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11.怪物になっても問題ないよね?

あと1週間掛からないくらいで2章は終わるのですが、3章の更新前に短い小説を幾つか投稿したいのでそれが終わるまでお待ちください(土下座

僕は詳しい主人公の体調の悪化について尋ねてみる。ハッキリとしたことは分からなくても、推測はできるからね。

まずは過去の事例とかから調べてみて、詳しいことを考えていかないと。


「幾つか無理矢理体調を悪化させる方法はありますよ。それこそ、普通の人が体調を悪化させることを更に激しく行なえば病気になる可能性もあります。私の場合は、この格好で-20度位の場所にいたら風邪を引くと思います」


「私の場合は-30度くらいかな?あの子だと-60度くらいは行けると思うけど。とりあえずあの子の場合は-10度の雪山でトレーニングしてたはずだから、それくらいは余裕だと思うな」


「-10度でトレーニングしてたんだ……」


僕は呆れて苦笑いを浮かべた。

-60度までは耐えられるのかぁ。相当だね。それより能力の高い美春ちゃんの場合は……うん。もう考えないようにしよう。そのレベルだともう人間やめてると思うな。

でも、そう考えると、


「そこまでひどい何かがあったって言うことだよね?」


「そうですね。……一体何があったんでしょう」


「-60度でも風邪を引くレベルだからね。今聞いたような体調の悪化と考えると、どれくらい過酷なことをしたんだろう?」


明里ちゃんも葵南ちゃんも、難しい顔を押して考え込む。それだけ主人公の体調を悪化させた原因が不可思議ということだろうね。僕も不思議だよ。

なんて考え込むけど、


「あっ。やばっ。もうこの部屋出る時間じゃん」


「え?あっ。本当だ!」

「本当ですね。出ましょうか」


カラオケの終了の時間になっていた。僕たちは慌てて部屋を出てお金を払う。そうしている間に葵南ちゃんの方に、


「あっ。風花からまた連絡が来てますね……どうやら神道家の調査の結果が出たようです」


「おっ。もう出たんだ。速いね」


どれくらい前に主人公の体調が悪化したのか分からないけど、葵南ちゃんに連絡が来た時間から考えるとかなり速いように思える。

早速その内容を聞いていこうか。


「症状の主な原因と考えられるのは、力の急激な低下。計測してみたところ、力が1割ほどに減っていて、それだけ体の抗う力も減っているそうです」


「1割!?そんなに減ってるの!?」


「1割かぁ。確かに減ったとは思うけど……それでも僕たち一般人よりは多いよね?」


僕は眉をひそめる。力が減ったのが主な原因だと考えてしまうと、僕たち一般人は生きていけない気がするんだよね。力が少ないだけで体調が悪くなるなら。


「勿論一般人よりも力は多いです。ただ、問題なのがその減った力の方らしくてですね……どうして減ったのかがさっぱり分からないそうです。ですので、減った力が何か体調を悪化させる原因に変化したのではないかという推測もされているようですね」


「へぇ~」


「減った力の行き場かぁ。確かにそれに問題があれば、持ってる力以上に体調を悪化させる原因の方が多くなるからね」


イメージして欲しい。全身を巡る血液。その9割が、毒になるところを。

一瞬で体調を崩して命を落とすのが予想できるよね。このイメージはちょっと過激すぎるかもしれないけど、おそらくこれに近いものがあると思う。例えば、血液じゃなくて胃液の9割が毒になったとかね。


「力の行き先ねぇ」


僕は呟く。

なんでか分からないけど、引っかかるんだよね。力の行き先なんてふわっとした表現だけど、どこかで聞いただか見ただかしたような。……ちょっと言葉のチョイスが違って、


「……力の変換。聖魔混合?」


そんな感じだった気がする。


「ん?どうかしたの?」

「何か気になることがありましたか?」


「え?あぁ、いや。どうなってるのかなって思っただけだよ」


僕は適当に誤魔化す。

でも、心の中では悩んでるよ。どこで聞いたのか。名前がちょっと厨二病的だから、神道家の資料だったかな?古い資料にはそういうタイプの名前のもあったし。可能性は充分あり得る。最近読んだ資料で言えば力が強い美春ちゃんくらいにしかできない力の使い方に関する資料を……いや、待って。神道家じゃないかも。


