歪んだクラスメイト
初投稿となります。
よろしくお願いします。
冬独特の、乾いていて、刺すような冷たさに満ちた日だった。
陰鬱な気持ちで学校へ行き、暖房のあまり効いていない教室に入る。ぱらぱらと他の生徒が登校し、教室が騒がしくなっていく。
いつも通りの朝。
チャイムが鳴ったが、担任がなかなか教室にこない。そういえば今日はあいつ来てないんだなと何気なく思ったちょうどその時、担任が副担任と共に教室に入ってきた。なにやら二人とも真剣な顔をしているように見える。
妙な空気に喉が痺れるのを感じた。
「・・・・・・お前らに、今から大事な話をするから、私語はやめなさい。」
少しざわついていた教室がシュンと静寂に包まれる。全員が何事かと言葉を待つ。
担任は苦しそうに息を吸って言った。
「・・・・・・落ち着いて聞いてほしい。昨夜、うちのクラスの赤井が自室で亡くなっているのがご家族に発見された。」
皆は一瞬固まったが、すぐに友達と目を合わせぼそぼそと何かを話し合う者や、そのまままったく身動きしない者など、様々だった。僕はそんなクラスの様子を観察した。
なんにしろ、取り乱すようなやつはいなかった。みんな、落ち着いていた。
担任は私語をする生徒を特に咎めることはせず、静かに続けた。
「昨日の赤井の様子でおかしかった所とか、何か心当たりのあるやつは、後ででもいいから先生に教えてくれ。みんなも急にこんな事があってショックだと思うが、よろしく頼む。」
ホームルームの後、すぐに全校集会が開かれたが、校長が何かありきたりなセリフをつらつらと並べているだけで、何を話していたのか頭に入ってこなかった。
そのうち、休み時間になった。普通ならきっと、各々が違った反応をするだろう。
友達と話したり、打ちひしがれる者もいるかもしれない。しかし、このクラスはほとんど全員が同じことをした。
どこか薄暗い雰囲気の中、一人一人がクラスメイト全員を、見張っていた。
なぜそんなことをしているのか、答えは単純。全員に心当たりがあって、教師に話に行くやつがいないか見張っているのだ。
その光景は、傍から見れば異常だと感じるかもしれないけど、僕らはその時気づかなかった。
僕らのクラスは消極的だったやつもいたとはいえ、全員が亡くなった彼女に何かしらの嫌がらせをしていた。
いわゆる「いじめ」をしていたのだ。
最初ということで短めにしました。
続けて書いていこうと思います。