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助っ人

 (今回のお話は九之坪くのつぼ 鞠投まりなの視点でお送りします)


 まずは俺の自己紹介をするぜ。

俺の名前は九之坪くのつぼ 鞠投まりな

一応性転換してからの名前だ。

この名前は考えに考え抜いて自分で付けた名前だ。

かっこいいだろう!!


 言っておくけど名字は元からある名字だからな。

変えたのは名前の方。

当たり前だけど。

ちなみに性転換前は球人きゅうとって名前だったんだぜ。

九之坪くのつぼ 球人きゅうと

結構名の知れた存在だったんだぜ。

将来は甲子園のエースになるだなんて。

それが今は見る影もなくなった。

何せ男子じゃなくなったから。

でも捨てる神あれば拾う神あり。

(これで合ってたっけ)

今ではプロのソフトボールの球団から誘いが来ている。

今の学校を卒業したら是非ともって。

だから今は体力作りを主にしている。

そういえばゆきははそれをプロ野球選手って勘違いしていたっけ。

女子のプロ野球チームはこの国には存在しないのに。

相変わらずゆきははスポーツの知識は無い。

スポーツゲームの腕はあるのに。


 そうそう、クラスのみんなは俺のことを最初「まりちゃん」と呼んでいた。

でも俺はちゃんと「まりな」って呼んで欲しかった。

苦労して付けた名前だから。

いちいちそれを注意していたらそれが面倒くさくなったのか今では「くのちゃん」と呼ばれている。

知らない人が聞いたらそれが名前だと勘違いされそうだけど今はあまり気にしていない。


 しゃべり方で気になる人がいるかも知れないが一応俺は今の性別を気に入っていいる。

男の時からこのしゃべり方だから変える気も無い。

それに今のこの状況を楽しんでもいる。


 最初は戸惑った。

女物の下着を見た時これを毎日着なきゃ行けないのかとショックを受けた。

別に女装の趣味はないし。

それも今では気にならなくなった。

どうせ男物は着れないし。

服だってもう慣れたっけ。

制服以外スカートは履かないけど。

スカートと言えば性転換してから1年間ははき続けなければいけないという謎の罰があった。

俺は制服以外はずっとズボンだ。

そっちの方がしっくりくる。

もちろん最初の1年間もだ。

本当は規則違反なんだけど

(これは内緒ね)


 性転換した時に変わった所がある。

それは胸だ。

正直邪魔でしかない。

そんなことを委員長に言ったら

「それは何かの皮肉?

私に胸がないからって。

いいわね、ある人は。

私もあなたみたいに胸があったらどれだけ自信が持てたかしら」

俺は委員長の言っている意味が未だによく分かっていない。

お互い男だったんだから胸はない方がいいに決まっているだろうがと今でも思っている。

委員長はどちらかというと女の子の思考に近いように思う。

俺は未だにそれを理解出来ない。

胸が大きいと着れる服が少ないのに。


 俺は今性転換した人たちが通う女子校に通っている。

つまり元男の子たちだ。

授業は普通の授業から女らしさを養う授業まで様々だ。

正直かったるい。

俺は体を動かす方が好きだから。

でもこの学校には体を動かすことが少ない。

体育の教科も少ないし部活もない。

性転換すると筋肉の量が極端に減るからと言うのが名目らしいが俺にとってはかったるい。

だからプロの誘いがあった時学校に掛け合ってジムを作ってもらった。

なぜかこの学校には金がある。

今では俺専用のジムだ。

俺以外使っているのを見たことがない。

おかげで今では体がバキバキだ。

クラスメイトがひくぐらい。

クラスメイトからは見た目が可愛いのに脱ぐとひくとよく言われている。


 今は夏休み中。

学校は休みだ。

でもやることがない。

体は動かしたい。

と言うことでプロの女子チームを間借りしてトレーニングに励んでいる。


 今はソフトボールのクラブを間借りしているが俺はまだ正式な試合に出れない。

性転換した人間は学校を卒業しない限り正式な女子としてカウントされないと聞いた。

とにかく今は勉学なんだとか。

だから俺はプロと同じトレーニングしか受けられない。

時々バッティングピッチャーもやっている。


 でも毎日やっていると飽きてくるので違うスポーツもやっている。

何てたって夏は暑い。

毎日炎天下の練習はきつい。

ソフトボールのチームも毎日は来なくてもいい暇な時来ればいいと言っていた。

だからそれに甘えて違うスポーツをたしなんでいる。

と言ってももちろん公式戦には出れませんが。


 俺が今はまっているのは水球。

これでも俺は水泳が得意。

出来れば球技がいいというのでこれを選んだ。

水球は見た目とは違うかなりハードなスポーツ

何てたって全身を使うから。

でもめちゃくちゃ楽しい。

今入っているチームからは正式に加入して欲しいと懇願されているぐらい。


 俺はめっちゃ運動神経がいい。

自慢じゃないけど

今はソフトボールと水球で進路を迷っている。

でも7:3でソフトボールの方が優勢かな。

そんな所だ。


 水球が終わるとみんな更衣室で着替えてから俺が作ってきた弁当を振る舞う。

これでも俺は手料理が得意。

何人もの男子をうならせてきた実績がある。

それにみんな美味しいと言ってくれる。

でもこれが女子じゃなぁといつも思う。

俺はイケメン男子に弁当を作りたいのだ。

こんなしゃべり方だけど俺は男子が恋愛対象。

それは性転換する前から。

だから更衣室で女子の着替えを見たって何も思わない。

むしろ男子の時の方がよかったと思うぐらいだ。


 それにしても着替えの時いつも思うのだが女子たちに胸が大きいのをいつも羨ましがられている。

半分からかいもあるのだが。

何で女子って胸が大きいのを羨ましがるのかを俺はいつも不思議に思う。

こんなのは邪魔なだけだから。

それをチームメイトに聞くと

「男子って胸が大きい女子が好きらしいよ。

あなたもイケメンが好きなんでしょう。

絶対モテるから」

と言われた。


 俺の周りの男子にはそんな奴はいなかったような。

それとも俺が特殊だったからか。

今では男心もよく分からなくなってきた。


 


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