支配なんてできるわけがない
支配者らしくないゆゆちゃん。
6
「ゆゆちゃん、最近王子様たちと仲いいよね~」
友人の琴理がはぁあとうらやましそうにため息をついた。
「最近っていうか、告白されたのは昨日なんだけど…」
「いいなぁリア充じゃん」
王子様。あの三人がそう言われているのは知っていた。
上はスポーツマンで爽やかなイケメンだ。なんだかんだ言って優しい。
灯は無愛想だが、しっかり者である。ことのっちのことを聞くとハイになるところも愛嬌があるという人もいる。
小太郎はかわいいわんこ系だ。まるで女の子みたいな行動を起こすのに、見栄を張って発言を男っぽくしていてかわいらしい。
つまり、ファンがたくさんいる。
「でもさぁ、ゆゆちゃん」
昼食のイチゴパンをごくりと喉に通らせ、真剣な目で言う。
「とられないようにしなきゃ駄目だよ」
「えっ?何で?」
「何でじゃな~い!」
急に大きな声でさけんだ琴理にびっくりして由々がびくりと肩を上げる。
「あのね、今ゆゆちゃんはすごいチャンスの前にいるんだよ!
これを逃してどうすんの!」
「で、でも何で私なんか」
「えっ?」
きょとん。
拍子抜けた声をあげて、琴理が固まる。
「ウソ?ゆゆちゃん。聞いてないの?」
「何が?」
「ん。そっか。あ、ごめんなんでもない」
急にしゅんとして口を閉じてしまった友人を不思議に思ったが
何も言えなかった。
これから新キャラ増えます。