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四人にご注意 ③

 悪魔たち一行は山登りの速度をあげ急いでいた。なぜ急いでいるかと言うと山を登ろうとした時、遥か先にある山の頂からとても大きな何かの声が響いたからである。

 

 標高5000mの山脈の頂から自分たちのいる地上まで耳を塞がなくてはならないほどの大きな声が響いたのだ、一体この山に今何が潜んでいるのだろうかと考え始める悪魔アルフス。何人かの配下の悪魔はその声を聞いた直後から恐怖で顔を滲ませていた。

 

「クソッ!」

 

 アルフスは苛立つ。あと少しで大きな戦争を起こせると思っていた矢先に先ほどの咆哮。

 恐らくこの山には太古の昔、悪魔や天使の争いの念から生まれたとされる魔獣が封印されていると考えた。

 

 魔獣ベヒモス。

 

 悪魔たちの頭に浮かんだのは最悪の魔獣。悪魔といえどもあの魔獣にこの人数で挑むのは心許ない。もしかしたら…と嫌な事ばかりが考えられた。いくら悪魔と言えども依り代にしている肉体は人間なのだ。いくら肉体に強化の魔法を使っても簡単に魔獣の爪に貫かれる。

 

 しかし今は人数と魔族の戦争の為、そして我が主君のためになんとか作戦を成功させなくてはいけないと思った悪魔たちは急いで魔王軍のいる地へ向かった。

 

 

 

 悪魔アルフス達が魔王軍のいる野営地に着いた時、困惑した。

 目の前にある魔王軍の野営地を囲う強固な結界、整備された建物。

 

「……なぜ誰もいない?」

 

 そう、誰一人この野営地にいないのだ。

 いくら野営地に近づいても気配がしないのだ。結界にさわれるくらい近くまで行っても、この山脈に大規模に展開された土地からは生き物の気配がしなかった。

 

 最初アルフスたちは先ほどの咆哮をあげたと思われるなにかに全滅まで持っていかれたのかと思ったが、野営地は戦闘のあとが見られなかった。

 

 これは何かがあったのか調べる必要があると思ったアルフスは自分の目の前にある結界を破壊するための準備をした。

 この結界はとても強固で並みの攻撃ではびくともしないと考えた彼らは結界の一点に自分たちの持つ最も威力のある魔法を発動しようとする。

 アルフスは両の手に悪魔の操る黒炎を槍を召喚した。

 

「ではこれよりこの結界を破壊する。結界を破壊したら各自建物内部を調査し、気配を殺しているかもしれない魔族の存在をさぐれ!」

 

 そう自分の配下たちに命令したあと、アルフスの部下達は一斉に結界の一箇所に対して魔法を唱えた。

 結界にひびが入ったのを確認したアルフスはその結界を貫くために召喚した黒炎の槍を投げる。

 その槍は魔王軍の張った結界を粉々に破壊して内部へと突き抜けていった。

 その槍は魔王軍の野営地の至る所に炎を撒き散らしあたり一面を火の海へと少しずつ変えて行った。大きな建物からはシューッと言う何かが小さく音を立てていた。

 

 その光景を見たアルフス達は残っているかもしれない魔族を探す為野営地の中心へと足早に向かった。どこにいるのか探す為に悪魔達全員は自分の身体を覆っていた魔力を探知する為に廻した。そうして魔族の残りを探していた。

 

 それから数秒経ったのちアルフス達はこの世界から消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルカディア国に住む民達は行われるであろう戦争に恐怖していた。いつ襲われるかわからない日々を送っていた。

 しかし突如と国軍から避難命令が出された。ついに魔王軍が攻めて来たのだと思った民達は急ぎ、持てるだけの家財を持ち避難をはじめた。港に集まる国民達は皆が我先に船に乗ろうとして港は大混乱をしていた。いつ暴動が起きるかわからない状態であった。沈静化をはかろうと奮闘する兵の働きは虚しくも万を超える民達によって無意味となっていった。

 

「静まりなさいっ!」

 

 突如と港に声が響く。万を超える民達の声が響いていたのにも関わらず民達は声を発したと思われる広場に顔を向ける。

 

 なぜ民達の耳に声が届いたのかと言うとその声が自分たちアルカディア国民が心から応援し、敬愛し、憧れの的である人物の声だと思ったからである。

 

