秋の夜長の夢の景色
昨日の景色がどれほど綺麗に
夜の胸に木霊して
溢れた涙に消えてくれなくて
明るい空が逆さまになって 暗闇に抱かれて
煌めく無数の星たちが 眠りに付くのを見守っている
私だけが虚しいようで
懐かしい思い出に縋りつきたくて
何度振り向いても 掴めない昨日の扉
曖昧な程 拭えない不安と
期待が綯い交ぜになった 私と
君へと繋ぐ 扉を開けたなら
誘われる 微睡みに身を任せて
恋心が見せる虚構の世界
せめて夢の中では 身勝手でいさせて
醒めてしまわないでと怯えながら 私は笑う
広がっていく 虚ろう夢路
月が照らす 地平線の彼方へ
秋の夜長 揺蕩う旋律
円舞曲を踊る私の手を取って 君は嗤う
現実の君は、私を嘲笑ってもくれない。
その目に、映ることすらない。