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39.【ライバル】 改

今日はお話のきりが良いところで終わらせる為に、普段よりかなり短いです。

ご了承ください。

 僕は今、機嫌が悪い。ユイの目の前に座るレオ・クラネルと言う男のことが、兎に角気に入らない。


 卵の中にいる時から感じていた、この男のユイに対する特別な感情。僕がユイを思う気持ちとは違う好意を、この男から感じた時、彼女をこの男に取られたくないと思った。


 ユイの側で感じる、温かで柔らかく幸せな時間を、この男に奪われるような気がしたからだ。


 だけど最近ユイもこの男に、特別な感情を持ち始めていることに僕は気が付いた。


 僕はユイと頭の中だけで会話する事が出来るが、彼女が僕に話しかけてきた時その言葉が届くだけで、勝手にユイの頭の中を覗けるわけじゃない。


 だけど、分かってしまったんだ。ユイがこの男と会った時、側に来た時、目を合わせた時、会話をした時、他の人の時とは違う鼓動を感じる。


 いつも穏やかな彼女の鼓動が、この男の前でだけ少し楽しそうに弾む。ユイの幸せそうな心の波動が勝手に僕にも流れてくる。楽しそうで嬉しそうで幸せそうなユイ。


 ユイが幸せなのは僕も嬉しいはずなのに、この男によって(もたら)された幸せだと思うと、イライラする。


 僕はこの男を認めない。僕からユイを奪おうとするこの男を認められない。だから僕は言ったんだ『僕と同じくらい強い男じゃなきゃ認めない』と。


 それなのにこの男は、次期竜王となるであろう僕に挑んできた。殺気を込める程ではないが、人には耐え難いであろう威圧。それをこの男にだけ向けたのだが、恐れるどころか目を逸らすことなく、僕に対して微笑んできた。思ったよりは骨がありそうな奴だ。


 僕のライバルになりたいのなら、それくらいじゃなきゃ面白くない。




 


「ノア、どうしたの? もしかして機嫌悪い?」

 僕の顔を覗き込み心配そうにするユイに『目の前に座っている男に伝えて。負けないよって』と伝言を頼んだ。


「レオさんに? 前にも言ってたけど、どう言う意味?」

『そう言えば、その男には分かるから』


 納得がいかない様子のままのユイが、男に僕の言葉を伝えると「竜太子様、光栄です。私も負けるつもりはありませんよ」と返してきやがった。


 望むところだ。受けて立つ!





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