「アルカディア国の民であるならばどんな時であろうと自分のみの為に動いてはいけません!お互いが助け合い、思いやる事を何よりも重んじなさい!!」

 

 幼き子や教育の届いてないものまで理解できる様、言葉を選び民達に向けて言う。

 広場のお立ち台にいたのはこの国の姫君にして、その若さで参謀の地位を持つほどに賢いヴェルティが立っていた。

 

「姫様だ…」「ヴェルティさまだ!」「あぁ、姫様…」

 

 民達は各々姫の名を呼ぶ。

 

 そして自分の私兵や軍部から借りた兵、そしてヴェルティ自身の力で民達の沈静化に成功した。その後、ヴェルティも民達の避難の手伝いを自ら出て、民達を次々と船へと乗せていった。

 

「子供、女性、身体が不自由な者、病気の者から乗せなさい!」

 

 城下町などで売られている薄い雑誌を丸め口に当て、ヴェルティは必死に避難活動の手伝いをした。

 

 今回の避難で船を使えたのは幸運だった。

 今、この国の海域に魔王軍がいないので山脈面に対してだけ兵を展開すれば良いのだからだ。戦争に使うはずの軍船をすべて民達が避難できる船へと変わった。

 

 民達の3割の避難が済んだ時、兵士達、民達、そしてヴェルティの耳にどこからともなく声が届いた。

 

 それは

 

「さい……は……ジャン……」

 

 という声のあとに続き、

 

「グ…」

「…キ…」

「…キ…チョ…チョ…チョ…」

「チョ…」

 

 と同時に複数の違う言葉が響いてくる。

 

 一体なんだ今のは?と民達、兵士達みんな一同がざわざわと騒ぎ出す。もちろんヴェルティも困惑する。

 ざわざわしていると、この国の教会で働くもの達が叫び出す。この国の教会は天使を崇拝し、その存在を信じるものたちで構成されている。

 

「天使様のお言葉だ!」

「天使様達が我らアルカディア国民全員に語りかけてらっしゃる!」「天使様!」

 

 と言い出す。

 

 そしてこの国の1番大きな教会のもの達が一斉に空に叫ぶ。

 

「天使様!我らに再度お言葉を!!」

 

「パ…ナッ…ル…」

 

 再度、声が国に響き渡る。そして先ほどとは違う言葉であった。今まさに絶望の淵にいた教会の者達の言葉に答えたのだと彼らは思い、皆が空に祈りはじめた。

 

 教会のものだけではなく、民達も天に手を組み祈りを捧げた。物語でしか聞いたことのない天使がこの国の窮地に現れたのだ。それも一人ではなく複数。皆がおとぎ話の中に存在していた天使の存在を確認した。今奇跡を目の当たりにしたのだ。

 

 港は皆一同祈りを捧げていた。ヴェルティも祈りを捧げていた。お祈りをしている間も天使の言葉は国民すべてに届けられた。

 ヴェルティは天使が何を伝えようとしているのかを考えた。そこで天使の一人が何度も『チョ…』と言う言葉を連呼しているのに気がついた。そして、それが何を意図するかを考え抜いた。

 

 祈りを取りやめ、ヴェルティは民達に叫ぶ。

 

「天使様のお一人が何度も語りかける言葉は我らに早く避難をしろと仰っているのではないのでしょうか?天使様達は我らが避難する時間を稼いでくれているのではないでしょうか?」

 

 民達がヴェルティの言葉に驚愕する。

 天使が私たちに、そして私たちのために時間を稼いでいるのかもしれないということに。

 

「現に未だ魔王軍がこの国に対して何かおかしな事もしていません!ならば、天使様のお気持ちを裏切るわけには行きません!民達はすぐに避難を続けなさい!」

 

 ここで国民達全員の心が一つになった。皆が積極的に動き、何万もの国民達の避難がそれから数刻も経たない内に完了した。

 

「さぁ、ヴェルティ様!船に乗ってください!」「ここの1番空いてる場所に来てください」「早く!」「姫様!」

 

 最後の船から民と教会の人達がヴェルティに叫ぶ。しかしヴェルティはその言葉に対してやんわりと断る。

 

「私はアルカディア国の姫です。この国が滅んだ時が私という人間の死なのです。だから私は残ります。天使様が見守ってくださっているこの国に…」

 

