入学式(ルームメイト)
入学式当日、僕はそれに臨んだ。
初めて着る女子の制服、はっきりいってかなり恥ずかしい。
このスカートって奴にも慣れない。
ヒラヒラして、すぐに下着が見えそうな構造。
そういえば僕を診てくれた医者の先生がスカートをはくことで女の子らしい清楚な振る舞いが出来るようになると言っていた。
これも1つの訓練だとも。
性転換して1ヶ月足らず。
まだこの(女の子の)体に慣れない。
僕の通う学校は生徒全員が性転換者らしい。
つまり僕の目の前にいる女子高生たちはみんな元男の子。
正直信じられない。
僕の目の前を通る美少女たちがみんな元男の子だなんて。
そして僕は高校1年生ながら編入生という扱いになるらしい。
だから今日は正式には入学式ではなく始業式ということになる。
少しこのことを説明しなければならない。
まず、後天性の性転換はそう多くはない。
しかもいつ性転換するのか分からないのだ。
中には後天性の性転換者だと診断されても一生性転換しない人もいる。
大人になってから性転換する人もいる。
僕が入学(編入)するこの学校は性転換者(未成年で就学年齢のもの具体的には高校3年生の年齢以下の者)全てを受け入れる義務がある。
性転換した段階ですぐに編入しなければならないらしい。
そう法律に規定されている。
小学校で性転換した者、中学校で性転換した者、高校で性転換した者をその都度受け入れる。
だから高校1年生で編入してくるのは僕たった1人なのだ。
ちなみにクラスも各学年1クラスのみ。
一応小中高一貫教育校ということになっている。
ちなみに男子から女子に性転換する者もいればその逆もある。
もちろんそう言う人たちを受け入れる男子校もあるのだがそれはまた別の話。
学校も一通り終わり、僕は初めての寮生活をすることになった。
もちろん女子寮だ。
そんな僕の部屋にはルームメイトがいる。
「疲れたでしょう。
これからいろんな事が待っているわ。
女子として人生をさ出発するのだけどあまり気負わないでね。
私もあなたと同じ性転換者、共に立派な女子にになるために頑張りましょう」
こう言うのは同じルームメイトの井瀬木 花梨さん。
井瀬木さんは続けて
「本当はこの寮は1人一部屋が原則なんだけど、あなたは女子になったばかり。
いろいろと大変だろうから特例として私と同じ部屋になったのよ。
先生にも頼まれたし委員長として当然のことよ。
あなたを立派な女子として育てるから覚悟してね。
そういえば今日の朝にも自己紹介してたけどもう一度私のために自己紹介してくれるかしら」
そう促されて
「僕の名前は鹿田 雪羽。
女子になってからの名前なのでこの名前にもまだ慣れません。
その、言いにくいんですけど、まだ女言葉にも違和感があるのでしばらくは今までと同じしゃべり方(男言葉)をしていきたいと思います」
と僕が言うと井瀬木さんは
「いいんじゃないかしら。
別に強要するものじゃないから。
それにしても羨ましいわ。
あなたはとても高い声なのね。
私は声にコンプレックスを持っているの。
女子になったらもっと高い声になっているものだと思っていたから。
ちなみに男子と女子の声の差は半音7つぐらい、1オクターブもないの。
だから思った以上に声が高くならなかったの」
委員長の声は少年声、女子としては低い声かも知れないが充分に女子として違和感のない声だ。
ていうか、男子の声にはとても聞こえない、とても綺麗なアルトの声だ。
井瀬木さんは
「とりあえず同じ部屋に住む訳だからいろいろとルールを決めたいの。
とりあえず家事は分担してもらうわ。
順番は1日おきに。
そして私が必要だと思った女子としてのたしなみは全て習得してもらうからね。
私はスパルタだから」
そう言われると無理矢理服を脱がされた。
井瀬木さんは
「とりあえず親しくなるには裸のつきあい。
私と一緒にお風呂に入ろう。
何、恥ずかしがっているの。
同性じゃない。
だいたい、私は女の子の裸には興味ないんだから安心して。
ていうかあなたも慣れなさい。
これから一杯女の子の裸を見ることになるのだから。」
と言われ無理矢理お風呂に入らされた。
僕は女の子とつきあったことも話したこともない。
それがいきなり刺激的な経験をするとは。
この後恥ずかしいぐらいカワイイパジャマを着せられた。
彼女は興奮して何枚も僕の写真を撮っていた。
彼女は女の子には興味が無いと言っていたが風呂場での様子や今の様子を見るとかなり疑わしい。
僕はそう思い彼女にぶつけてみた。
そうしたら彼女は開き直って
「それはあなたが悪いのよ。
はっきりいってあなたはロリっ娘体系。
私の幼なじみもロリっ娘体系だけどその娘よりもあなたはロリ。
私はカワイイものには目がないのよ。
性転換する前からカワイイ物好き。
でも性転換する前は男だからって抑圧されてきたの。
それが今念願の女の子になったんだもの。
カワイイものに興奮して何が悪いの。
今まで我慢してきたんだからその分楽しまなくちゃね」
彼女はそう楽しそうに語った。
今日1日大変だったけどこれから僕は大変な女子高生生活が待っているようだ。
そう思うとどっと疲れが出てきた。