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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

無自覚執行!?光源氏計画?〜年下嫁と過ごす異世界チートスローライフ〜

作者: 花河相

最後まで読んでいただけたら幸いです。

「アラタさん?約束……忘れてないですよね?」


 俺は今恐怖している。

 ハイライトが消えている超絶美少女を目の前に。

 どうしてこうなった?

 俺は……自覚していなかった。

 無自覚に、ただの子供戯言だと思い適当に接していた。

 こうなるくらいならちゃんと接するんだった。 

 後悔してももう遅いが……。



ーーーーーーー




 きっかけは些細な出来事であった。

 些細という割には少し大事であったが、チートをもらって転生した俺にはそう感じなかった。


「ひひひ、上品な子供じゃないか……売ったら高値に……ひひひひ」

「いや……やめてぇ」


 俺が転生して一週間が経ち、生活にも少し慣れた頃、この出来事は起こった。

 俺はいつも通り、簡単な依頼をこなして帰還している最中に居合わせてしまった。

 馬車が盗賊に襲われている現場に。


「おい」

「あん?」


 正義感故か、目の前の光景を見過ごすことはできなかった。

 人として、力あるものとして、解決しなければならない。

 そう思ったのだ。

 

「なんだ兄ちゃん?」

「殺されてぇのか?あん!」

「おい、こいついいもん持ってんじゃねぇか。俺たち運がいいな!」


 モブ盗賊どもが俺を見るなりそう言ってきた。

 本当にテンプレだな。

 俺はそう思いつつ目の前の現状を確認しながら歩き進む。

 特に目立った破損のない馬車、倒れている鎧を着ている数名、七歳くらいの泣き震えている少女とその少女を守るように抱いているメイドの女性。


 うん、本当にテンプレだ。

 俺は状況確認をし、何をしなければいけないのか把握。

 とりあえずモブ盗賊どもを倒すことから始める。

 ま、その前にやることがあるが……。


「おい……今やっていることをやめて素直に投降するなら命までは奪わない。武器を捨てるんだ」

「何言ってんだてめ?死にてぇのか?」

「ひゃひゃひゃ、殺せ殺せ」

「ボス、こいつ殺しましょうや」

「もういい、やれ」


 俺は無駄な殺生はしたくないなぁ、と思い無駄とわかっていながらも忠告をした……意味はなかったが。

 

「もういいや」

「何を言って……」


 俺は土魔法を使い、小さい銃弾を作成し、ボスと言われた人間以外の頭を撃ち抜く。


「何!?どうしたんだ!……グ、空気が」


 頭を撃ち抜かれたモブ盗賊どもは即死。

 盗賊のボスは慌てて、近くの死んだ手下に近寄り声をかける。

 俺はそんな盗賊のボスを気にせず、風魔法を使い、酸素を奪い気絶させる。

 そして、盗賊のボスが完全に気を失うのを確認して持っていた縄で縛り上げた。

 そして、雑魚盗賊の遺体処理のため、火魔法を使って焼き始めた。


「……何者だ?」

「うん?」

 

 俺が遺体処理をしていると、先程襲われていた女性が話しかけてきた。

 おっと忘れていた。

 とりあえず警戒を解かなければ。


「すまない。大事だと思い、勝手ながら助太刀をした。怪しいものではない。ただの冒険者のアラタという。……ほらこれが冒険者証だ。確認してくれ」

「……いいだろう」


 俺はそう言いながら持っていた冒険者証女性に向かいを投げる。

 俺に警戒はしていたものの、俺が盗賊を倒したことで、あくまでも敵ではない、そう認識してか不明だが、言われるがままに冒険者証を確認した。


「……すまない。襲われたばかりで疑心暗鬼になっていた。アラタ殿、助けてくださりありがとうございます。私はニンと申します」

「いえ、人として当然のことをしたまでです。よろしくお願いします。ニンさん」


 女性……ニンと名乗った女性はそう言いながら握手をしてきた。

 俺はその手を取り、その後少しだけ話した。

 どうも、帰還中に盗賊に襲われてしまい、応戦はしたものの人数差に負けてしまい、ピンチになってしまっただとか。

 その際に偶々居合わせた俺が助けたと。

 

「あ……あの?」


 ふと、俺とニンさんが話し終わったタイミングで話しかけてきた少女がいた。

 上質な服装を着込み、金色の透き通るような綺麗な髪を肩で切り揃えられている、将来は絶世の美女になると思われる可愛らしい少女だった。


「えっと?君は……」

「失礼した。アラタ殿、紹介しよう。スローラフ伯爵家の三女、ラウラ様だ」

「はじめまして……ラウラ=スローラフともうします」


 ニンさんに紹介されて、幼いながらも未熟ではあるが、精一杯のカーテシーをしながら自己紹介をした少女ラウラ。


「初めまして、俺は冒険者のアラタ。無事でよかった」

「……」


 俺はラウラに笑顔でそう言う。

 そしたら、何故かラウラは顔を真っ赤にし俯いてしまった。


「はぁーー」


 ニンさんがその光景を見てため息をしたのだった。


 これが俺と嫁の出会いであった。





ーーーーーーーー



 盗賊の一件依頼、ラウラは暇さえあればニンとともに俺の元へ訪れてきた。

 自分の屋敷から俺の家まではそこまで距離はなく、二時間で往復できる距離であったためだ。

 そこからラウラが十二歳までの五年ほど続いた。


「アラタさんはどのような女性がお好きですか?」

「完璧の女性かな?