「…そ…そんな…」

 

「私は城に残りあなた達の無事を最後の時まで祈り続けます。天使様があなた達をずっと見守るでしょう。」

 

 そう言うとヴェルティは港にくくりつけられている縄を解き、船を発進させた。

 

 沖に流される船を見ながらヴェルティは兵達が見守る中一人の祈りを捧げていた。民達の為に祈りを捧げることしかできない自分を情けなく思いながらも心の中で強く祈りを捧げ続ける。

 

 

 …どうか民達だけでもお守りください…

 

 

 そう祈り続けるヴェルティの耳に声が響く。

 

「…ッホーー!!」

 

 天高くより響くその声は、その言葉は今までの消え入りそうな声ではなくしっかりと最後まで聞き取れる言葉だった。まるでヴェルティの祈りに答える様に。

 それは沖まで行った船にまで聞こえたようであった。

 

 一人の少女の祈りに天使が答えた。

 

 目の前で起きた奇跡を見届けた兵達は、自分の命を投げ打ってでも目の前にいる姫をお守りすることを天使に誓った。

 

 それを沖から眺めていた民はヴェルティ姫を聖女と崇め、彼女の無事を祈り続けた。

 

 そして、アルカディア国の戦争の準備が整った。

 

 

 

 

 

 

 そんな出来事が起こっていたアルカディア国から離れた山を降りて四人のジャージ姿の男達がいた。

 

「昼飯なに食べる?」

 

「んーちょっと喉痛めたみたいだから辛いのじゃなければなんでもいいや」

 

「決まってんだろ!全員魚だよ!」

 

「あの国の食事街を見ながら考えようぜ。」

 

 

 その四人の男はお昼になにを食べるかで盛り上がっていました。一人は必死に魚を食べると叫んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 アルカディア国の王座の間

 

「我にも聞こえた。そうか、天使が本当にいたのだな…」

 

 アルカディア王が娘のヴェルティから先ほどの出来事を説明した。

 王や城にいた兵士達が全員が先ほどの声を聞いていた。そして奇跡を見た兵達が興奮しながらヴェルティ姫の一人の願いに天使が答えたと。兵の士気が最高潮になる。

 

 日の光がオレンジ色に染まる時刻。

 アルカディア国が保有する15万もの兵達が城の前に集まる。死ぬかもしれない最後の戦いの前に一目姫を見ようと集まったのだ。

 

 王が兵達の前にでる。隣にはヴェルティ

 そして王は兵達に激励を言う。集まっていた兵達が声高らかに国の名を叫ぶ。

 

 その後ヴェルティが王と入れ替わり前に立つ。姫が前に立つと兵達一斉に静まり、皆が姫の言葉に耳を傾けた。

 

「…私はこの国を守る兵達のためにできることなど天から私たちを見守る方々に祈ることしかできません。だから兵のみなさんのために祈らせてはもらえないでしょうか?」

 

 姫は自分にできる残った事は魔王軍との戦争で扱う作戦に対して案を述べたりすることと兵のための無事を祈るだけであった。

 

 15万の兵達は無言のまま剣を抜き、皆一同天へと掲げた。その光景を見てヴェルティは微笑みそして再度天使に祈りを捧げた。

 

 

 …どうか我々の国をお救いください…

 

 

 祈りを捧げる姫を兵達が見守る。隣にいた王も何も言わず自分の娘を見守っていた。

 

 

 

 

 

 突如と耳を裂くような轟音、地を震わす衝撃、目を焼き尽くす様な光、身体を吹き飛ばされそうな風が聖都アルカディアに集まっていた人々に襲いかかる。

 

 兵達はその場で座り込み飛ばされそうになるのを踏みとどまり、王は自分の娘を抱きしめて地に倒れこんだ。

 

「……い…一体何が…?」

 

 目をつぶっていたことで閃光に目をやられなかったヴェルティは右手の方向から襲いかかった衝撃の方に耳を塞ぎながら顔を向けた。耳を割く音はまだ響いていた。

 

「…え?」

 

 ヴェルティは自分の見ている光景に戸惑った。自分が見ている場所は魔王軍が展開する山脈の中腹、そこから肌を押すような凄まじい音をたてながら今も爆発している何かがあった。

 

