モグラとの遭遇
トコトコトコトコ歩いているとモグラに会った。
「おー、もぐらだ。かわいいなー。」
「そうか?随分と間抜けな顔をしておるが。」
「それが可愛いんだよー」
可愛いモグラに癒されようと顔を近づけると急にモグラが水を吐き出した。唾という威力ではなく、まさに水鉄砲のような攻撃。それはもちろん俺の顔にあたった。
「いってー。おい、このモグラ魔法使ってない!?」
「おそらくな。はは、いい気味じゃ。」
ムカつきモグラを踏む。モグラは地面に潜る。
「杖がないと使えないんじゃなかったのか!?」
「魔物は体の中に魔石があると言ったじゃろ。だから杖がなくとも魔法が使える。わかったか?」
ドラゴンも、再び現れたモグラを爪でひっかくが弾力のある肌に跳ね返されてしまう。
「このー!」ドカンッ!(蹴る音)
最後の力でブッシューと吐き出した水は俺の目に当たりモグラはたおれた。
「目が、目がー」
「油断するからじゃ」
(くそー!)
またもや経験値をこのドラゴンに奪われ、罵倒されるのであった。
「痛い。ぴえん」
「可愛くないのー。確かにあのモグラのほうが可愛い。」
(冗談の通じないやつだ)
「ステオプ!……うわっHP3下がってた。」
「略すなら無詠唱でしたらいいじゃろ。」
「えっ。できんの?」
(ステオプ!……ステータスオープン!)
---
鳥川咲 Lv2(後8) Ex12
[ステータス]_装備
HP5/8
MP6/7
攻撃力35
魔法攻撃力5
素早さ12
︙
︙
---
「ほんとだ!……そうだ、ドラゴン、ステータス見ていい?」
「は!?だめじゃ!見るんでない!」
「いやだって、俺たち仲間じゃん。お互いのこと知っておいたほうが良いと思うんだよね。それに使ってレベルが上がるのなら鑑定のレベル上げたいし。MPも少し回復したし、いきまーす!鑑定!」
「おーいいい!」
---
名無し
[ステータス]_装備
和は29、積は700
……
[固有能力]
1個
……
[スキル]
1個
……
[魔法]
0個
---
「……そっかぁ、、、」(想像よりも低いなぁ)
「文句あんのか?」
「いや別に?……ていうか名前ないの?つけてあげようか?」
「勝手にしろ」
「うーん、じゃあスワローは?かっこいいよ」
「何じゃその名前は?まあいい。」
「……ごめん。やっぱ……スーで」
「ごめんでなぜその名前になる!?いや……もういい。」
(スワローが燕だからって言えないからなー)
「そうだスーこの森抜けて街に行きたいんだけど。」
「我に聞かれてもわからんぞ。取り敢えず歩くしかない。」
「了解!」
――
それから俺たちは森を抜けるためひたすら歩いた。道中で魔物と出会っては倒していった。(スライム4匹、モグラ1匹)だからそれなりにレベルは上がっと思う。(確認してないが)
わかったことは、この森にはモグラとスライム、足の速いヒヨコ、遠目から見ためっちゃ怖い狼、あと今戦っている緑色のうさぎがいることだ。
(鑑定!)
---
緑うさぎ
[ステータス]_装備
和は21、積は400
……
[固有能力]
0個
……
[スキル]
2個
……
[魔法]
0個
---
「多分弱い!スーやっちゃえ!」
うさぎが俺に向かって華麗な蹴りを見せてくれるが、ダメージを負いつつも気合で足をつかむ。それからスーが長い耳を牙で貫き、頭に噛みつく。最後に俺が思いっきりうさぎを投げてうさぎは倒れる。
「うーん、だいぶ暗くなったな。一旦休憩しないか?」
「そうじゃな。我も疲れた。お腹も空いたし。」
「そうだよな。飯どうしよう?」
あたりを見渡すと赤い実の付いた低木を見つけた。
(確か川には魚もいたし……頑張るかあ)
「俺ちょっと魚を獲りに川に行ってくる。」
「わかった。気をつけるんじゃよ」
――