装備の確認
あれから川に向かった俺たちはまず町に行くことにした。結局武器がなければろくな攻撃方法がない。
流石に狼を殴っても倒せないし、杖がなければマッチのような大きさの火しか出せない。
「同じ方向にずっと歩いていけばいつか町に行けるはずだ。その前に……体を清めていい?」
「もう脱いでるじゃろ。汚い」
今の俺の格好?上半身、下半身ともに裸。もちろんあそこも丸出しだ。汗でベタベタとなった体に冷たい水は、体を癒す。
(それに水泳のレベルを上げたら水魔法も覚えるかもしれないし。)
クロールをしてみるが何も上がらず、現れたスライムを裸で倒していった。
「意外と良いかもな。ここ。」
「確かに川の周りにはスライムがよくでてくるし、そいつらは弱い。いい経験値スポットじゃ。」
――
そして俺達は昼までに12匹のスライムを倒した。昼ご飯はスーに魚を取ってもらい赤い実と一緒に食べた。
「ステータスの確認をしよう。」
「そうじゃな」
「「ステータスオープン」」
---
鳥川咲 Lv4(後57) Ex23
[ステータス]_装備_クエスト
HP12
MP3/12
攻撃力 41
魔法攻撃力14
素早さ14
※
……
[固有能力]
•勇者※
……
[スキル]
•明かりLv3※ •水泳Lv4※ •妄想Lv2※ •鑑定Lv2※
……
[魔法]
•火魔法Lv2※
---
---
スーLv3 (後13) Ex27
[ステータス]_装備
HP15
MP5
攻撃力14
魔法攻撃力15
素早さ15
※
……
[固有能力]
•神の使徒※
……
[スキル]
•浮遊Lv2※ •水泳Lv1※
……
[魔法]
使える魔法はありません
---
「やっぱりお主、レベルの上がりが早いな。」
「そりゃあ勇者だからね。でもお前ステータスの伸びよくね?素早さと魔法攻撃力負けてるんだけど。」
「当然じゃ。我はドラゴンだからな。」
「……ということはスーは100mを6.7秒くらいで走れるってことか。世界記録じゃねーか。」
「お主だってそうじゃろ。」
「というより、俺最初から10秒で走れることになってるけどそんな速くないんだが!?」
「なら何か速く走るコツみたいなのがあるかもしれないな。」
「確かに。というかお前ついに泳げるようになったのか?水泳が増えてる。」
「おー。本当じゃ。確かに水を見ても怖くないのう。」
――
それから俺は焚き火スポットに戻り、ついに荷物の整理をすることにした。(忘れていたわけじゃない。決して!)
学校帰りだったこともあり容量の大きいリュックにはたくさんのものが入っている。(そのせいで道中苦労したが。)
「教科書はもう捨てていいよな。」
そう言い教科書やノートを山積みにする。地理の教科書や生物の教科書は迷ったが結局使わない、との結論を出した。
「スマホは、……やっぱり圏外になってる。それにもう29%だしどうしよう。一応取っておくか。」
スマホの他に電子辞書や懐中時計もあった。ソーラーパネル付きの懐中時計は時間をそれっぽく調整し再びリュックにつけた。お気に入りのグミは町に行ったときに食べようと開けずにしまう。
「確認したい事があったんだ。ステータスオープン」
今まで気になっていた装備の文字を押して開く
---
鳥川咲 Lv4(後57) Ex23
ステータス_[装備]_クエスト
頭 なし
胴 制服(上)、リュックサック
脚 制服(下)
足 靴
装飾品 お守り※
(所持品)
•筆記用具※ •水筒 •生物のノート •グミ •電子辞書 •スマホ •懐中時計 •財布 •ハンカチ •ティッシュ •赤い実 •ごみ袋
---
「お守りの詳細ってなんだろ。」(ポチッ)
---
お守り(縁結び)
効果:魔物がよってきやすくなる
---
「…………へ?」
(いや、そんな効果があるなんて聞いてない。おかしいおかしい。これ持ってたらあの狼来ちゃうんじゃない?やばくね?)
お守りを引きちぎり教科書とともに捨て、近くにいたスーとともに走った。
「どうしたんじゃ?」
「お守りに魔物寄せの効果があった。今は持つべきじゃない。とりあえず今すぐここから逃げよう。」
自称世界記録の速さで俺たちは逃げに逃げ、行き着いた先でついに人を見つけた。