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17.お散歩でも問題ないよね?

放課後、クラスメイト達と共にボウリング場へ。


「よし!ストライク!」


「「おぉ~。すご~い」」


僕は安定して高得点を取れてる。具体的に言うと、3回に2回はスペアかストライクが取れてるね。それ以外の時でも8本まではいけてるし、順著だよ。


「あっ!曲がっちゃったぁ」


明里ちゃんはまだ慣れていないのか、球がまっすぐ転がらずにガーターになったり。

まっすぐ行くとストライクが取れるんだけどね。

で、その回転が掛かっちゃうのを直すのが前回は僕の役目だったんだけど。


「ほら。明里。こうして」


「こ、こう?」


「そうそう。そして、こう!だよ!」


「おぉ~。まっすぐ行ったぁ!ありがとう葵南!」


「いやいや。気にしないで」


今回は葵南ちゃんが担当してる。触れあえないから男子達がまた残念そうにして……いや、一部の男子は逆に興奮してるね。アレは葵南ちゃんが明里ちゃんに抱きついたときにも喜んでいた男子だ。百合好き男子だね。

で、そんな明里ちゃんへ指導してる葵南ちゃん。葵南ちゃんの成績はと言うと、


「ん~。ストライク!7連続!!」


「「すご~い」」


今のところ全てストライク。あまりにも差が凄すぎて、悔しいとも思えないよ。……僕も上手い方だと思ってたんだけどな~。

上には上がいるというのを改めて学んだよ。僕は僕にできる範囲でゆっくり成長していくことにしよう。


「私も負けな、あっ!線越えちゃった!?」


焦りは禁物だね。うん。

なんて思いながらボウリングは終了。圧倒的大差をつけて葵南ちゃんが1位で、僕が2位。その次に明里ちゃんだね。明里ちゃんの成績は前回より上がってきてて、このペースだと4回もしないうちに追い抜かれるんじゃないかと思う。

僕も練習すべきかと考えながら家に帰ると、


「あ、あのぉ~。目覚君」


「ん?どうしたの?」


「ご、ご褒美とか……貰えませんか?」


葵南ちゃんが上目遣いでそんなことを尋ねてきた。

くっ!精神的ダメージが大きい!誘惑に負けそうだよ!僕は葵南ちゃんと一線を越える気は無いというのに!一体何を要求するつもりなんだ!


「……何が欲しいの?」


「た、偶に出良いので一緒にお散歩に行って貰えませんか?私はペットなので、飼い主様と一緒にお散歩に行きたいなぁと想って」


お散歩。……お散歩?

とてつもなく予想外な要求が来たね。もっと羞恥心を感じたかったり痛みを感じたかったりするのかと思った。そういう扉が開いちゃってるのかと思ってたけど、まだそれを押さえ込める理性が残ってたんだね。まだ元に戻せるかもしれない!


