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詩花

詩花 春の始めの一歩

作者: 葵 冬弥

せーんぱいっ


いつもと違う


呼び慣れない呼び方


なのにあなたは迷いなく反応する


きっともう呼ばれなれてるから


周りからはあの先輩かっこいいと


囁く声が聞こえる


チクッと心がざわめく


ただ、呼んだのが私だと気づいて


少し戸惑ったのはちょっと嬉しい


せっかくこの日のために


練習してきたのだから


写真を前にして先輩と言ってる姿は


誰にも見せられたものじゃないけど


私のところまで歩み寄ってきて


お祝いの言葉を口にする


それがくすぐったくて


思わず照れてしまう


ありがとう、お兄ちゃん


あ―――


しまったと思っときには遅かった


しばらく2人の間の時が止まる


あ、あのね、ちょっと間違えただけだよ、おにい――むぐぐ


失敗を重ねそうになった時に口を手で塞がれた


お兄ちゃんの匂いが凄く近くてドキッと心臓が跳ねた


周りに苦笑いで誤魔化すその姿を見上げて


少しの申し訳なさ


少しの優越感


ふふん、と鼻を鳴らしたら


擽ったいと、手が離れてしまった


少しの名残惜しさ


少しの残り香


さてさて


これでライバルはどれくらい減ったかな

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