表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/69

7.金持ちは○しても問題無い、よね!?

目をかけていた会社から来た連絡。それは、大企業からその会社に対しての買収の打診。買い取って、その企業と吸収合併したいんだとさ。

勿論そんな重要なことを株式6割保有の僕の決定無しでできるなんていうわけがなく。僕の方に連絡が来たって言うわけだね。事前に説明しておいて、正式な決定とかは、今度の株主総会とかでやるってさ。


「流石に買収されると困るなぁ」


「困るの?」

「なんかお金とか良い感じに貰えるって話じゃなかったですか?」


確かにお金は入る。説明された限り、買収に当たってそこそこのお金が僕の方にもまわってくると言う話だった。

ただね。


「桁が大きかったように感じたかもしれないけど、買った株より少ないんだよ?それじゃあこっちにとっては損失じゃん」


「……ん~。まあ、そう言われたらそうなのかしら?」

「でもでもぉ、お金が貰えるだけじゃなくて、株式もそのままになるんじゃなかったぁ?」


説明によると、僕の株式は吸収合併された後も合併した会社の株として残るらしい。お金が補填されて株式が残るなら万々歳、と思うかもしれないんだけど、


「そんなに甘い話じゃないよぉ。買収の理由が、景気のいい話じゃないんだからさ」


「景気のいい話じゃ、ない?」


景気のいい話じゃない。つまり、景気が悪い話って言うことだよ。本当に嫌になるね。

僕は景気のいい話だけ求めてるんだけど。


「まあ、そこは株主総会の時に質問とかするから今はいいや」


「そ、そう。……とりあえず、目覚君は今回の合併に反対ってことね?」


「そうだよ」


「じゃあ、代わりに何かしたりするの?」


風花ちゃんに尋ねられて、僕は考える。

今のところ、吸収合併に反対して今の会社を存続させることだけで良いかと思っていた。でも、よく考えていれば今回のことはそんなに簡単には終わらない可能性が高い。

となると、


「対策をしておこうかな。向こうの企業からの暗殺の」


「「「「あ、暗殺!?」」」」


皆、目を丸くする。暗殺なんて言葉は予想していなかったんだろうね。僕だってあんまり今まで考えてなかったから。

でも、その可能性が高いと思うんだよね。


「合併しようとしてきてる企業は確実に焦ってると思うんだよね。どうにかして買収したいんだと思う」


「「「「うん」」」」


「もう後がない状況だから、邪魔な人を1人消すくらいは問題無いよね?」


「「「「……うん?」」」」


「企業が潰れるより、金持ちの遊んでばかりのボンボンが消えた方が何倍もマシじゃない?」


「「「「う、う~ん」」」」


皆考え込んでいる。一概に違うとも言えないんだと思う。

僕だって、状況によってはそんなことを思うかもしれない。例えば国民生活を円満に行なうために必要なインフラ関係とかを残すためには、数人犠牲になるのも仕方ないと思うときもある。まあ逆に、名前だけ売れてて赤字続きな大企業はさっさと潰れろとかも思うけど。

で、そんなことを僕が考えるんだから、金持ちじゃない人で切羽詰まってる状況の人は余計にそう考えるかもしれない。自分たちの命に直結するんだから。


「特に金持ちには金遣いが荒い人も多いけど、僕みたいに基本的に倹約家な人も多いんだよ」


「「「……倹約家?」」」

「ま、まあ、私生活に関してはそういう面もあるかもね」

「会社の投資とか物件の購入とかに目を瞑れば確かにそうかもしれませんけど……」


おっと。僕が倹約家だというのは皆疑問らしい。これは僕の普段の行動が間違っていたかもしれないね。もっと節約しないと。


「とりあえず、お金持ちの人には結構お金を使わない人も多いの。使わなければ溜まるって当たり前のことだらね。……まあだから、お金持ちがいなくなった方がその人が持っていたお金が動いて経済に良い影響を与えたりするって言う訳なんだよ」


「「「ほぇ~」」」

「……つまりそれは、お金持ちが全員○ねば皆幸せになれるってことっすか?」


ほとんど皆納得する中、宿利ちゃんがちょっと怖い雰囲気を出しながら質問してきた。なんか僕の命にまで危うさを覚える質問だよ。

でも、返答は真面目にやらないとね。


「問題があるのは、ため込んでて使わない金持ちだよ。あと、自分の権力のためにしか使わない金持ちかな?」


「というと?」


「お金があるのを見てニヤニヤするだけの金持ちとかは経済の廻りを悪くするからアウトだね。邪魔だよ。あと、政治とか軍部とかに賄賂を渡すタイプの金持ちも宜しくないね。そういう人達の中には無能なのに政府とか軍とかから守られる人達がいるから」


「あぁ~。……それは確かにいらないかもね」


皆うんうんと頷いている。

いや。いらないとは言うけど、全員が死ぬのはそれはそれで問題があると思うんだけどね。そう人達って海外との繋がりとか影響力とかもあったりすることがあるんだから。1人2人いなくなるのは良いけど、流石に全員いなくなるのは困るかなぁ。


「何事もほどほどが大切だよ」


「「「「それを目覚君には言われたくない」」」」


あ、あれ~?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