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第1話 いにしえの話



 遠い昔。

 はるか昔に、邪神と戦って力尽きた女神がいた。


 けれど、邪神は死の間際に己の分身を世界のどこかに放っていたため、女神は安心して眠りにつくことができなかった。


 だから女神は、己の分身を放つことにした。


 その力がいつか、邪神の抑止力になる事を願いながら。


 やがて月日が流れて、その力はとある男女の体に流れ着いた。


 女神の力は、心優しい貴族の男性に。


 邪神の力は、家族思いの貴族令嬢に。


 二人はやがて、出会う事になる。


 運命に導かれるようにして。



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