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湯船始めました。  作者: 世良美素
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第十二話

 第十二話です。投稿に時間が空きました。申しわけ有りません。

 言い訳させてもらうと「なろう」の過去の自分の投稿小説が見えないというシステム不具合が私だけに起こり小説が書けず、復旧したと思ったら風邪をひいて動けないという泣きっ面に蜂状態でした。まぁ、言い訳です。


 というわけでこれから頑張ります。

 {ジェミニ、敵性艦に向かっていきます。接敵まで20秒。}

 {{艦長。カノープスのコントロールを頂戴。あれをヤるワ}}

 「了解。カノープスのコントロールを移譲。派手にやれ。」

 {わかってるワ♪}

 {任せテ♪}

 やけに楽しそうに双子は応えると、通信が途切れる。

 カノープスのコントロールがジェミニに移り、両舷からそれぞれ発艦していく。二人で二十機すべてをコントロールするらしい。発艦したカノープスは10秒ほどでジェミニに追いつく。すると、解放部を敵に向け「く」の字を描いて陣を敷く。所謂《鶴翼の陣》だ。ジェミニの二機は上下に別れて「く」の字の後方へ移動する。

 双子の艦隊戦が始まった。


 「なんだありゃ?おわっ!!」

 {どうした?}

 「イヤ、鈍ガメから二つ子供が出てきたと思ったら後からちっさいコバエみたいなのがワラワラ出て来やがった。」

 {最初の二つもタグボートっぽいし、案外離艦して脱出ポッドに乗り込んだじゃねぇの?}

 「の割には、動きがえらくシステマティックなんだよな。」

 {確かに。でもまぁ、苦し紛れのはったりじゃねぇの?防御用の編隊にしては旗艦まで到達できる穴があいちゃってるし。}

 斥候部隊は思った通りの事を素直に師団長に報告した。

 現在、双子がコントロールするカノープスは「く」の字の鶴翼の陣のまま前進している。この「鶴翼」の陣は古来より多くの戦で使われた陣だ。古代の陸戦や海戦はこのような戦闘時の陣形が非常に重要だった。近づいてから刀や槍で切り結ぶ。それが当時の戦闘のあり方だった。

 しかし時代が進むにつれ、戦闘は形を変える。銃や戦車での戦い経て、主戦場はそろミサイルや長距離砲の撃ち合いになった。陣形は二次元、つまり「面」で戦を考えた時の兵法であり、現代の、それも「宇宙空間」での戦闘。すなわち「三次元」の戦闘において「面」の陣形は使い物にならず無用の長物となり果てた。が、それを工夫と技術で新戦術に昇華させたのが《チェイン・ブラザーズ》だった。

 

 先発の斥候部隊が相手を侮っていたその頃、ファントム・ゴブリン第三師団の師団長ルイス・ハウゼンは攻め倦ねていた。

 「なんだあの陣形。見た目《鶴翼》っぽいが、宇宙で?」

 元々彼も航宙士。しかも、《宇宙賊》とはいえ師団をまかせられるほどの男。相手方の行動を不自然だと気づく程度の脳味噌は持っていた。しかし、違和感を感じる事はあっても違和感の正体までは気づけない。そこは所詮《宇宙賊》の師団長だった。

 「何やら企んでいそうだが……。兵力は我々が勝っている。中央集中突破だ。念のため遊撃機を残し、後詰めにしておけ。数はそれほどいらん。残りは鈍ガメに取り付いて、白兵戦に持ち込め!!」

 {了解。喰い破るぜ。}

 小型機隊の隊長に命令を伝えると、陣形を見つめる。 小型機は一部を残し、一塊になって突っ込んで行った。

 (最後の悪足掻きだな。)

 考えても答えはでなかったので、ルイス師団長はそう結論づけた。それが彼にとって最悪の結論だとも知らずに。

 

