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20.悲しい目は趣味じゃないけど問題無いよね?

「ふぅ~。シャバの空気が上手いぜぇ~ってやつだねぇ」

「何を豚箱に入ってましたみたいなノリで言ってるの?」


僕と明里ちゃんの掛け合い。

そして、


「ふふふっ。この開放感をより高めるためには服を1枚脱ぐのも」

「「それはやめて」」


葵南ちゃんの変態発言。

折角外の空気が美味しかったのに、変な空気になってしまった。葵南ちゃんは残念そうに、僕たちは顔を引きつらせながら次の目的地へ向かう。

もうお仕事は終わったから、後はひたすら遊ぶだけなんだよねぇ。

向こうの企業のドローンに手を振っておいたから、僕が会場にいたことは察知されてると思うの。後は今回の行動にどう対応してくるのかを見る必要があるんだけど。

とはいえそれも今じゃなくて良いから、


「……あっ。ここだね」


「おぉ~。ここかぁ」「大きいですね」


僕たちは3人で、僕の持ってる家の1つに入っていく。ここは別荘というわけではないんだけど、土地の値段が上がりそうだから買っておいたんだよ。ここの値段が上がるって考えた理由は勿論、ゲームで色々とあったからだねぇ。


「……はい。葵南ちゃん。ここの家の中だけなら服は自由に脱いで良いから」


「あっ。はい。分かりました。……とは言っても、明里と目覚君の前で脱いでもあまり嬉しくないんですよね。それよりも前みたいにペットとして扱ってもらった方が……」


「あっ。そうなんだ」


葵南ちゃんの性癖はよく分からない。色々と歪みすぎてて、歪ませた原因である僕にも理解できないんだよね。

僕たちの前で脱いでも嬉しくないってことは、


「さっき開放感を高めるために服を脱ぐとかいってたけど、不特定多数の知らない人の前で脱ぎたいってこと?」


「いやいや。流石にあれは冗談です。私がこの自分を見せても良いと思うのは、あの3人だからです」


「あの3人?……って言うと、風花ちゃんと美春ちゃんと宿利ちゃん?」


「そうです」


どうやら知らない人じゃなくて、あの3人に服を脱いだところを見せたいらしい。さっぱり理解できないけど、そういう趣味なんだね。不特定多数に見せなくて良いのは救いではあるかな?

……でも、全く理解できないなぁ。なんて思っていたら、葵南ちゃんが解説を始めだして、


「あの3人なら、見られても嫌われるということはないと思うんです」


「うん。まあそうだね。あの仲の良さから考えて、変態的な趣味を持ってたとしても嫌われることはないだろうね」


その程度で壊れる関係には見えない。

僕は別として、葵南ちゃんに関しては3人とそんな関係を築けていると思う。

もし僕が全裸だった場合、「きゃああぁぁぁ」って悲鳴を上げながら、指を開いた状態の手で目を隠すと思うんだよね。……風花ちゃんと宿利ちゃんはちょっとむっつり疑惑あるし。美春ちゃんは、そういうことに興味津々なお年頃っぽいし。


「で、嫌われはしないと思うんですけど、軽蔑した視線は向けられると思うんです」


「……うぅん。まあ、あり得なくはないかな?可哀想な目で見られることはあるかも」


「ですよね!!」


僕が同意すると、葵南ちゃんが凄い食いついてきた。

あれだね。葵南ちゃんとしては嫌われたりはしたくないけど、冷たい視線が向けられたいってことなんだろうね。ある意味欲張りさんってことなのかな?


「ただ、懸念があるとすれば……」


「え?懸念?なんですか?」


流石に葵南ちゃんには懸念があったりはしないみたい。僕は真っ先にその葵南ちゃんが喜ばないような懸念の方が思いついたんだけどね。それが何かと言えば、


「悲しい目を向けられたりするんじゃないかと思うんだよね」


「悲しい、目?」


「そう。可哀想なものを見る目と言うより、友人が変な趣味を目覚めさせて悲しくなっちゃう感じ?」


僕も、クラスの友達とかが全裸で出歩いてたりしたら凄い悲しくなると思うんだよね。

何か辛いことでもあったのかな?僕が助けになってあげられなかったかぁ……って。

そんな感じの雰囲気になるのが想像できたのか,


「「……あぁ」」


なんとも悲しい感じの納得の声が葵南ちゃんと明里ちゃんから漏れた。葵南ちゃんはそっちの方が確率が高いと予想したのか肩を落とし、明里ちゃんに肩を叩かれてる。


「悲しい目をされるのは葵南ちゃんの趣味じゃないんだね?」


「それはそうですよ。……私が欲しいのは軽蔑であって同情じゃないんです。というか、友達に悲しい目をさせたいとかは思いません」


「……まあ、だよねぇ」


友人を悲しませてまで自分の欲望を満たしたいわけではないよね。

うん。葵南ちゃんがその辺は正常でよかったよ。私の欲望のために友人を泣かせるぜぇ!とかなってたら、流石に目も当てられなかったからね。

とりあえずまだ正常でいられているご褒美に、


「はい。首輪だよ」


「あ、ありがとうございます」


首輪を着けてあげる。「あおな」ってひらがなでタグがつけられた一点ものだよ。……まあ、それを書いたのは僕なんだけどさ。


「じゃあ、まずは激しくやるから葵南ちゃんからかな?体力が有り余ってるうちに処理しないと」


「しょ、処理って……なんかぞんざいに扱われてる感じがあって良いですね」


「……そっかぁ」

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