「じゃあ、早速今から行く?」


「良いんですか!?お願いします!すぐに準備してきますね!!」


嬉しそうに頷く葵南ちゃん。そして、自分の部屋に走って行った。あっ。あと、出掛ける前にトイレも……おう。もう僕の前で服を脱ぐことに羞恥心はなくなったんだね。

……え?もうちょっと軽蔑した視線が欲しい?仕方ないなぁ。今日だけだからねぇ。


「んっ//ありがとうございます///」


もだえる葵南ちゃん。そして、それで準備は整ったみたい。並んで散歩しに行こうとしたんだけど、


「葵南ちゃん。首輪外し忘れてるよ」


葵南ちゃんは首輪をつけたまま。というか、わざわざ散歩行くのに帰宅後律儀に首輪つけてたんだね。真面目だねぇ。

と、思ったんだけど、


「分かってますよ。つけたまま行くんです。ペットの散歩ですから、ご主人様にリードを持ってもらわないと」


そう言って、首輪に着いたリートを僕に手渡してきた。どうやら、首輪をつけて散歩するつもりみたいだね。

……マズい。それはかなりマズいよ。葵南ちゃん、流石に近所の人たちから変な目で見られて、警察とか呼ばれかねないから。やめておこう

と、説得したんだけどこれになかなか難航。結果として


「はい。持って下さい」


「……うん」


葵南ちゃんの袖口から出るリード。

リードを服の中に隠すようにして、袖口から先端を出すようにしたの。それを握りつつ葵南ちゃんと手も握って、リードは隠すようにする。かなり苦肉の策だよ。

その状態で散歩をする僕たち。明里ちゃんはお留守番するってさ。もしバレたときに変態と一緒にされたくはないらしい。

歩いていると数人とすれ違うけど、誰も気にはしてない。葵南ちゃんの首輪とかは地味だから目立ちにくいのかな?


「普段はこんなことしたらダメだからね?こうやって散歩するときだけだよ」


「はい。分かってますよ~」


機嫌良さそうに頷く葵南ちゃん。そんなに首輪を着けた状態で散歩したかったのかな?もう僕には理解できないところまで葵南ちゃんは行ってしまったよ。

このまま散歩してもリードのことがあって気まずい気がしたから、僕は積極的に話をしていこうと思う。


「葵南ちゃんは、こっちの生活には慣れた?」


「はい。慣れましたよ。明里もいますし、やっと友達もできてきましたし……目覚君もいますし」


そう言って僕への距離を縮めてくる葵南ちゃん。ドキッとすることを言ってくるね。やめてほしいなぁ。

僕は雰囲気を変えるため、話をそらすことに。


「そう。なら良かったよ。勉強とかはどう?」


「勉強ですか?大抵の教科はついて行けていますよ。余裕があるくらいです。……でも、目覚君のことはまだまだ勉強中です。沢山教えて下さいね」


「……うん」


凄いアピールされてるぅぅぅ!!!葵南ちゃん、かなり積極的なんだけどぉぉ!!!主人公のこと思い出してよおおおぉぉぉ!!!

と、荒ぶる気持ちを頑張って押さえ込む。欲望を理性だけで抑え込むのは難しいから、他の欲求を利用するよ。ここで我慢すればご褒美がある、とかの形だね。もっと具体的に言えば、帰った後に明里ちゃんを……


「葵南ちゃんは好きな食べ物とかある?内容によってはお弁当のメニューとかに取り入れるけど」


「本当ですか?……今まで食べてきた中だと、カルボナーラが好きでしたね。でも、今は目覚君の作ってくれたものの方が美味しい気がします。目覚君の作ってくれたものなら全部好きですよ」


「そう」


くぅ~。何をやっても僕の精神に負荷をかけてくる!困るねぇ。

なんでここまでになったのやら。僕が今までやってきたことがあまり惚れさせるようなことではない気がするんだけど。やっぱり快楽と苦痛を交互に与えて精神的な負荷を与えたのがマズかったかな?あれ、強いストレスになるって聞いたことがあったんだけど。


「……葵南ちゃんは僕のことを勉強中って言ってたけど、僕のどういう所が知りたいの?」

「全部です」


即答された。手強いね葵南ちゃん。

葵南ちゃんは更に少し考えた表情になって、


「知りたいことが沢山あるので、質問させて下さい」


おぅ。そう来たか。

……でも、悪くないかもね。こっちが質問するよりもドキッとさせられることは少ないかも。


「どうぞ」


「では、質問させてもらいますね。目覚君は、どんな女の子が好きですか?」


直球できたね!?予想はできてたけどさ!


「どんな女の子……僕にお金があるからって、それを使って豪遊しない子かな。明らかにお金目当てだって分かる子は嫌かも」


「なるほど……」


納得した様子の葵南ちゃん。それから考え込んでるけど、僕はそんな様子を見ながら安堵する。

ちょっと攻めた質問だったけど、僕の心の平穏は維持できた。ドキドキさせられることはなかったよ。良かった良かった。


「あとは、他のこと仲良くできる子、かな。たぶん何人か女の子を囲うことになると思うから、仲良くできない子はちょっとね……」


「あっ。囲うのは決まってるんですね」

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