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女神を怒らせてはいけない

なぜ、こんなことになってしまったのだろう?

俺は今、生まれて2番の危機に瀕している。


「誰か助けてくれー!!」


そう、俺は今おぼれているからだ。

というのも、全てあの女神のせいだ。


~時は遡る~


俺、水鏡みかがみ 鏡夜きょうやは、どこにでもいそうでいない高校生だ。

なぜ、どこにでもいそうでいないかって?

それは簡単!

何故なら、死んでしまった拍子に異世界に連れて行ってくれるであろう女神の部屋にいるからだ!

そして、その女神というと、「私は、とある国で一番の美人です!!」なんて言われても驚かないくらいの美人!スタイルもいい!でもって、なぜか髪が金色に光っている。さすが異世界!


「いえ、死んで異世界に転生するのはよくあることですよ?今日、この部屋に来たのはあなたが2人目です。」


よくあることなのか。

そんなことより


「いや、心読まないでくださいよ!」


心を読むなんて人権の損害だ!訴えてやる!

あ、訴える場所がないか......


「ちょっと黙っていてくれます?普通にうるさいです。」


いやいや、人の心を勝手に読んでいるのはあなたでしょ!


「読まれるような心をしているから悪いんですよ。」


いや、暴論すぎるだろ。

読まれるような心ってなんだ?

読まれるような心って。

などと考えていると


「本当にうるさいので黙っていてください。」


と言い放ち、一呼吸おいてこういった。


「では、本題に入ります。最初の質問です。あなたの死因は何ですか?」


と女神は言ってきた。

転生するときには、やっぱり死因を聞かれるのか。

が、死因なんて言いたくないだろ、普通。

ってことで黙ることにした。

すると


「黙ってもいいですよ。心を読むので。」


え、やっぱりそれずるいだろ。

一応、俺にも黙秘権があるんだぞ。

と言っている俺を無視して女神は言った。


「で、今回のあなたの死因は......!?」


そう言ってから、しばらく無言になり俺を憐れむような目で見てきた。


「いや、何か言ってくださいよ!!」


確かに、俺が死んだ理由はとてつもなくダサい。ラノベ特有の誰か「助けて死にましたー」みたいなものではない。だからといって、ここまで、憐れむ目を向けなくてもいいじゃないか。


「どうして、泳げもしないのに水深5mほどの海にいって泳ごうとしたんですか?普通に溺死してるじゃないですか。誰かに誘われたとかならまだわかりますけど、ボッチじゃないですか。」


「泳げなくても泳ぎたかったんだよチクショウ。あと、ボッチじゃない1人だ。これ最重要事項!」


「そうですか。ボッチと1人って何も変わらない気がしますが......」


「ボッチとは、友達が欲しくても友達がいないような奴らだ。しかし!1人とは友達がいるが、進んで1人になりに行くやつだ!」


と、言い放つと、


「じゃあ、あなたは友達がいるんですか。」


......いない。

けど、友達いないなんてこの女神に絶対言いたくないな。


「友達いないんですか。」


そうだ、この女神人の心読めるんだった!

と思った時にはもう遅い。


「友達いないのに何であんな嘘つくんですか。やっぱり1人じゃなくてボッチじゃないですか。虚勢張っても虚しくなるだけですよ。」


散々な言われようだ。

何もここまで言わなくてもいいじゃないか。

そして売り言葉に買い言葉という感じで、


「女神さまは友達がとても多いんでしょうね~?」


と怒りながら言ってやった。

そしたら何故か顔を赤く染めて俯いた。

この反応はもしかして……


「もしかして女神さまも友達いないんですか?」


そしたら女神は急にビクッッ!!と肩を揺らし、こう言った。


「いないからなんですか!友達なんていてもいなくてもいいじゃないですか!そもそも女神の世界では人口が少ないんですよ!あなたが住んでいた世界と同じにしないでくれます!?言っていいことと悪いことがありますよ!!」


と急に怒りはじめた。

いや、先に行ってきたのそっちじゃないか。

などと突っ込んでいると......

急に女神が怒った声でこう言った。


「私たち女神には、転生者が来た時に、転生するならどの世界がいいか?あなたはどの能力が欲しいか?などを聞き出し、話し合って決めさせて望みどおりにさせる能力を持っています!しかし!今回は私の権限ですべて無しにします!!すべて私が決めます!」


と、とんでもないことを言い始めた。

いや、普通、友達がいるのか聞いただけで、ここまでひどいことになるのか?

と考えながらこう言った。


「いや、それはさすがにひどくないですか!俺の人生が左右されるんですよ!!そして強い能力が欲しい!!」


しかし女神はそんな俺を無視してこう言った。


「場所は○○○○の海!またおぼれて死ぬがいい!!そして能力は......あなたの苗字でいいか。能力は絶対に強くなくてはならない、と決まっていますし......」


とか、いろいろやばいことを言っていた。

というか、適当すぎるだろ。

けど俺の能力は水鏡か。

意外と強そうだ


「一応言いますけど転生者の能力の中では間違いなく弱い方ですよ。」


え、この能力弱いの!?

そんなことを考えていると


「本当はあなたが行く世界の説明などをしなければならないのですが、あなたには1秒でも早くどっか行って欲しいので全部なしです!ってことでこれより転生します。さようなら~。」


と言われて次の瞬間には海に投げ込まれていた。

そして現在に至る。

こんな感じでスタートダッシュ最悪の第二の人生が始まった。


「誰かー!!!!」


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