表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の支配者はリア充がしたい  作者: 魔月琴理
9/23

力の内容を教えてもらえない

琴理から聞いた言葉は、やっぱり分からなかった。

(何だろ…5番目?

 …ってことは少なくともあと4人はいるってこと!?

 私の敵が!)

これは本当にヤバい状況なのではないだろうか。

(自称元世界の支配者が言ってたからなー、ちょっとあてにならないけど)

「由々~どうしたんだ?」

「うぁっ!」

きらきらした金髪の女の子がいきなり目の前にあらわれて変な声をあげてしまった。

大きなタレ目がぱちりとまばたきをして由々を見る。

「本当どうしたんだ?」

(あ、コタロウ君か)

女の子ではなくて小太郎だった。

「う…な、何でもないかなっ」

「おれでよければ聞くぞ?」

「ううん。いいよありがとう」

(巻き込むわけにはいかないし)

小太郎はさびしそうにうつむいたが、すぐいつもの笑顔に戻った。

「そっか、でも無理はしちゃダメだぞ」

きゃぴっと白い歯を見せて笑うあたり、女の子のかわいさを超えている。

(コタロウ君すっごいまぶしい…)

「あ、そうだこの間言ってたチケットこれなんだけど」

「えっこれ、コタロウくん!?」

そこにはショートカットの金髪で大きな青い瞳とタレ目のかわいい童顔女の子の写真が印刷されていた。

しかし、その子はさっき(から今にかけて)感じ(ている)た小太郎のきゃわいさに匹敵するかわいさを放っている。

「えっ…!?いやいや!違うじぇ!そんなワケないじぇ!」

「…じぇ?」

「ふぁっ!?な、なんでもないじぇ~!」

「もしかして、コタロウ君って」

由々が椅子から立ち上がって小太郎を見上げると、小太郎の顔が真っ赤になった。

そして泣きそうに唇をかみしめる。

「あ…」

(ヤバい。泣かせちゃう)

小太郎はふだん絶対に泣いたりしない。

どんなに辛いときも、笑顔なのに。

(今は聞きださない方がいいかも)

「に、似てるのは当たり前だよね!

 コタロウ君、ことのっちのお兄さん…だっけ?」

「そうだぜ!だ、だから似てるんだぜ!」

そしてまた笑顔に戻った。


 ($・・)/~~~


「うー…」

「どうしたんだい?」

ツイッタ―をいじりながらぼやくと、元世界の支配者の声がイヤホンから聞こえた。

「今日、琴理…5番目に会ったんです」

「えっ…」

「でもよく分からなくて。琴理結構ぶっとんでるとこあるから

 からかっただけかな。

 …いやでも、時間止まってたし」

「琴理…時間止められるまでになったんだ」

「やっぱり何か知ってるんですか?」

「5番目か。そのほかには会ってない?」

由々の質問を無視して質問してくる。

「会ってませんよ。

 えっと、たしか『ごうよく』とも言ってたかな」

「それは力の内容のこと。

 5番目は強欲。つまり強い欲を周りにもたらす」

「なんですかそれ。 

 …妖●の、せいなのね♪」

「…伏字にする必要あったかい?」

「でもそういうことですよね」

「うーん。でも力はおさえきれない場合の方が多いんだ」

そこでようやくツイッターを最小化してデスクトップに戻す。

「おさえきれない…ってことは、琴理はわざとやったワケじゃないのかな…」

「そうだよ」

「でも私の敵って言ってました」

琴理が力をおさえきれないというのは、誰のせいなのだろう。

敵と言ってきたということは、もしかして由々のせいなのだろうか。

「由々ちゃんの力は『宿命』だ」

「『宿命』…?」

元世界の支配者がうなずいて話を続ける。

「9番目の力」

「9…?まだ7人以上いるんですか!?」

「由々ちゃんが最後だよ。僕は引退したからね」

「宿命って」

「一番強い力さ。

 今までは1番目が一番だったんだけどね」

琴理より強い力。

そんなのに太刀打ちできるのか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