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12.おかしくなっても問題ない……よね?

「……おはよう」


「おはよぉ~」


朝。

僕がご飯を食べて仕事をしていると、明里ちゃんがまず起きてきた。僕は明里ちゃん用の朝ご飯を作り始める。そうしていると更に、


「お、おはようございます」


葵南ちゃんも起きてきた。まだ明里ちゃん用に作ってた料理は追加できる状態だから、葵南ちゃんのも一緒につくろうかな。

因みに昨日、葵南ちゃんには寝る場所がなかったから僕の部屋で寝てもらった。まさか明里ちゃんにも見せてない僕の部屋を見せる羽目になるとは思ってなかったよ。今日の買い物ではベッドも買わないとね。


「……さて、完成!明里ちゃんは先に食べておいて」


「はぁ~い」


明里ちゃんの席の周りに作った料理を並べていく。今日も良い感じに作れたんじゃないかな?

そしたら今度は、


「葵南ちゃんは服脱いで口開けて」


「は、はい」


昨日されたことを思い出したのか葵南ちゃんは少し顔を引きつらせるけど、素直に従って行動する。

あ、あれれ?もうちょっと嫌がるかと思ったんだけどな。本音を言えばここでもめて、大人しく神道家に帰ってもるあのが良かったんだけど。……ま、まあ、僕も焦りすぎたのかな?これから毎日続けてれば耐えられなくなるでしょ。

なんて考えてから数分後


「……けほけほっ!」


昨日と同じく咳き込む葵南ちゃん。でも、昨日とは違ってうつろな目で倒れてはいない。昨日よりは意思のある目で、床に座って僕を見上げている。

全裸で座ったまま口から液体を垂らすと、もうね。何かかなりヤバい構図に見えるよ。実際結構ハードなことをしてはいるんだけどさ。

暫く咳き込んでから口の周りの液体を拭った後、


「あ、あの。一旦失礼します」


葵南ちゃんは隣の部屋に移った。隣の部屋には、ペット用のトイレ、つまり葵南ちゃんのトイレがあるんだけど、


「んっ//あっ///」


「「…………」」


凄い声が聞こえてきた。僕と明里ちゃんは顔を見合わせ、理解できないという表情を浮かべる。あれだけひどいことやられて、そんな気分になるって言うの?


「葵南ちゃん、大丈夫かな?」


「わ、分かんない。もうストレスでおかしくなっちゃったのかも」


「え?やり過ぎちゃった?……確かにちょっとハードすぎるとは思うけど」


そんなことを話し合う僕たち。

大変だよ。葵南ちゃんが壊れちゃったよ。もう手に負えないよ。

なんて思ってると葵南ちゃんは戻ってきて、


「い、いただきます」


少し顔を赤くしながら、朝ご飯を食べ始めた。さっきの状態の天間で服を着てないんだけど、その格好で食べるの!?


「やめなさい!」


「きゃぅんっ!」


僕は急いでけって止める。

服を着ないのは個人の趣味だから止めないよ。僕の精神的に色々とマズいとK路はあるけど、そこは明里ちゃんに抑えてもらえば良い。

でも、でもね。


「そんな下半身汚い状態で床に膝をつかないでくれる!?汚れるじゃん!」


「え?……あっ。すみません」


隣の部屋で吹き出したものを拭いてないんだよねぇ。その状態で移動されたら汚れちゃうよ。匂いが残っちゃうじゃん。

キッチンの辺りとか親が来たときにも通るんだから、匂いで何かしてるのバレちゃうよ。


「拭いてきます」


「そうして」


葵南ちゃんは立ち上がってまた隣の部屋に。一応葵南ちゃんのトイレにもトイレットペーパーはつけてあげてるんだよ。

葵南ちゃんが体を拭いている間に、また僕と明里ちゃんは顔を合わせて、


「ねぇ。アレはかなりマズい気がするんだけど」


「そ、そうだよね。壊れたとしても、あそこまでいっちゃうものなのかな」


「さ、さぁ?私も壊れたことはないからなんとも言えないけど……流石に壊れすぎじゃない?あそこまでいくのはもっと時間がかかると思うんだけど」


長いストレスをかければあそこまで壊れるかもしれない。でも、僕が色々始めたのは昨日のことなんだよね。それにしては壊れすぎな気がするよ。

確かに神道家にいたときのストレスも考えると強いものだったかもしれないけど、それでも急にここまでになるのはおかしい。


「しかも、壊れたにしては言語能力がちゃんとしてるんだよね」


「あぁ。精神的に壊れるともっとうつろなめで言語能力が低下する印象はあるね。完全にイメージだけど」


もしかしたら間違ってるのかもしれないけど、ゲームでも小説でも壊れるとそうなりがちな気がする。「うぅ~」ってうめくだけとか、そんな感じで。

暫くすると葵南ちゃんは戻ってきて、朝ご飯を食べ始めた。暫くして食べ終わるから、そのタイミングを見計らって、


「そうそう。神道家に今朝電話してみたんだけど、葵南ちゃんの必要な書類とかはこっちに送って貰えることになったよ。あと、学校もこっちに通って良いって」


「本当ですか!?ありがとうございます目覚様!!」


頭を下げる葵南ちゃん。呂律(ろれつ)も回ってるし、やっぱり言語能力への影響は感じられない。精神が壊れたと判断するのは早計なのかな?

それはまたちゃんと病院で検査とか受けさせてから確認するとして、


「目覚様はやめてくれる?敬語は良いとして、学校で様付けされると面倒だから」


「あっ。はい。分かりました。……えぇと。小川さん、ですか?」


うぅん。さん付けかぁ。しかも名字。

あともう1歩、いや2歩欲しいかな。


「目覚君にして」


「名前に君付けですか!?……わ、分かりました。目覚君」


うん。良いね。これでOK……いや。待ってよ。なんで僕は最初から学校で話すつもりになってるのかな?明里ちゃんの時もそうだったけど、


「学校で僕にはできるだけ関わらないようにしてね」


「は、はい。分かりました」


少し残念そうな顔をする葵南ちゃん。結構僕に懐いてる?

……いや、ただ知り合いがいてくれた方が安心なだけかな?明里ちゃんもいるし、その辺はどうにしかして欲しいね。僕は囲まれて騒がれるのは嫌なんだよ。


「さて。伝える必要があることは伝えたし、2人は出掛ける準備でもしておいて。葵南ちゃん用の家具を見に行くよ」


「りょうか~い」

「はい。準備してきます!」

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