「ねぇ。葵南ちゃん。ちょっと連絡とって貰える?」


「え?風花にって事ですか?」


「そう。メッセージを送って欲しいんだけど……」


僕は気になった内容を伝える。葵南ちゃんも明里ちゃんも僕の言葉に驚いていたけど、詳しいことは聞かずにメッセージを送ってくれる。

そしてそれに対する風花ちゃんの返答は、


「……目覚君の予想通り、例の子は怪物に近い状態になっているそうです」


「なっ!?本当なの!?」


葵南ちゃんの言葉に明里ちゃんは驚愕する。そんなことがありえるのかと。そして、僕の考えはあっていたのかと。

僕は僕で難しい顔をして、


「問題は、どこでそうなるように仕向けられたか、だよね」


「そうですね。神道家でそういう実験をしたんでしょうか」


「でも、そんな話は聞いたことないんだけど?」


明里ちゃんが聞いたことはないのは当然。神道家がやっていたとしても、そんなに深いところまでは神道家のことを知らないだろうからね。

だけど、僕は神道家と言っておきながらその可能性は低いと考えている。なぜなら、今回の怪物化は、『エ○エ○化け物退治2 ~狂乱と絡み合う僕たち~』に出てきたのだからね。この2には神道家はあまり関わってこない。一応関わりが無いわけでは人だけど、2の主人公達の敵対勢力みたいな形なんだよね。


「どう対応するんだろうね?」


「さぁ?神道家が起こしたことなら対策も決めてるだろうけど、もし違うなら判断に迷うだろうね。こんなこと初めてだし」


「そうですね。自然発生した怪物なら殺すだけで良いですけど、元人間となると殺すのは躊躇してしまいますよね」


僕たちは神道家がどう対応するのかも予想する。簡単には殺すことができないと思うんだよ。明里ちゃんは生け贄として殺されそうにはなってたけど、大概の場合神道家は人を殺すことはないから。

そしてあんまり人を殺さないのに加えて、一応主人公は強い力を持つ。そんな子を危険があるかもしれないから殺すなんて、勿体なくてできないと思う。


「最悪なパターンは、殺すのに躊躇して例の子が本物の怪物になっちゃうことだよね。全部の力が怪物になるのに使われたら、普通より強い怪物になっちゃうんじゃない?」


「そうかもしれないですね。全くどうなるのかは分かりませんが、その可能性も充分にあります」


「ちゃんと拘束もしてくれてると良いんだけど」


ちゃんと縛ったりしておいて欲しいよね。……亀甲縛りとか。


「拘束……亀甲縛り……目覚君、今度やってくれませんか?」


「あ、葵南……」


葵南ちゃんが僕にお願いをしてきて、明里ちゃんがそれに呆れた目を向ける。でも、僕にはそれを呆れることはできなかった。僕も縛るところで亀甲縛りを想像しちゃったからね。

まさか変態と同じ事を考えることになるなんて!反省しないと!!


「やるのは良いけど、色々機材とか必要だよね。天井にロープをつけるのも大変だし」


「その辺は私が自分で探します!!」


葵南ちゃんがそう言ったので、この話はこれでおしまい。きっと後日、葵南ちゃんの部屋にロープが吊されるだろうね。……あっ。勿論自殺用じゃないからね?

でも、間違って首が絞まったりしないように気をつけないと。葵南ちゃんなら僕たちよりは長く生きられるだろうけど、それでも死んじゃうことはあるだろうから。

なんて真面目に亀甲縛りをするときのことを考えていたら、


プルルルッ!

「んお。電話だ」

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