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オタクちゃんとのみ


オタクちゃんはのみをふるって

世界を抉り 空に刻む

いつか形のない朝に

届けばいいと祈りを込めて




夕焼けとゴールデンゴージャスZ


 二人は海辺で散歩をした。海は夕陽で金色に染まっていた。人類が暴れようが、悲しもうが、諦めようが、海は関係なく光を反射して輝いていた。二人はいたく感じ入ったのか、ただそれを眺め続けた。

「ゴールデンゴージャスZと名付けよう」

 オタクちゃんは呟いた。

「台無し!」

 どっぺるげんがぁは叫んだ。




嘘と死


「明日、隕石が落ちてくるらしいよ」

 どっぺるげんがぁは言った。

「嘘だぁ」

 オタクちゃんは疑った。

「なんで疑うの?」

「だって、振ってくるわけない!」

「じゃあ振ってこなかったら私のこと殺していいよ!」

「じゃあ振ってきたら私のこと殺していいよ!」

「あれ?」

「あれ?」




オタクちゃんと眠り


「眠い!」

 オタクちゃんは寝た。




オタクちゃんとレコード


妄想 ひゅうひゅう

めくれ上がるページ コーラの瓶

鴉 鳥居の赤 揺れるカーテン


騒々しい窓外の

空の嗚咽 第八世界

初体験 物語全集


暁 茜 廻る空 記憶

死体 焼けたレールと腐臭


花火の滴 見上げる眼

夢 青い夏の夜祭


言葉 時刻 何気ない日々

雨に濡れる街路 モノクローム

錆びた心 自壊する世界

部屋に寝転んで流す古いレコード

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