9.暗殺されかけても問題無いよ、ねぇぇぇぇ!!!!???????
パパパッ!
「ふぅぅぅぅ!!!!!」
タンッ!タタタタタンッ!
「うそっ!?こっちも!?」
バリバリバリバリバリバリッ!
「こっちまで来るのは聞いてないんだけどなぁぁぁ!!!!!」
今、何してると思う?正解は3秒後。
チ、チ、チ、チ~ンッ!
正解は、『大量に飛んでくる機関銃付き大型ドローンによる攻撃から絶讃逃げ回り中』でしたぁぁぁ!!!!!!
うん。そうなんだよ。ちょっとよく分からないテンションになってるけど、そうなっちゃうくらいな状況なんだよ。
暗殺されるとしてももうちょっとグアフェアが切羽詰まった状況になってからかと思ってたんだけど、残念ながらそんなことはなかった。予想外なことに、帰宅中に大型デパートで買い物してるところを狙われたよ。
しかもこの大型デパート、僕以外誰1人としてお客さんがいないんだよね。だから一般人への被害は考えなくても良いという……いったい何がどうなっているのやら。
とは思うけど、何が起きているのかはあらかた理解しているつもりだよ。
恐らく、
「このデパート今日は僕だけ貸し切りなのかな!?それとも、グアフェアの所有物件なのかな!?」
どちらかだとは思う。でも、どちらかは分からない。数秒時間があれば確認は可能なんだけどね。
ただ、今は数秒確認する時間もなければ、確認する必要性もない。それよりももっと優先度の高いことが山積みなんだよ!!
「あぁ~。術を練習しておいてよかったね!才能なくてもどうにかなるなんて素晴ら、しぃぃ!!!!!」
僕はやせ我慢するように独り言を吐き出しつつ、射線に障害物が入るように気を配りながら移動する。見たこともないお菓子の箱が銃弾によってはじかれ、僕の前を跳ぶ。それでも、僕の心が折れたりはしない。何せ、今の僕の体は術で強化されていて、銃弾を数発受けたくらいでは穴すら空かないんだから。
……とはいえ、明里ちゃんたちの話によると術を使っても痛いものは痛いらしいんだけどねぇ!!
「うわっ!?今何かかすった気がする!怖っ!?」
僕の背中に何かがこすれるような感触を感じた。一瞬のことだったけど回転や速さを考えると、銃弾だったんだと思う。
幾らある程度銃弾を受けても大丈夫とは言えヒヤッとするねぇ。流石にこのままでもマズいし、ちょっと余裕が出るところで対応しようかな。
それじゃあ、あそこの角になるところで……3,2,1、ボンッ!
「おぉ!上手くいったねぇ!」
銃声より多少小さい音だったけど、ドローンの回路がショートして小規模な爆発を起こす音が聞こえた。ちょっと熱を持たせる術と電気の流れが速くなって大きくなる術を使っただけなんだけど、ここまで結果が出るなんてね。性能が良いだけここまであり得ないことが起こるのは設計上考えられて人だろうね。
ある程度のムラがあることを想定しとかないといけないって言うのが分かる結果だね。
「……と、そろそろ次のドローンが来るか、なっ!?」
曲がり角の安全圏も抜けてまた危険度が増すところで、僕が外の方に警戒を強めた瞬間だった。完全に予想外なことに、足元の方から音が響いた。どうやら、
「床に爆弾設置するなんて、よくやるねぇぇ!?」
僕の足元には爆弾が仕込まれているようだった。たぶん僕がドローンを避けて捌いてってしてる間に、誰かが設置したんだろうね。最初から爆弾を設置していたわけではないだろうから……ないよね?流石にそこまで事前準備シッカリされてると、僕が罠に簡単にはまった間抜けってことになっちゃいそうでいやなんだけどな。
「でもこういうのは、えいっ!」
爆弾があるならどうすれば良いか?
簡単だね。全部爆発させればなくなるよ。ということで、僕はまた術を使って、この階層の床全体に少し強い程度の力が加わるようにする。
そうすれば、ドオオオォォォォォンッ!と言うすさまじい爆発音と共に、
ガラガラガラガラッ!と音を立てて床が崩れた。
「え!?崩れるの!?それは聞いてな、」
聞いてない。そう言おうとしたけど、僕の言葉はそこで止まった。何せ、
バリバリバリバリバリバリッ!!!!という激しい銃声と、何かが打ち抜かれて砕け散る音。崩壊した床が、下の階に仕掛けられていた大量の銃火器で砕かれていた。
僕はどうにか大きめの棚みたいな何かの上に乗ってたから被害はなかったけど、まだ銃火器は動いている。しかもそれだけでなく、何かとてつもなく嫌な予感がするんだよね……。
「ちょっとやっておこうか、えいっ!」
上の階の爆弾を解除したときに使ったように。ここでもまた、床に衝突する前に僕は術を使う。
僕の嫌な予感は的中して、ドオオオォォォォォンッ!という爆発音が再び響いた。全身が震えるような爆発だよ。特に今回は空中にいたから、かなり変な感触だね。上に浮き上がるような感じ。
ただ、今回床を早くに爆破したのは、悪くないことだったみたい。
なにせ、
「えっ!?ギャアアァァァァ!!???」




