5 四季王国の女王様
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『ちょうどその頃、塔のある四季王国に
秋の女王様を載せるペガサスが舞い降りた。
秋の女王様は、部下に持たせた通行証を読ませ
兵に城に入る許可を貰った。』
城下町を堂々と歩く秋の女王様を見ての
民たちの様子は様々で
知秋が、城に向かうため歩いていると
様々な者の声が聞こえてきた。
「ひぃ…確か、あの霞の盗賊団は知秋様が片付けたんだよな?」
「やべぇじゃねぇか…俺等バレたのか?バレてないよな?」
それは、悪い事を行っていて私を恐ろしがる者だったり
「今回は何用なのだろうか?」
と、普通の反応をする者。
「有難やぁ~有難やぁ~。」
「きゃあぁ~!知秋様よぉ~。」
などと、私を崇める者達が居た。
『そんな秋の女王様は、国王様のおられる場所にたどり着くと
国王様の前で跪き
冬の女王様が篭っておられる塔への
入室を許可してもらい、塔のもとへ向かった。
そして、塔のもとへたどり着くと、あかぬ門の前で冬の女王様に聞える様に
声を張り上げ挨拶をした。』
「冬湖よ!元気にしているか!」
『すると、門の向こうから幼き声が帰ってきた。』
「…知秋お姉しゃま!?わ~!!
あ、アタシ元気だよ!あとね、皆が来なきゃココ開けないの。
知秋お姉しゃまが風邪引くの嫌だから、城で温まってて!!」
知秋は、元気そうな妹の声に満足して笑みを浮かべた。
「そうか!分かった。
後もう少ししたら皆揃うから、部屋をお片付けするんだぞ!」
「は~い!!」
『元気そうな声を聞き届けた秋の女王様は満足し
部屋に戻っていった。
そして、夏と春の女王様の到着をまたられた。
四季王国城のもとに、3人の四季を司る女王様が集まられた。
それを確認すると、ずっと開かなかった塔の門が開かれ
3人の女王様達は冬の女王様のもとへ行く事ができました。
冬の女王様に何故このような事を行ったか尋ねると
その場に泣き崩れ、寂しかったからと理由を言った。』
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お気に入りのヌイグルミを抱きしめ、しゃくり上げながら
「迷惑かけたの分かってる…でも、でもね!
アタシ…寂しかったの!!お姉しゃまと…もっと遊びたかったの!
寂しかったよぉ~!!」
そう言った。
春華も呼夏も、そして知秋も唯それを慰める事しか出来なかった。
『40年に1度、四季の女王様は力を次期王女に授けます。
しかし、前期冬の女王様は不治の病にかかり
当時3歳だった冬の女王様に急遽力を授けたのです。
まだ心構えが出来ていない、遊び盛りな子に…。』
3人は、冬湖の様に、それを訴えようとも考えた事がなかった。
「決まりだからしょうがない」と言い聞かせてきた呼夏と知秋は
何も言う事が出来なかった。
『冬の女王様はまだ4歳。
物心が付いて直ぐ女王になった彼女には
伝統であったとしても姉妹と遊べない事は退屈だったでしょう。
さぞかし塔生活は監獄の様に感じられていたでしょう。
他の女王様達が同情で言葉が出ない中
春の女王様がある提案を出しました。』
(冬の女王様)冬湖、泣いているシーン
書いてみました。