様に、銀髪紫眼の母様。

金髪紫眼の大兄様に銀髪碧眼の小兄様。

皆さん見目麗しく、私は容姿の期待度MAX。


で、黒髪黒眼だったことを知った時のがっかり度と言ったら……


いやいや、家族同様、方向性が違うだけで、見目良いからここは妥協か。

黒髪や黒眼は5代前とか、10代前のご先祖様にいたとかいうし。

って、先祖返りにもほどがある程昔過ぎるがね。


まぁ、置いといて。


普通に容姿は良いのだ。

優先順位は食欲より低いが、今生では恋とかできるかもしれない。

乙女路線を歩んでみてもいいかと思う。


「おっと、思考がズレた」

この状況について考えないと。


まずは直前までの記憶を振り返ってみる。


本日めでたく5歳の誕生日を迎え、家族一同からお祝いされてた。

物理的に娘に甘い放任主義の父様、息子にしか関心を示さない母様、勉強命の堅物大兄様、女性嫌いで男だらけの騎士学校に逃げた小兄様。

形式的にお祝いしました感半端ない誕生日会の重苦しい空気に、早々ギブアップして部屋戻ってベッドに潜ったのが最後の記憶。


うん、思い当たる原因は何もない。


「夢か」

断言して、自分の頬をつねってみる。

「夢だな」

まったくもって痛くない。


夢なら何でもどんと来い。

そんな勢いで扉に触れてみる。


すると音もなく、すっと開いた。

思い付きと勢いだけでスタートしちゃったよ……

そして次の話に入れようと思ってる内容、あらすじでネタバレしてるよ(汗)


初投稿作、つたない文章、亀並み更新。

チキンハートなので、生温かく見守ってください。

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