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幼なじみ

 僕が入学(編入)してから一週間が経つ。

女の子しかいない学校はなんとも居心地が悪い。

自分も女子の制服を着ているので何か女子校に潜入しているような罪悪感に囚われる。

もちろん体も女性なのだが。

しかし、このクラスの生徒全員が元男の子とは未だに信じられない。

みんなかわいいから。

そして僕はこの一週間、委員長(井瀬木いせぎ 花梨かりん)以外の誰とも話せなかった。

元々、僕は女の子とつきあったこともなければ話したこともない。

みんな元男の子だからと言ってもかなりかわいいからハードルが高い。

それに声も普通の女の子の声だ。

だからこの一週間僕は委員長以外誰とも話せずにいた。


 一週間、誰にも委員長以外話しかけられもしなかったからクラスをよく観察できた。

そうしたら僕と同じような人を1人見つけることが出来た。

その娘も僕と同じぼっちだ。

僕と同じように委員長とだけ話をしている。

しかも委員長も楽しそうだ。

僕は委員長にその娘のことを聞いてみた。

「あ〜、あの娘が気になるんだ。

あの娘の名前は二子ふたご 妹夕まゆ、私の幼なじみなの。

性転換時期も重なっていて私が中1の5月、彼女が1ヶ月後の6月。

彼女もあなたに興味があるみたいだからぼっち同士話し合ってみたら」


 そう言われて僕は彼女のいる場所に向かった。

彼女はそこに何をするでもなくボーッと座っていた。

彼女はとてもかわいい人ではっきりいって僕のタイプだ。

彼女は僕が来たのにに気づき

「あなたが噂の転校(編入)生ね。

花梨かりんから聞いている。

でもね、私は花梨かりんとしか話が出来ないの。

ごめんなさいね」

何も話していないのにけんもほろろに断られてしまった。

僕はこれでは頑張ってきた意味が無いと思い、思い切って自己紹介をしてみた。

「僕の名前は鹿田しかた 雪羽ゆきは

まだ女の子になって日が浅いけど一生懸命頑張ります」

彼女は

「何、その挨拶。

面白い人ね。」

と言って笑った。

その笑顔もかなりかわいかった。

彼女は続けて

「あなたはどういう趣味を持っているの?」

と聞いてきた。

お互いあまりは会話が得意じゃないのかまるでお見合いのようなやりとりだ。

僕は

「趣味はプラモやジオラマ作り、テレビゲームではアクションゲームやスポーツゲームが得意です。

マンガも少年マンガが大好きです。

女性向けのゲームやマンガ少し苦手です。

少し挑戦したりはしているんですけどなかなかむずがゆくて結局少しやっては放置です」

と答えた。

彼女は

「なにそれ。

軍隊じゃないんだからかしこまらないで。

普通に話してくれるだけでいいから」

と話した。

続けて彼女は

「本当に面白い人。

そして中身はまだ男の子なのね。

いいわ、あなたのことが気に入ったから私のことを少しだけ話してあげる。

私は女性恐怖症なの。

それもかなりのね。

この学校は元男の子が多いんだけどそれでも女の子として生活しているから私には苦手な人たち。

(性転換)前はこんなんじゃなかったんだけどね。

(性転換)前は私、結構モテたのよ。

いろんな女の子から告白されたわ。

でもその時は恋愛に興味が無かったから全員断ったわ。

そうしたら自分が1番だという女の子が複数現れてね、その女の子たちが見にくい足の引っ張り合いをしたの。

密告から始まり最後は私の前で大げんか。

言っておくけど私はその女の子の誰ともつきあっていないからね。

そう言う修羅場を経験してから女の子が怖くなっちゃて。

極度の女性恐怖症になっちゃたの。

でもそれには例外があって、なぜか年上の先生だったり幼なじみの委員長だったりは平気なの。

つまり同年代の女の子だけが苦手なの。

どうにか克服しなきゃいけないんだけど。

だからクラスで話せるのは委員長と担任の先生ぐらい。

言っておくけど性転換した時もかなりショックだったんだからね。

1番嫌いな女性の体になったんだもの。

半年間ぐらい落ち込んだわ。

でも今の体を受け入れたの。

女性として生きていくことに。

ただ同性(女性)と話すことにはまだ抵抗がある。

そうだ、決めた!!

あなた、私とつきあいなさい。

見た目タイプだし、中身は女の子に染まってないし。

言っておくけど女性が苦手だと言ったけど女性が恋愛対象外という訳ではないの。

ていうか、男の子とつきあいたいとも思わないしね。

言い方が悪いけどあなたみたいな中途半端が私は1番好きなの」

彼女は今まで人と話せなかったせいか長々と一気に僕に話しかけてくれた。

そこに委員長が来てこう言った。

雪羽ゆきはは今まで女の子と話したこともないんだって。

そして妹夕まゆは極度に女性が苦手。

つまり2人とも女性が苦手。

でも女性として生きて行くにはそれでは困るの。

2人がつきあうことには賛成だわ。

おめでとう、そして2人で女性に慣れなさい。」

まるでつきあうことが決定したかのような口ぶりだ。

もちろん僕も異論は無いのだが


 委員長は

「それにしても面白いカップルね。

実はこの学校では女の子同士のカップルも珍しくないんだけど。

2人ともロリっ娘、まるで小学生の姉妹ね。

妹夕まゆがお姉さんで雪羽ゆきはが妹で私が高校生のお姉さん。

お互いに女の子が苦手なのを克服しましょうね」


 1回も彼女が出来なかった僕に性転換して生まれて初めて彼女が出来ました。

今は彼女が出来た喜びで一杯です。




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