6 四季王国の女王様
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春華は、両手を胸の前で合わせ
「なら、季節を入れ替える時に、皆で集まって祭りを開きましょうよ。」
そう言って楽しそうに微笑んだ。
「なにそれ!面白そう!!ねっ冬湖♪」
「ほわわ~!!お姉しゃん皆集まるの?遊べるの?」
「遊べるよ!あとね、お祭りってとっても楽しいんだよ!!」
『その言葉に、冬の女王様は泣き止み、夏の女王様は目を輝かせました。
皆の嬉しそうな表情に秋の女王様は溜息を吐きながら
優しく微笑みました。』
「…そうね。それなら皆で遊べるし、楽しめるわね。」
(あと、民達の不満もこれで解消され
国崩壊の危機も、乗り越えられるかもしれないわ。)
『秋の女王様は皆の代表で
国王様に祭りの許可を頂き、お祭りを開ける事になりました。
四季の女王様達は、皆で迷惑かけた事を国民に謝ってから
初めての祭りを開きました。
それから、今になっても季節の変わり目になると
女王様も皆四季王国城に集まり
全国でお祭りを開くという事になったのです。』
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「…それにより、民達の不満も祭りで解消され
四季王国の平和が保たれたのでした。めでたしめでたし。」
オジサンが本を閉じると、子供達は体を大きく伸ばした。
飴を舐め終わったアメリヤとミレーヌが
「オジサン、その話続き無いの?」
なんて、不満気に尋ねてきた。
…どうやらコレだけじゃ物足りなかったらしい。
オジサンは「困ったなぁ」と、顔を軽く書きながら
小汚い大きなカバンの中身と、本の内容を思い出す。
「う~ん。続きじゃないけど、四季の女王様シリーズは沢山あるよ。」
「え?あるの?聞きた~い!!」
さっきまで体を伸ばしていたシクレィンが、目を輝かせ話に食いついた。
すると、何処からか
「アイビー、レイン~、ご飯よ~帰ってきなさ~い。」
同じく体を伸ばしていた2人を、探している女性の声が聞こえてきた。
「ごめんね、シクレィン。もう帰る時間だから、又明日にしよう。」
その言葉を聞き、子供達は少しずつオジサンから離れていき
手を振ってから家に帰って行った。
「やった!じゃあ、又明日ねオジちゃん!」
そう言って、最後に残ったアクアが、元気良く帰って行くのを見送り
オジサンは腰を上げた。
「…じゃあ、帰ろうか…。」
赤い帽子を目深に被り直して微笑み
オジサンも何処かに帰って行きました。
(春の女王様)春華が提案している所を書きました。
最後まで読んでくださり、有難うございます。
楽しいと思ってもらえていたら嬉しいです。