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背丈

 この学校に性転換して入って早半月、ようやくこの学校に慣れてきた。

といっても相変わらず周りが女の子のこの環境には違和感しかない。

何せ元々女の子と会話のしたことなかった日々、この環境はいささか刺激的です。

まぁ、みんな元男の子なんだけど。


 そして授業が終わってからも心が安まりません。

僕は女子寮に帰らなくてはいけません。

そうです、女の子ばかりの環境はまだ続くのです。

そして僕の部屋にも女の子がいます。

いわゆる相部屋です。

僕のルームメイトは井瀬木いせぎ 花梨かりんさん、僕のクラスの委員長さんです。

クラスと言っても1学年1クラスしかありませんが。

僕は寮の部屋に帰ると委員長さんとある儀式をします。

それは女の子になるための精神的な儀式だと委員長は言います。

この儀式のことは詳しくは次回お話ししようと思います。

正直、この儀式は僕にとっては苦痛でしかありませんが。


 さて、今日も授業が終わり寮に帰ってきました。

部屋に戻ると僕はワンピースに着替えます。

お医者さんの指導で1年間はズボンを履けません。

本当はズボンがいいのですけど、そこで僕がいろいろと試行錯誤し行き着いたのがワンピースです。

とにかく面倒くさがりの僕にはぴったりの服です。

部屋着には青系で無地のワンピースをよく着ます。

最近では青の補色であるオレンジ系の無地のワンピースにも興味があります。

とにかく無地がいいです。

レースとか花柄とかフリルとかはまだ苦手、そして赤系もダメです。

とにかくワンピースといえども女の子っぽくないものがいいです。


 そして、ワンピースに着替えるといつもの儀式が始まります。

ところが今日は違いました。

委員長は

「いつも同じことをしていると飽きるでしょう。

今日は違うことをしましょう」

と言い出した。

僕がキョトンとしていると委員長は

「じゃぁ、私たちの身の上話をしましょうか。

私とまゆが幼なじみなのは前に話したわよね。

私たちは中学1年生の時、つまり今から3年前に性転換したの。

私は性転換したことをとても喜んだんだけど、まゆはとても戸惑っていてね。

何せまゆは当時から女性恐怖症だったから。

自分が1番苦手なモノになったんだから戸惑うのは当然ね。

それからまゆは部屋に閉じこもってしまい全く出ようとしなかったの。

もちろん、その間も女の子としての成長は止まらない。

まゆは本当に心を病んでしまったの。

立ち直ることが出来たのは半年後、そして私たちの学校にまゆが来たの。

まゆは今でも人見知りが激しいけど昔はもっと凄かったのよ。

でもあなたに出会えて変わるきっかけが出来たみたい

だからあなたにはとっても感謝しているの」

話を聞いているとなんかこそばゆくなってきた。


 委員長は続けてこんなことを言い出した。

「あなたは性転換前は身長はどのくらいだったの?」

僕は

「今とかわらず130センチぐらい。

この身長がコンプレックス。

だって、女子としても低すぎるだろ」

と僕は答えた。

委員長は

「私は性転換前は身長は160センチぐらい、性転換してだいたい150センチぐらいになったわ。

性転換して10センチぐらい身長が下がった計算ね。

普通は性転換すると身長は下がるのだけどね、まぁ全員が身長が下がる訳じゃないしあなたは元々低かったからかも。

男子と女子の身長の差は骨盤の差でもあるの。

女子は男子に比べ骨盤が横に広がっている。

骨盤そのものの大きさは変わらないからそれだけで自然と数センチは下がる仕組み。

でもまゆは科学的に不思議なことが起きてね。

信じられないかも知れないけどまゆは性転換前は190センチの高身長だったの。

その高身長も女子にモテる要因だったのだけど、まゆは本当にモテててファンクラブも存在していたほどよ。

羨ましいぐらいに。

あぁ、言っておくけど私も恋愛対象は女の子だからね。

まぁ、いろいろとあって逆に女性恐怖症になったのだけど。

まぁ、それはおいといてまゆが半年間引きこもっていたと話したわね。

その間、まゆは誰とも会わなかったの。

私も変に刺激するよりは放っておこうと思ったの。

だから半年間は会わなかった。

でも半年後に目にしたまゆはかなり変わっていた。

女の子になっていたのはもちろんなんだけど身長が50センチ減っていた。

私が部屋を訪ねた時、小学生の妹さんが遊びに来ていたのかと勘違いしたほど。

でも驚いたがまゆの第一声。

会うなり私に向かって「ずいぶん会わない間に背が伸びたわね」

声も仕草も女の子そのものになっていたんだけど背が低くなっていることには自覚していなかった。

私は「いやいや、あなたがかなり小さくなっているんだけど」と答えると

まゆは慌てて現状を認識したほど。

あのときの出来事は一生忘れないと思うわ」

委員長は凄い経験をしているのだなと僕は思った。

いや、まゆちゃんのほうか。


 これからたまに委員長の身の上話を聞くことになるようです。

しかし、僕も大変な思いで生活しているがまゆちゃんも大変な思いをしていたのかと改めて思って。

そして僕がまゆちゃんと恋人なんだなと言うことを改めて思い、彼女を支えていこうと強く思った。



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