腹痛
今日は今朝から調子が悪い。
それも朝起きた時から。
朝、いつも同室の委員長に起こされるのだがその時からあまり気分がよくなかった。
「もう起きる時間よ、起きて!!」
いつもそう言われて僕は起きる。
その時から僕の頭の中がガンガンしていた。
委員長の女の子特有の高い声が特に頭にガンガンきた。
委員長は自分の声が女の子として低いと嘆いていたが充分に高い声だと思う。
僕には女の子の声にしか聞こえない。
それから委員長が用意した朝食を食べ学校へと向かう。
委員長は料理が得意で僕はいつも助かっている。
僕も女子として早く覚えなければいけないと思うのだがなかなか面倒くさくてままならない。
最近では男子も料理を覚えなければならない時代だというのに。
でも今日は食欲がない。
委員長が
「どうしたの?
体調でも悪いの?
いつもは結構食べるのに」
と聞いてきた。
委員長の作る手料理はどれも美味しいものばかりでついいっぱい食べてしまう。
今日もとにかく美味しいのだがなぜか食欲が湧かない。
それに少しお腹が怠い。
なかなか食べ物が入っていかないのだ。
でも学校に行けないほど怠くはない。
体全体が怠いのだが。
とにかく制服に着替え長くなった髪を整え僕は学校へと行った。
学校に着くとあまりにも怠いので僕は居眠りをした。
「どうしたの?
調子が悪いみたいだけど」
クラスメートのまゆちゃんが僕に声を掛けてきた。
彼女は僕の恋人でもある。
僕は
「別に大したことではないよ。
ただちょっと怠いだけ。
本当、大したことではないから」
と言って彼女を納得させた。
3時間目が終わり放課(休み時間)になった直後、僕に激しい吐き気と腹痛が同時に襲った。
僕は急いで女子トイレに駆け込んだ。
そして次に僕が見たのは大量の出血。
そして僕はトイレの中で気を失った。
僕が目を覚ましたのは保健室だった。
どうやら僕は保健室に担ぎ込まれたようだ。
保健の先生は
「初めての経験で大変だったでしょう。
性転換した女の子たちはみんな経験することなの。
まぁ、通過儀礼みたいなものね。
これであなたも立派な女の子。
まだ今の状況を受け入れられないかもしれないけどこれからは女の子としての人生を全うしてね」
そう言われなんか泣けてきた。
もう男子には戻れないのだと思うと切なくなってきた。
しばらくして僕は気分もよくなったので教室に戻ることにした。
教室に戻るとクラスのみんなが一斉に
「おめでとう。
これであなたも正式に女の子の仲間入り。
本当におめでとう」
と声を掛けられた。
見ると中には涙ぐんでいるクラスメートもいる。
委員長なんかはぐちゃぐちゃになって泣いていた。
よっぽど心配してくれていたようだ。
僕は
「大丈夫、もう体調は良いから」
と委員長に声を掛けた。
そして、今日の最後の授業時間。
沖村先生が特別授業をすることになった。
「え〜、改めて女の子の授業をします。
あなたたちみたいに後天的に女の子になった人たちは圧倒的に女の子の経験が足りません。
しょうがないことだけど。
雪羽(僕)が初潮を迎えたことで改めて授業をしたいと思います」
ちなみに僕以外は全員が経験済み。
僕もようやく女の子の仲間入りだ。
でも少し周りの女の子が大人びて見える。
まだまだ女の子1年生分からないことが沢山ある。
でも僕は僕なので改めて態度を変えることはない。
何せ今や男の子っぽい女の子も珍しくないから。
授業が終わり寮に帰った。
委員長は
「今日は本当におめでたいわ。
お赤飯でも炊こうかしら」
となぜか僕よりウキウキしている。
「それにしても最初にあった頃よりも大分女の子らしくなったなったわね。
最初は大丈夫なんだろうかとも思ったわ。
とにかく体型や仕草は大分女の子らしくなったわ」
僕はあまり変わっていないと思っていたが大分女の子になっていたようだ。
あまり意識していないが。
でも思い当たる節がある。
仕草に関してだが僕は女の子になってからずっとスカートをはいている。
ていうか履かされている。
1年間ははき続けなければいけないと義務づけられているから
そりゃぁ、ずっとスカートを履かされていれば否応なく仕草も女の子っぽくなる
体型は何をか況んや。
それに女性ホルモンの影響か考え方も女っぽくなっているような。
あくまでも自分の意見だが。
そういえば先生が授業で行っていた。
生理というものは赤ちゃんを産める体に近づける生理的現象なののだとか。
と言うことは僕も子供が産めると言うこと。
そんなことは考えたこともなかった。
僕のお腹の中に命が宿ると言うことを。
それは怖くもあり神秘的なことでもある。
今は怖さが100パーセントだが。
とりあえずその事は考えないことにした。
だって僕は今でも女の子が好きだから。
子供を産むと言うことは男子と付き合うと言うこと。
まだどうやって子供が出来るかは知らないが間違いなくエロいことをするのだろう。
それは絶対に考えたくない。
エロいことをするのなら女の子としたいに決まっている。
だから今は深く考えないことにします。
とにかく初めての女子高生生活を満喫します。
改めて心の中に誓った。