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5.ぬらしても問題ないよね?

「それだと恥ずかしくないよね?やっぱりそれじゃダメかな……」


「ふふっ。考えてますねぇ」


「そうだねぇ。考えてるねぇ」


2人はニヤニヤしながら僕を見つめる。

勝ち負けじゃないんだけど、なんか負けてる気がするね。ちょっと悔しい。何か良いモノないかな……あっ。それなら、


「じゃあ、2人に新しいスク水を買ってあげよう!胸の所にひらがなで名前を書いてあげるから!」


「ん?どういうこと?」


明里ちゃんは首をかしげる。水着の書類とか定番とか分かってないだろうからね。スク水に名前が書かれてるのは分からないんだろうね。

でも、理解している葵南ちゃんは、


「うぇ!?そ、それはやめて貰えませんか!流石にスク水は別の恥ずかしさがあると言いますか」


「えぇ~。肌面積少ないから良いじゃん。ちょっと、というよりかなり似合わないだろうけど」


さっきとは違って、僕の方がニヤニヤと葵南ちゃんを見る。そうしながら僕はスマホで調べて、明里ちゃんにスク水を見せてあげる。

すると、


「えっ!?何これ!?露出多すぎない!?太モモとかすれすれじゃん!!」


ちょっと僕の予想とは違うところで驚いてた。これで露出が多いとかいうんだから、ビキニとか着れないよね。「ほとんど下着と同じじゃん!」とか言うんじゃないかな。

ちょっと揶揄う意味も込めて男子用のブーメランパンツも見せておこうか。


「っ!?な、何これ、男の人のきわどいのが……え?目覚君これ履くの!?」


おっと。そう誤解してきたか。


「違うよ。僕はもうちょっときわどくないのを履くから。それに、上にも着るよ」


僕がブーメランパンツをはくのを想像して欲しい。低身長の明らかにショタに見える男子が、ブーメランパンツはいてるんだよ。絶妙に似合わないよね。

あるとしたら、恥ずかしがるショタに大人なお姉さんが少しずつ脚を広げさせて……みたいなちょっとエッ!なおねショタじゃないかな?


「ねぇ。目覚君。スク水はちょっと考え直しませんか?私恥ずかしいんですけど」


「ダメ。葵南ちゃんは僕をからかった罰。明里ちゃんは露出面積が限界だと判断した」


「……えぇ。お願いですから勘弁して下さいよぉ」


そうお願いしてくる葵南ちゃんの前で、ありがちな濃い青のスク水を見せてあげる。胸の所は勿論白い長方形があるよ。ここに僕が名前を書いてあげるんだぁ~。小学生が書いたとしか思えないように書いてあげよう。


「せいぜい目立ってね」


「うぅ~。やめて下さいよぉ。揶揄ったのは謝りますからぁ」


「もう確定したから変更はなしだよぉ~。頑張れ!」


「うぅぅ~~」


葵南ちゃんはそれから暫く説得しようとしてきたけど、僕は一切応じなかった。明里ちゃんは明里ちゃんで太ももの見えるところを凄い気にしてたね。太モモを見せてきて、おかしくないかって聞いてくるのが面白かったよ。そこにおかしいも何もない気がするんだけど。

そして数日後、水着を買いに出発。ちょっとしたショッピングセンターみたいな所にいたんだけど、


「本当に買うんですか?やっぱりやめません?……ほ、ほら。アレとか良さそうじゃないですか?」


「いやいや~。こっちの方が良いでしょ」


僕は迷わずスク水を探し出して購入。ただ、2人には見えないところでこっそりビキニも買っておいたけどね。2人の3サイズは把握してるからその辺の問題もなくできたよ。

で、水着も買ったし早速海に行こうか!……と言うことにはならず、


「ど、どうかな?やっぱり恥ずかしいんだけど」


「くぅぅ。この年齢でスク水を着ることになるなんて。しかも、胸の所の名前なんですか?完全に小学生じゃないですかぁ~」


まずは試着会が行なわれた。2人ともスク水を着て、それぞれ恥ずかしそうにしている。やっぱり恥ずかしさの種類は違うけどね。


「明里ちゃんはそれで我慢して。どうしても無理って言うなら下がスカートになってるのもあったから、そっちを買うから。そして、葵南ちゃん!よく気付いてくれたね。その胸の名前は自信作だよ!」