「髪型は?」

「腰まで長いロングヘア」

「む……む、胸は?」

「巨乳」

「好みの性格は?」

「優しい一途の人かなぁ。あと、料理が上手で家庭的な人!」



 こんなやりとりをするようになった。

 俺は面倒くさかったため、ラウラの質問を適当に流した。まぉ、来るたびに優しく接してはいたが……。

 ニンさんからも「出来るだけ嫌われるようにしてください」と言われているため、最低男だと思うように俺の願望丸出して質問に答えた。

 そして


「わ……わかりました」


 十二歳になったラウラは最後にそう言った。

 その後はラウラは一切俺のところに来なくなった。

 やっと終わったな。

 俺とラウラの日常はそれで幕を閉じた。


 そう思っていた。

 


 思っていたのだ。

 それから七年後のあの日が来るまでは。




 そして冒頭に戻る。


「お久しぶりですね。……アラタさん」


 俺はいつも通りスローライフを過ごしていた。

 が、突然俺の家に俺好みのドレスを着込んだ絶世の美女が現れた。

 そんな彼女に


「え?……誰?」


 そう質問する。

 

「お忘れですか?私ですよ……ラウラ=スローラフです。十年前の約束のため、参りました。これからよろしくお願いします」


 そう言った彼女は花咲き誇る笑顔でそう言ってきた。

 だが、俺は理解できなかった。

 約束?なんのことだ?

 全く身に覚えがない。

 俺はとりあえず、目の前の成長したラウラに質問をする。


「約束?なんのことだよ」


 その言動が間違っていた。

 十年ほど前、純粋すぎる彼女の質問、行動を適当に流していた行動が間違っていた。

 どうして俺はこんなことをしてしまったのだろう?

 もうその自問自答は既に遅かったのだが……。


「アラタさん?まさか……忘れたわけではありませんよね?……約束したじゃないですか……結婚の約束」

「え?なんのこと?」


 俺がそう言った瞬間ラウラは豹変した。

 さっきまでは満面の笑顔であったが、目のハイライトは消え、急に真顔になる。

 そして、魔力が放出していた。


「ひ!」

「アラタさん……どういうことですか?」


 俺は彼女の反応に恐怖した。

 チート能力、Sランクの冒険者の実力を持っているのに恐怖した。


「まって!本当になんのこと?」

「そうですか……そこまでシラを着る気ですか?」


 ラウラは持ってきていたバックから何か、水晶のようなものを取り出して、魔力を込める。

 すると十年ほど前、初めて会った時の俺とラウラの会話の音声が聞こえてきた。


『あの……アラタさん。わたしとその、しょ…しょうらい、およめさんにしてくれますか?」

『ん、結婚?じゃーラウラちゃんが二十歳になってそれでもまだそう思ってくれているなら、いいよー』

『ほ、ほんとうですか!』

『うん。いいよー。あ、そうそうもう時間だし帰ったら?俺これから町外れのホワイトウルフ倒さなくちゃいけなくて』

『わすれないでくださいね!やくそく』

『大丈夫だって!俺約束守るし。じゃー気をつけて帰ってねー』

『はい!わたし、アラタさんにふさらしいおよめさんになれるようにがんばりますね』

『ういー。りょーかい。頑張ってー』


 俺はその音声を聞いた瞬間冷や汗をかいた。

 一応そんな会話したっけなーみたいな記憶はある。

 でも、まさか録音しているとは思わなかった。

 

「約束……しました。証拠もあります」


 そう言ったラウラはドス黒い声をしていて、子供の頃、純粋であった面影はなかった。

 でも、俺は抗うことにした。

 貴族との身分差の結婚だなんてやったら色々面倒くさそうだからだ。

 が、それを言う前にラウラが俺の逃げ道を塞ぐように話し始める。


「お父様からの許可は取ってあります。それどころか祝福してくれています。あと……アラタさんの身の周りに結婚したという話を広めておきました。もしも、結婚してくれないのであれば、アラタさんがこの国で生活できないくらいの噂、有る事無い事の情報を流す準備は整ってあります。また……国外に出ようとしても無駄ですよ?私、実は国外にも友人多いんです。その意味……わかりますよね?」

「……」


 もう完全に手遅れであった。

 この申し出を受けなければ俺は人の生活を送れなくなる。

 俺はいつの間にか、無意識のうちにやらかしてしまったらしい。

 そして、思っていた以上にラウラは優秀すぎた。  

 そして、純粋すぎるが故に初恋を拗らせヤンデレヒロインとなってしまったらしい。


「幸せにするよ……ラウラ」

「はい!よろしくお願いしますね、アラタさん」


 俺がそう言うと、一瞬でラウラは最初の満面な笑みに戻ったのだった。




 これから始める十五歳以上も歳が離れている嫁との新婚生活。

 これからどうなるのだろう?

 波乱の予感しかしない。

 それはどうなるのか、過ごしてみないとわからない。

 






読んでいただきありがとうございます。



次の連載をどうしようか考えていて、この物語の連載版が読んでみたいと少しでも思って頂けましたら差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


ポイントはモチベーションになります。


よろしくお願いいたします。





ーーーーーーー


他にも短編を投稿しています。

興味がありましたらお願いします。


https://ncode.syosetu.com/n5761ho/

「童貞、異世界へ転生する〜神様の手違いから始まる夢の異世界転生、苦労ライフ〜」↑


https://ncode.syosetu.com/n5763ho/

「実は僕……耳がすごくいいんです〜乙女ゲームで「無愛想」と言われ最も嫌われていた悪役令嬢。だが、そんな彼女の素が可愛すぎるのは僕だけしか知らない。」↑



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