 その爆発している何かはとても綺麗な色を撒き散らしながら山々の肌を爆炎で燃やし、その衝撃で削り続けていた。そしてその場から上空に飛んで行って消えた四つの小さな影を見てヴェルティは困惑を続けた。

 

 閃光に目をやられた王と兵達もその光景に言葉を失った。つい先ほどまで音一つしない世界で祈りを捧げる姫を見ていたはずであった。しかし今空から降ってくる小さな砂利が兵達の鎧にぶつかりまるで雨の様に合唱し、憎き魔王軍がいたはずの場所を見ている。

 

「…これは…」

 

 王も言葉を失った。王はまだ若い頃海上に現れた海獣シーサーペントの討伐に使われた火焔流星のかけらの威力を見ていた。それはシーサーペントがいる海域ごと問答無用で蒸発させる威力であった。その光景が異常であったと今でも王は口にする。

 

 しかし、今自分が見ている光景はその時以上の異常さを表していた。

 あのような多数の色を表す炎など見たことがなかったのだ。蒼炎をあげていると思うと翠炎、白炎へと次々に変わる炎。この世界にあのような色の炎など存在しないことなどわかっている王であったが自分の目で見ている光景はその存在を証明していた。

 

 この様な世界の常識からかけ離れたことを誰ができると王は考えた。魔族の魔王ですらこんなことできるはずがないと。では今の光景を一体なにが起こしたのかと。

 

 天使達だと結論に至った。

 

 正確に言うと天使達に祈りを捧げた我が娘のヴェルティが引き起こしたことであると答えを導き出した。

 

 兵達もそれぞれが今起こった出来事に答えを導き出しながらもただその光景を見続けた。

 

 

 ヴェルティは、天界へと戻って行った四人の心優しい天使達に涙を流しながら感謝をした。

 

 

「ありがとうございます。天使様…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まじ痛い…ちょっと服焦げちまったな」

 

「どんだけ加工に力いれたんだよ!服を燃えないようにする為に一瞬本気になったぞ!!」」

 

「すいませんね。どうやら予想以上に頑張ってしまったようです。お恥ずかしい限りですね。ははは!」

 

「笑い事じゃないっての…」

 

 小高い丘の中腹付近からの突如の爆発の衝撃で一気に成層圏内まで飛ばされた四人は地上に落下しながらお喋りしています。

 

「このまま村に向かうか?」

「それでよくね。」

「力を使わずに空を飛ぶなんて久しぶりですね。」

「そうだな。村長のパンチ食らった時以来だな。」

 

 重力加速度をその身に受けどんどんと速度をあげながら四人はこれ幸いにと村の方角へと流星の如く落下していった。

 

 

 

 

 

 話は城で王が姫から話を聞いてる時間帯までもどる

 

 

 四人は無事にアルカディア国に到着しました。中に入るととても静かで誰もいない状態でした。

 

「ここがアルカディアか。…ってなんで誰もいないの?」

 

「おいおい、ゴーストタウン改めてゴーストカントリーとかやめろよ?」

 

「与作さんって確か心霊現象ダメでしたね」

 

「心霊現象じゃなくてオカルト話な。モノホンのオバケが出たら瞬殺する。」

 

「死んでるもんを瞬殺とかえげつねぇな。それよりも本当に誰もいないな。どうしたんだ?」

 

 四人はこの国に今起きている事態を知りません。今起きている事態の原因に副産物的そして間接的に関わっているこの四人はなにも知らりません。

 

 

 もし彼らが山登りの際に『ぐりこ』をしてなければ今も避難活動は続いていことであるし、与作さんがヤッホーと言わなければ大臣達が怯えたり、姫が聖女として崇められることもなかった。

 

「でも生活臭はすごいするんだよな。あそこの店、料理が手つかずで置いてあるぜ?」

 

「あっちの店は焼きたての札がついたパンが陳列してるぞ!」

 

「そんなことより魚だよ!魚!」

 

「俺いい事考えた。飯食べたらカウンターにお金置いとけばよくね?」

 

「そうだな。」

「そうですね。セルフサービスですか。いい考えです」

「いいからさっさと港行くぞ!」

 

 伊右衛門さんの提案で四人は仲良く食事をしました。四人はとても大食いであるので次々とお店を行ったり来たりでたくさんのご飯を食べていきます。ちゃんとお金は置いて行きました。