僕は胸を張る。どうやったら小学生が書いたっぽく見えるか頑張って研究したんだから。しかも、小学生女子が、ね。


「おぉ~。本当だ。凄い字だね。……これ本当に目覚君が書いたの?」


「せめて普通に書いて下さいよぉ。目覚君の字、綺麗なんですから」


明里ちゃんが驚き、葵南ちゃんは肩を落とす。

葵南ちゃんが言うとおり、僕ってそこそこ字は綺麗だからね。それを崩してこのちょっと下手な感じを出すのは大変だったよ。ただ汚く書くだけならもうちょっと簡単だけど、小学生女子って言うテーマがあったからね。


「……さて。ちょっと、海に入るより先にぬらしちゃうけど、良いよね」


「え?……きゃっ!?」


「あぁ~。明里だけズルいです。私も相手して下さい!」


僕は明里ちゃんを押し倒す。スク水で恥ずかしがってるのにそそられたよ。葵南ちゃんは、明里ちゃんの後に楽しませてもらおうかな。じらしてた方が葵南ちゃんは喜んでくれるタイプだから。

あぁ~。スク水も良いねぇ。


「……はぁはぁはぁ」


「水着なのに、一部しかぬれてないじゃないですかぁ。……もっと全身塗らしてくれても良かったんですよ?」


数時間後。明里ちゃんは肩で息をして、葵南ちゃんはまだ余裕がありそうに求めてくる。でも、余裕があるのは口先だけで、もう立てないみたいだよ。ちょっとやり過ぎた気もするね。

まあこれも、夏の醍醐味ということで……え?違う?これを醍醐味にしたらダメ?……そっかぁ。じゃあ、違うって事にしとこう。

なんてことがあって数日後。


「久しぶり。桜田さん」


「お久しぶりね。神道さん」


笑顔で挨拶を交わす元同級生。1人は許嫁を奪われ、1人は許嫁を奪った(本人にそんなつもりはなかった)関係性である。

そして、それを眺める、


「こ、怖い」


「怖いですねぇ……修羅場ってやつですかぁ?」


奪われた方の友人と、奪った方の妹。

言ってしまえば、葵南ちゃんと風花ちゃんが面会して、それを明里ちゃんと美春ちゃんが眺めてる感じだね。勿論僕も眺めてるけど。

葵南ちゃんと風南ちゃんは暫く見つめあった後、


「桜田さん、あの子の相手大変じゃない?」


「ああ。分かってくれるかしら?予想通り大変よ。何回か下着の匂いを嗅がれそうになったりとかしたし」


「うわぁ~。……気持ち悪いわね。ご愁傷様としか言えないわ」


「それはある意味こっちの台詞よ。あんなのと許嫁とか、本当に大変だったわね」


和やか、とまでは言えないけど、特にお互い敵意のない会話が行なわれる。主人公の悪口って言う共通の話題があるから、スムーズに会話が進められてるかな。

その様子を見て、


「「ほっ」」


明里ちゃんと美春ちゃんは胸をなで下ろしてる。喧嘩とかにならないか心配してたんだろうね。僕は特に心配はしてなかったから、変わらず笑顔で2人の会話を聞いてるけど。


「あっ。そうそう。あの子の話と言えば、目覚君が言ってたとおり付き合ってる設定にしないかとか言われたわ。断ったのに凄い縋り付いて気持ち悪かったのよねぇ。……危険性教えてくれておいてありがとう」

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