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楽して生きたい拳闘士  作者: 猫背
第1章
5/59

4話

おはようございます。

今日は一味違うところを親父に見せつけてやりまっせ。


「クライスト!闘気をだせ!」

「無理」

ダメでした。てへ。


昨夜を思い出しイメージしてやってるつもりなんだが、まぁ出ない。しゃあないよね。


「おにいちゃん!こうだよ!こう!」

うん可愛い。でもおにいちゃんわからないよ。

「クライスト!エリスを見てみろ!お前もやれ!」

んな無茶な。


というわけで今夜も作戦会議。


「母さん、出来なかった。もういいよね?」

「クーちゃん。クーちゃんなら出来るよ。オッケーだよ」

その使い方だとやらんでいいって聞こえるんですけど。


「結局どうすれば出来るかわかりません。どうすればいいですか先生」

母さんなら答えをくれるはず。プリーズ天啓。


「うーん、やっぱり実戦かな?」

「おかあさん!ぼくね!ごさいなの!あぶないの!」

まだ巣立つには早いと思います。危険が危ない。


「うーん。でもね、本当だったらもうクーちゃん実戦してるんだよ?」

「え?5歳でもうそんなことすんの?」

この世界怖い。5歳なんて鼻垂らしてその辺走り回ってる歳やん。


「おとうさんがね?クーちゃんがかわいいから、まだ早いまだ早いって訓練をしなかったの」

マジかよ。そんな感じ全く出してないけど。


「だから、おかあさんが訓練してあげなきゃだめだよーっておとうさん叱ったの」

おまわりさんこの人です。


「母さんはなんで俺に訓練させたいの?俺もう疲れたよ」

「クーちゃんは、10歳になったら旅に出るでしょ?自分を守れるようになった方がいいでしょ?」

「そもそもその悪しき風習を無くすべきだと俺は思います」

だって怖いもん。僕まだ子供だもん。


「だめです。クーちゃんには立派な大人になってほしいので、世界中を旅して強く、賢く、かっこよくなれるようがんばってもらいます」

「母さん厳しいね。母さんも旅したの?」

「ううん、おとうさんがしてたんだよ」

やっぱ親父かい。親父みたいになれってか。辛い。


「闘気使えないけどそれでも行かなきゃだめなん?」

「そうだね。でも、クーちゃんならなんとかなるよ!」

期待がでかいなー。俺には無理だよー。


「ちなみに親父はどんな旅したか知ってる?ちょいと参考に」

「おとうさんは、世界一周したよ。それで、立派な騎士様になったの」

俺にそれをやれと。スパルタ過ぎて泣けてきた。

って親父騎士なの?無職のおっさんじゃないんだ。


「騎士ってなに?初めて聞いたんだけど」

「騎士様はね、いろんな人達を守ってくれるすごい人達なんだよ」

「なにから?って親父が夜いないのってそれ?」

親父はいつも夜になるとどっか出てる。夜だけは安息の時間なのだ。


「クーちゃん知ってたんだ。やっぱりクーちゃんは賢いね」

あんま関係なくね?とりあえず褒めるよねー。


「実はその通りなのです。魔物には夜活動するものが多く、その為、おとうさんは毎日村の近くを見回りしているのです。オッケーですか?」

「はい先生。んじゃお給金は村から貰ってる系ですか」

「その質問は残念ながらはずれです。おとうさんは王国からお給金を貰っています。何故だかわかりますか?」

また知らんワードが出てきたよ。


「その王国?の騎士様ってことですか。んで王国の領地のこの村に飛ばされたと」

「ううん。おとうさんはね、強い騎士様だから、この村を守ってねってお願いされて来たんだよ」

一緒な気がするんですが。


「んじゃ騎士様ってのは、王国を守ってて、魔物退治とか悪いやつをとっ捕まえるのがお仕事と」

「正解です。さすがクーちゃん」

「俺もそれになれと?向いてないっしょ」

怖いじゃん。自分で手一杯だし。


「ううん。クーちゃんは、自分のしたいようにしていいんだよ?」

「訓練したくない。旅に出たくない。だらだらしたい」

「だめです」

それはやっぱだめなのね。


「それでは、本題に戻りたいんですが、闘気の出し方教えて」

「うーん……………実戦?」

その一択はやめてね。


「昨日の作戦を実行したいと思います」

「といいますと?」

「闘気ぶち込み作戦です」

生命力はこれでなんとかなったし。


「本当にやるの?すごく痛いよ?」

やっぱやめようかな。


「すこーしだけ。ほんのすこーしだけなら大丈夫っしょ」

「本当に?大丈夫?」

そんなに不安を煽らないで?


「それではこれより、闘気覚醒の儀に入ります。アイリス殿、準備をお願いします」

「はい、クーちゃん殿。…………準備完了です」

気ぃ抜けるから乗るならもうちょいがんばって。


というわけで母さんに右手を差し出す。

手とかじゃないと危ないらしい。こわ。


「それじゃあいくね?力抜いてね」

と言って俺の手を両手で握って集中してる。

「いくよ?えいっ」

ゆるいよ。失敗しそうで怖いよ。


なんて思ってると生命力のようなものが手に流れてくるのがわかった。


あんま変わんなくね?全然なんとも………ん?ちょい痛い。いや痛いな。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い。

「ぐぅぅぅぅぁぁぁぁ痛ぇ……………」

右手に内側から焼かれてるような痛みが走る。

痛すぎてただ呻き声をあげることしかできなかった。


「クーちゃん大丈夫?今治すね。ヒール」

母さんの手から小さな光が見える。

母さんの魔術だ。少しずつ痛みが引いていく。


「母さんありがとう。闘気ってこんな痛いんだね。うん、危ない。闘気を覚えるのはやめよう!」

これは危ない。大人しく引きこもろう。


「クーちゃんごめんね。ちょっと失敗しちゃった。痛かったよね、ごめんね」

ツッコミ無しか。マジで危なかったんだな。

「いや、全然大丈夫。母さんのおかげでもう痛くないし、本当はそんな痛くなかったよ」

ほ、本当なんだからねっ!強がってないんだからねっ!


「そっか、でもごめんね?それでどう?できそう?」

「出来るよ。ありがとね」

闘気を流して貰ったらすぐに理解出来た。なんでかわからんが、俺が天才だから!ってことにしとく。


というわけで実践しましょう。

「母さん見ててねー」

つうわけで生命力を闘気に変換っと。

思いの外ロスは無く闘気を纏う。変な感じだな。


「クーちゃんすごい!出来てるよ、上手だね」

「わかると出来るもんだね。生命力と同じような感覚するし」

「そうだね。でもクーちゃんすごく上手だよ?クーちゃんくらい制御出来るのは、すごく頑張らないと出来ないもの」

よせやい、照れるだろ。


「それじゃあ明日からは、次の訓練に入れるね」

それな。

「次って何やんの。まさか実戦じゃないよね」

「うーん、クーちゃんなら大丈夫だと思うけど、闘気の制御とか、突きとか蹴りの動き?っていうのかな。多分体を動かしたりすると思います」

おそらく型みたいのやるんだな。しんど。


「まぁ明日になればわかるわな。今日もありがとね。おやすみー」

「うん。また明日もがんばってね。おやすみ」

明日の俺がんばれ。

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