 「姉さん、小型機が固まって突っ込んでくるワ。私達を無視して中央突破かしラ。却って都合がいいわネ。」

 「そうネ。強引なのも嫌いじゃないけド、今日は一気に丸呑みしたい気分なノ。アン、何機か遊撃に出てる子もいるみたい。こっちに追い込んで頂戴。」

 「了解。四機借りるわヨ。」

 《鶴翼》の両翼から二機ずつ相手に向かって飛んで行く。

 相手の突破部隊は四機のカノープスに応戦しようとした物の、今は眼前の大きな獲物しか見えていない。応戦は単発に終わり、後詰めに無理矢理任せた。


 「あ~ぁ。後詰めじゃ手柄にならないな。せっかく獲物なのに。」

 「まぁ、そんなボヤくなよ。ちょっとした休憩だと思えばいいだろ。」

 「だけどあのデカブツはちょろ……ヤリぃ。お客さんだ。」

 「ったく。余計な仕事増やしやがって!」

 そう言って後詰めの二人乗りの戦闘機隊は迎撃を始める。相手は自分達の隊より数が少ない。しかもこっちは要の後詰め。基本的には精鋭揃いだ。負ける要素はない。


 「っ!!こいつら!?動きがっ……人間じゃないっ!!」

 「うわっ!回り込まれたっ!」

 戦闘機による宇宙戦は、基本的に近代の空中戦と似たようなものである。つまりはドッグファイト。背中の取り合いだ。当然、マニューバを行う戦闘機乗りの技術とタフさが必要となってくる。人が操縦する以上、そこには限界があるのである。

 「っ!あのコバエ、ひょっとして……」

 「何だよっ!!無駄口叩くなっ!!」

 「遠隔操作リモートだ……」

 「そんなわけねぇだろうがっ!確かにあのマニューバは人間レベルを越えてはいるっ!!それこそリモートであんな複雑な動きは無理だっ!!どんな技術だよっ!」

 「そうとしか考えらんねぇっ……。」

 後詰めの戦闘機隊は徐々に追い立てられながらそんなことを考えていた。

 

 「何だあの動きはっ!ありえないっ!!」

ルイス・ハウゼンは狼狽えていた。舐めていた相手が応戦の意志が希薄だったとは言え、のらりくらりと前衛を交わし後詰めの戦闘機隊を翻弄していたのだ。相手の数はたったの四機。その倍の数八機を後詰めは有している。しかしその四機は普通では考えられ無いほど後詰めの隊の戦闘機を圧倒していた。

 「どう言うことだっ!!あんなマニューバでは、パイロットの人体が持たない。ということはあの戦闘機はリモートだ。となるとすべての戦闘機がリモートか?だが…やはり有り得んっ!!おの鈍ガメは輸送船、乗員は18程度か。どれだけ多くとも20人はいない。艦船の制御に8人は必要だから、リモート操縦に裂けるのは多くても10程度。20機全てがリモートだとしても一人につき二機……無理だ。絶対に有り得んっ!!」

 通常、艦船のリモート操縦はステーションや惑星の補給基地などにある宇宙港からの入出港に使われる。今回の「宇宙輸水水道社」が出航したときのように限定的かつ、熟練の技術が必要となる。つまる所非常に難しい。大きな船を少しだけゆっくりと動かす程度でも難しい物なのだ。しかも、単艦をリモートするのが精一杯。同時に複数で複雑な動きをするのは、有り得ないことなのである。

 ファントム・ゴブリン第三師団のルイス・ハウゼンが狼狽えるのも無理はない。師団長の「予想外」の「予想」すら「予想以上」の至難の業を双子は文字どおり、たった二人でやっている。

 「我々はとんでも無い奴らを相手にしているのかもしれん。」

 そう一人ごちる、ルイス・ハウゼン。乗っ取りを掛けてから初めて、彼の考えは当たった。

 戦闘、戦闘!!すごく難しいです。自分でもびっくりするくらい筆か進みませんでした。風邪やら不具合は本当のことですよ。(言い訳)

 まだ《変態ブラザーズ》はなにかヤりたそうですが、そんなことしないでも強いです。まぁ、そこはかとなく香る双子のSっ気が戦いを長引かせているようです。

 次いでに出てきたファントム・ゴブリンとかいうちょっとアレな名前な人たちの師団長が出てきました。正直すぐ退場しますので名前は忘れてもOkです。次話は一体どうなるのか。影が薄くなっている主人公に出番はあるのか!


 お読みいただき有り難うございます。 

 

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