光る円
初投稿です。楽しんでいけたら嬉しいです。
俺の高校生活は退屈だ。俺の鳥川咲という名前を女みたいだとからかわれ、うまく返せず「つまんな」といったことでみんなから距離を置かれてしまった。今日こそ隣の奴に声をかけようと何回も考えているうちに席替えで離れ離れに。つまり友達ぜろ。もちろん彼女なんてものもいない。
(昨日の漫画マジおもろ。俺もあんなカッケー勇者になってハーレムとか築きてー!あんなモテモテになったら……)
「えーだから、ここにさっきの5を代入することでこのyの値を求められる。じゃあ田中の隣の……鳥川。ここの答えは?」
「えっ!?えっと……」(やっべー何も聞いてなかった)
隣の田中がノートを見せて
「ここ、√3+5になるよ。」(田中マジサンキュー)
「√3+5です。」
「鳥川さん、それくらい自分でできるようになりなさい。(咳払い)そうですから、aを二乗して……」
こっそりとため息をし、今日も自分のダメっぷりを見せつけられるのだった。
(帰ったら勉強しよっかなー。どうせしないけど)
結局無駄なことを考えるのをやめて懐かしき練り消しづくりに走るのだった。
帰り道田中に会った。何でも俺は気づいてなかったらしいが田中も電車通学らしく何度も通り過ぎていたらしい。(俺が)
「それでね〜何回も話しかけたかったんだけど、気づいたらいなくって今日話しかけられてラッキーだったよ。ねえねえ咲って趣味とかないのー?」
(つらい、これだから陽キャてやつは。距離詰めすぎなんだよ)
「えっと、読書とかかな?」
「すごっ!僕なんて漫画ばっか読んでるよ〜。咲てなんかクールキャラじゃん?なんかおすすめの本とかないー?」
「えーっと、えーっと……」
(おいおいおいおい。俺も漫画しか読んでねーよ!どうしよー!!)
「自己啓発本かな……?(汗」
「さすが~!もっと色々聞いていい?勉強のコツとか、好きなタイプとか」
(無理無理!勘弁してください……)
取り敢えず下を向いて言葉を切り抜ける方法を考えていたとき、コンクリートの上に円が描かれておりそれがどんどん同心円状に大きくなっていたことに気づいた。
「!?……っ田中さん走って!円がどんどん大きくなっている!」
「円!?どういうこと!?」
「走って!!」
ますます大きくなった円の中には謎の模様が描かれており俺たちと、近くにいた女性を包んで眩しく光りだした……