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6.使ってても問題ないよね?

「あっ。そうそう。あの子の話と言えば、目覚君が言ってたとおり付き合ってる設定にしないかとか言われたわ。断ったのに凄い縋り付いて気持ち悪かったのよねぇ。……危険性教えてくれておいてありがとう」


風花ちゃんが僕にお礼を言ってきた。

主人公、本当にやったんだね。僕もそこまで確率は高くないと思ってたんだけど、まさか本当にやってくるとは。……というか、そういえばだけど、僕って風花ちゃんと主人公をくっつけたかったんだよね。この今の状況から考えて、それは無理かな?


「いやぁ~。気にしないで。……で?その反応から考えると、その例の子とはあんまり上手くいってないのかな?」


「ええ。そうね。全くもって上手くいってないわ。何というか、変態としか見れないというか……。気持ち悪いのよね」


凍えるようなフリをする風花ちゃん。これは本格的に諦めた方が良さそうだね。主人公がそんな感じなのはかなりがっかりだなぁ。

もうちょっとマシな性格してると思ってたんだけど。ゲームの中でも下着の匂いを嗅ぐイベントなんてなかったのに。


「もし辛くなるようなら言って。別の家に住んで、週に何回かこっちに通うっていう風にもできるとは思うから」


「分かった。ありがとう。……でも、今のところは大丈夫よ。あの子以外に悪い要素はないし。というか、かなり良い待遇を受けさせてもらってるわ」


「へぇ?」


かなり良い待遇、と言うのが気になるね。葵南ちゃんも明里ちゃんも、そんなことがあるのかっていう驚いた顔をしてるし気になってるだろうね。

どんな待遇なんだろう。


「勿論訓練とかは大変だけど、ご飯は豪華だし、色々買って貰えるし」


「……うわぁ。ズルい」

「私、仕事の道具と必要最低限の物以外買ってもらった事無いんだけど」


葵南ちゃんは少し嫉妬するような顔になり、明里ちゃんは心底羨ましそうな声を。それを聞いて、風花ちゃんと美春ちゃんは、


「え?目覚君のところって待遇悪いの?」

「うわぁ~。目覚君サイテ~」


なんて言ってきた。ひどい風評被害だね。

明里ちゃん達も慌てた様子で、


「いやいや、今のは昔の神道家の話ね!」

「そうそう。目覚君は大抵買ってくれるから。ある程度高くても平気な顔で買っちゃうし」


と、フォローを入れてきた。

だよね。僕、2人に対してそこまで厳しくしてないよね。一瞬そんなに物を買ってなかったかと思ってビックリしちゃったじゃん。……でも、少し心配だから今度プレゼントとお小遣いの量増やそうかな。


「やめてよ目覚君の前で言うの。ただでさえ凄い金額渡してくるんだから、もっとひどいことになっちゃうよ」

「っていうか、目覚君の表情から考えて、もう何かの決定しちゃってそうだけど……」


明里ちゃんが僕の顔を見て、そんなことを言ってくる。僕の表情を見ただけでそこまで分かるようになるなんて、明里ちゃんともかなり心が通じ合ってきたかな。


「決定したけど、気にしないで良いよ。べつに減らすわけではないから」


「いや!どちらかと言えば減らして欲しいんですけど!」

「そうだよ!あんな金額使い切れないよ!流石にもらったお金で借金返すわけにも行かないしさぁ……」


2人は叫び、頭を抱える。

……ふむ。上手く収まりそうにないね。ここは、更にお小遣いの額を増やすことでゆるしてもらおう。流石に1割増やしたら満足してくれるよね?


「まあ、それは良いとして、風花ちゃんと美春ちゃんに詳しい話を聞いていくよ」


「全然それは良くないっていう顔を神道さん達してるけど……あっ。無視するのね。分かったわ。何が聞きたいの?」


べつに無視してるわけではないんだけど、風花ちゃんにはそう見えたらしい。

でも、反論する前に質問されちゃったから先にそれに答えないとね。僕が聞きたいことは幾つかあるけど、


「まずは大まかな1日の流れかな。何時に寝て何時に起きて、みたいな感じで」


「分かったわ。じゃあ、まず私からね。私は朝の6時に起きて、そこから朝食を食べて……」


風花ちゃんが話し始める。それが報告され終わると、今度は美春ちゃんも。僕はそれを訊きながら、気になるところをメモしていく。


「良いなぁ。私たちの時よりかなり緩い」

「平気で3時間くらい続けて訓練させられたのに。神道さんたちはそういうのないんだね」


それを聞いた2人の感想から考えて、かなり改善されたんだろうね。おそらく僕が内容を聞くって言っておいたから、神道家も気をつけたんだろうけど。


「あっ。そうそう。私たちそれぞれ個人の部屋も貰えてて、私は前神道さんが使ってたって言う部屋を貰ったわ」


「私は四ノ原さんの部屋をもらったよぉ」


「あぁ~。あの部屋ね。……へ、変な物とか残ってなかった?」


心配そうに尋ねる葵南ちゃん。風花ちゃんが使ってる部屋に自分の何か気になる物とか残ってたら嫌だよね。よくある男の子のエッ!な本みたいに。

あっ。僕はそういうの持ってないよ。本じゃなくてそういうゲームで……げふんげふん。


「ふふっ。特に変な物はなかったわよ。服は残ってたけど、ちゃんと下着類とかは回収されてたし」

「私の部屋も変な物もなかったよぉ。下着も確かになかったね」


葵南ちゃんの心配してたことはなかったみたい。葵南ちゃんと明里ちゃんはほっとした表情をして、


「あっ。神道家も一応そこはやってくれたんだ。良かったぁ」

「そうだねぇ。普通に私たちの部屋なんてそのまま渡されるかと思ったけど」


「「……え?」」

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