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世界の支配者はリア充がしたい  作者: 魔月琴理
8/23

彼女がどうしてこうなったのか知らない

「ねーゆゆちゃんはさー」

「何ですか」

「まだ自分が世界の支配者じゃないって思ってるのかい?」

由々はツイッタ―の画面を最小化してデスクトップをきりっとにらむ。

「思ってます!そんなことありえないですから!」

「…ちょっとは僕のことを信じてくれたっていいんじゃないかい?

 あと、敬語じゃなくていいんだよ?」

「どう見たって変質者じゃないですか!

 信じていないから敬語なんですよ。今すぐ帰っていただきたいくらい意味分から ない人ですよ!」

「ひ、ひどい言われようだね…。

 僕は帰り方が分からないからここにいるんだけどなぁ」

元世界の支配者の言葉に、由々はぎょっと顔をしかめた。

そして、マウスで元世界の支配者をクリックする。

「な、なにするんだい!?」

「削除ないかなって思って」

「くすぐったいからやめて…」

「うっ気持ち悪い」

頬を赤らめて涙目になる彼をにらみつけると

もう一度ツイッタ―の画面を開いた。

「…あのさ、由々ちゃん。もし、何かあったらすぐ言ってほしいんだ」

「何かって何ですか?」

「君の力を狙っている人がいるかもしれない」

「でもこのことは、私と貴方以外しらないんですよね?」

「…そうだといいけど。分からないじゃないか。

 って!もしかして信じてくれたのかi「信じてません」

そう言ってパソコンの電源を落とした。


  ($・・)/~~~


朝になって、イケメンの兄と登校。

(ありえないけど、全て偶然だよね)

そう思っていた。

…のに。

「ゆっゆちゃ~ん!」

琴理が飛びついて来た。

「きゃっ!」

「ねーねー王子様たちが大変みたいだよ?」

「えっ?」

あの3人が?

「ど、どこ?!」

「やっぱり気になってんじゃ~んw」

「いいから早く教えて!」

琴理に連れられて走った。


「…だから、これはおれのモノだって言ってるじゃねぇか!」

「おれがもらったんだろ!上がことのっちが好きになったのは嬉しいが

 これはおれのものだ!」

「ふ、二人とも、落ち着いて」

上と灯が喧嘩をしていた。

(えっ?どういうこと?二人がこんなに怒るなんて)

「あー大変だねー。どうするんだか」

「何があったの!?」

「どうやら、二人はことのっちの限定グッズが欲しいみたいだけど

 一つしかないんだって」

そんなことで喧嘩?

これはおかしい。でも

(私が世界の支配者かもってこととは関係ないよね?)

二人が喧嘩してほしいなんて思っていない。

(何で…あ、そうだ!)

由々は深呼吸して念じた。

(二人とも…喧嘩しないで!)

これでおさまらなかったら、アイツを殴ってやろう。と元世界の支配者の顔を

思い浮かべた。

しかし。

「…あれっ」

二人の喧嘩はおさまらない。

「そんな必死になるんだー」

琴理がぼそりとつぶやいた。

「えっ?」

「すごい力だね。やっぱり」

くすっと笑うと、由々にささやいた。

「本当はその力、あたし、欲しいな。なんて」

琴理の大きな瞳が明るい茶色に光る。

「え、な、力って何…?」

「本当に聞いてないの?元世界の支配者さんに」

「!」

突然みんなが動きを止めた。

いや…止まった。

「ゴメンね、ベタな展開で」

「琴理…まさか」

小さな八重歯を見せてげらげらと笑うのは、もう仲良しの同級生ではなかった。

「あたしは、貴方の敵になっちゃうみたいなんだー」

そう言った彼女をじっと見つめることしかできない。

動けるのに、何もできないのだ。

(私は、本当に世界の支配者だとしたら、何か技とか出せるのかな)

そんなこと、知らない。

そんなこと、考えたくなかった。

どうしよう。固まっていると、動いた。

世界が、もとに戻った。

「んーやっぱ戦いたくないな。

 そういう気持ちはないもん」

琴理がふっとため息をついて言った。

「今は変身もしないよ、したらびっくりするだろうけどね!

 あ、そうだ。自己紹介だけでもしなきゃ」

「…自己紹介?」

怖くて、やっとそれだけ言うと、琴理がうなずいた。

「うん!

 あたし、5番目の神!

 あれもこれもぜ~んぶ欲しい!」

あははっと笑う女の子は、いつもの同級生になっていた。

魔月琴理(cv,徳井青空)です!

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