the・駄文(三十と一夜の短篇第18回)
買い物というものを、ゆっくり楽しんだことが私はなかった。
なのだから私は、今日は珍しく、のんびりとした買い物をしようと思っているのである。
いつものように早足で過ぎ去ってしまうよりも、新たな発見があるに違いない。
そうだ。そうに違いないのだ。そう言って、私は買い物かご片手に商店街を歩き始めた。
「寄ってらっしゃい見てらっしゃい。ついでに酔ってみてらっしゃいよ!」
嘘だろ。今どこそんなのありかよ。というくらいに普通の、商人の声かと思ったけれど、聞き覚えのない文言が追加されていたものだから、驚いてそちらを見てしまう。
そこまでおかしなことをしたわけでもない。そう驚くほどのことではないだろう。
なのに驚いてしまうほどに、私の頭を柔軟性に欠けているということだろうか。
たとえそれが本当のことだったとしても、辛いものがある。
「居酒屋さんか。そりゃまあ、酔えと言っているのだから、そうに決まっているわよね。だとすると、最初の寄ってらっしゃい見てらっしゃいが、中々に意味不明で不必要に思えるけどね」
商店街の店の人というイメージを反映させた結果が、それということなのだろうか。
軽く、作者の知識の偏りが垣間見えるように思えてしまってならない。私には、そう思えてならないのだ。
思えるからと言って、何をするわけでもなく、ただそれが真か偽かの報告を待つというだけ。それが私。
「風が語り掛ける。うまいうますぎる」
嘘だろ。地方ネタは伝わる人が限られてくるだろうよ。
しかしまあ、某俺ガイルでも使っていたネタなのだし、みんなわかってくれることだろう。せめて、関東だけにでも、響け!
俺ガイルって言っちゃってるから、某も何もないだって? なんでやねん。
こんなノリで似非関西弁を使ったら関西の人に怒られるとして、某「やはり俺の青春ラブコメは間違って……((以下略」を読んだ人ならば、大体は地方ネタが伝わってくれよう。そう信じよう。
千葉と一緒に、埼玉もそれなりに魅力を伝えて貰っている様子だから。
「某埼玉銘菓屋さんか。もっと可愛いものがほしいわね。だって私、女の子だもの」
涙が出ちゃう。だって女の子だもん。
そういう適当なボケをかましたくなるほどだわ。
「幽霊船発見」
って、えっ、やったなんで。
「それにしても楽でいいものね。寝惚けた状態で書いたものを、そのままネットにアップするなんて、どういう根性してるんだって感じよね。そういうの、楽でいいわよ」
だって何も考えてないんだもん。