 

 お腹を充分に満たした四人は醤油作りの為に必要な麹菌のため街の教会を巡りました。途中で港を発見した太郎さんは港に残り自分の仕事の参考になりそうな物を見にいきました。

 

 麹は教会の研究棟の中にありましたが、借りるためにどうしようかと話し合いました。

 

「やっぱり書き置きしかないな」

 

「よし。仁任せた」

 

 仁さんが手紙を書きます。少々麹が必要な事態になったという事を端的に書き、差出人がわかるように自分の論文に書く様なサインを残しました。

 

 時刻は間も無く夕方に差し掛かる頃になります。そろそろ姫が天使に祈りをささげ、悪魔が魔王軍の野営地にはいる時間です。

 

「アルカディア産のお酒とか一杯買えたな」

 

「結構な金使っちまったな。村にいると金を使う感覚が麻痺してくるんだよな」

 

「そうですね。今後は村のみんなみたいに他国に買い物に行きますか。私たち四人はただでさえ村の外に出ませんからね」

 

 普段村から出ない四人はお金の蓄えもちゃんと持っています。使う場面があまりない四人はどんどんとお金が溜まっていっている状態でした。

 仁さんは今度もみんなでどこかに行こうと相談します。

 

「でも毎日土と戯れたい…」

「俺も蜂達が悲しむと思う…」

「最近魚の品種改良に手を出し始めたからな…」

 

 伊右衛門さん、与作さん、太郎さんの三人は自分の仕事が大好きな様です。

 

「実は僕も新しい研究を始めましてね…」

 

 各言う仁さんも村から出かける気がない様です。

 

 そんな四人はそろそろ帰り道に空飛ぶトカゲが出るからと少し急ぐ事にしました。

 

「う…気持ち悪い…」

 

「走りながら生魚食うやつがいけないと思うぞ」

 

「それ何匹目ですか。」

 

 足早に村に帰る四人。太郎さんはそんな中買った魚が痛む前に食べていました。

 

「そういや魔王軍の連中が戻ってきてるかも知れないから一応顔だしとこうぜ」

 

「すっかり忘れていました。」

「早く行こうぜ。」

「それじゃあ近道するか。」

 

 四人は近道をすると言って宙を一度蹴り空高く飛びました。そしてそのまま魔王軍がいる場所に飛び降りようとします。

 

 直後魔王軍の方から大きな音や立てて爆炎があがります。四人は足元からくる炎と衝撃で空高くまで打ち上げられてしまいました。

 

 

 そして今の重力落下状態に戻ります。

 

「そういやなんで魔王軍は打ち上げなかったんだ?」

 

「打ち上げるのを待ちきれなかったんじゃないのか?」

 

「んー、なんででしょうね?僕にもわかりませんね。」

 

「この荒れた山肌は源三さんに頼めばいいか?」

 

「その考えでいいと思うぞ。一晩で山を戻してくれるだろ」

 

 今の爆発の本来の原因を作った彼らが今の爆発の原因を知る術などないだろう。

 ちなみに源三さんは村一番土いじりが上手い初老の男性です。

 

 四人が入った建物は魔王軍が今回の戦争の最終兵器としてもってきた火焔流星のかけらでした。危険な代物であるため厳重に警備されていた建物に四人は難無く入り、改造を行ってしまったのです。

 四人のいる村では毎年一度開かれる正式なお祭りの際に必ず花火をあげます。その花火の元は勿論火焔流星のかけらです。

 魔王軍にあるとった状態て保管していた魔石を仁さんは村で使う花火と同じ様にしました。元々の威力を二倍三倍にあげてしまったのです。そしてついでにと導火線をつけてしまいました。

 

 そんな加工した魔石が置いてある部屋を開けたままの状態で四人はその場から出て行ってしまいました。

 

 そのあと来た悪魔アルフスが放った黒炎が飛び火して魔石の導火線に火をつけてしまいました。その後ちゃんと綺麗な色をした花火と言うにはあまりにも大きい爆発は悪魔達を灰燼に帰してしまいます。色とりどりの色をした炎を彼らは灰になる瞬間にみました。

 

 普通の状態でも数キロに爆発範囲をもたらす魔石はその効力を高められ山脈の頂きまでその範囲を広げました。その際に発生した爆発の爆速は8000m毎秒を悠々と超えて、その爆速を四人の男達の足元に衝撃として与えました。

 

 こうして四人の朝から行って来た事で、魔王軍は国に帰り、悪い悪魔は消え去り、アルカディア国は誰も戦う事なくすみました。

 

 もちろん四人はそんな事知らずに自由落下をしています。

 そして村から少し離れた地面に頭からめり込みました。

 そんな光景を見た村人達は呆れた顔をして四人を地面から引っこ抜き事の詳細を聞きました。

 

 詳細を聞いた村の人たちはすぐに家に帰り七輪と餅、酒を持って来て宴会の準備を始めました。

 太郎さんと与作さんは泣きながら餅と酒を持って来て村の人たちと一緒に飲み食いする事にしました。そんな二人を横目に仁さんと伊右衛門さんはその場で醤油を作り始めました。村の人が持ってきた大豆はその場できな粉にして砂糖を混ぜてから子供達にあげました。まだ年も幼い子達には甘いものがなにより好きですからね。

 

 そうして始まった餅パーティーは主催の二人が泣き続ける中大変盛り上がりました。

 

 途中で村長に拳骨を食らう四人。どうやら『ぐりこ』の声がうるさく、すずちゃんが震え上がってしまったそうです。

 現在のすずちゃんは笑顔で餅を食べています。

 今度は地面に足からめり込んでいる四人はそんなすずちゃんの笑顔を見てほっこり顏で笑います。

 そんな地面に埋まった四人を見て村の人たちも笑います。

 

 

 

 

 

 

 今日もこの村は平和です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーそして

 

 

 

 

 アルカディア国と魔王軍の此度の戦争は双方どちらも兵に怪我人なく無事に終わった。

 

 この戦争は七色戦争、聖姫戦争と言われるようになる。

 

 そしてアルカディア国の民達は皆が天使の存在を信じ、ヴェルティ姫は王から、兵から、民からこう呼ばれるようになった。

 

 

 聖姫ヴェルティ

 

 

 彼女の名はその後のアルカディア国でも常に語られ、この国の歴史上始めての女王となる。

 

 彼女の祈りに答えた天使達の一撃で悲惨な事になった山々も一晩立つと元に戻っており、国に戻った人々は自分たちの製造していたり販売していた商品がお金に変わっているのに顔を合わせて笑い合っていた。天使様が買ったのだろうと。

 

 魔王軍の野営地があったとされる標高2000mの中腹には神殿が建てられ、その困難な道のりの神殿には毎日参拝客が食べ物や酒を置きに来る。特にお魚がたくさん贈られているそうだ。そして教会は威厳を持つようにはなったが(まつりごと)には一度口を出すだけでそれ以上踏み込んでこなかった。

 

 その一度が麹を国の特産物にしてくれという事であった。麹を保管していた場所に手紙が置いてあったからである。

 教会のものがこれは天使の手紙と言います。その天使の置き手紙を読んだことからいい出したことらしい。

 なぜ天使からの手紙かと言うと、その手紙の紙は見たことない程真っ白であり、表面が驚くほど綺麗であったからだ。そして書かれている文字が太古の昔から使われている文字であり、手紙の最後のサインがこの国に残る天使の文献と合致したからだ。

 

 

 そして、その時の戦争に現れた四人の天使は国の守護神として祀られる事となる。

 

 あの七色の炎に包まれた山脈は霊峰とされ、信者の修行場所として用いられる様になる。

 

 アルカディアは新たに聖天国家と呼ばれ、その後世界の天使にまつわる宗教を統べ、聖地とされる事になった。

 

 そして、カジュの村の米酒好き共がアルカディア国の商人に米酒の製造方法を教えたら、米酒が国の特産物に増えたそうです。天使は酒の元を買っていったのだから、国と協会が認めるのも当然です。すぐ後に醤油や味噌も同じ様にどんどんと認められ豆大国へと変貌を遂げる。

 

 

 

 

 

 

 

 自分の国が魔王に攻められるかの恐怖に怯えている民、悪魔が暗躍し、国の無事をため日々頑張っていた王や姫様達がいる国がありました。

 

 ある日そんな国にジャージ姿にサンダルの仲良し四人の村人(天使)が来たそうです。

 

 

 

 

 

 

 その日からこの国は平和になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 めでたしめでたし

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