4 四季王国の女王様
『12時間をかけて、春の王国にたどり着いた夏の女王様は
ペガサスから降りて、春の兵に通してもらえる様に頼んでいた。』
「ちょっと~。何で入れないの~開けてよ。」
ゴリ押しで入ろうとする(夏の女王様)呼夏。
『しかし、兵は困り果てた顔で断った。』
勿論、勢いで入れるのなら兵も要らないもので
困り果てた春の兵は、笑みを作って
「お嬢ちゃん。何処の子かな?オジちゃん達はね
お仕事中で一緒に遊べないんだ。
お母さんの所まで送ってあげるから帰ろうか。」
そう言い、呼夏の手を優しく掴みました。
『季節の女王様の顔を知っているものなど、貴族くらいしか居ないのに
その兵が、他国の王女の顔を知っているはずがありませんでした。』
「…お嬢ちゃん?お嬢ちゃんじゃないわ!もう9歳よ!!」
「…そうかぁ~9歳か~。ウチの妹と同い年だね。」
「許さぬ…何たる無礼…。お前は、寝たきり生活にしてあげる。」
「…へ?」
『断る時の言葉に怒った夏の女王様は、春の兵を蹴散らし
無理やり城の中へ入って行きました。
もちろん許可を取っていないので侵入者扱いされ兵に攻撃されます。
城の中、邪魔する奴は全て蹴散らし…。』
「…ば…バケモノ…。」
そう呟きながら寝てる春の兵を、片手で起こしながら
「…ねえ、春華お姉様は何処にいる?」
大人しくなった春の兵に、優しい笑顔で尋ねた。
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『締め出した兵に春の女王様の居場所をはかせ
その場に向かっていきました。
その姿はまるで、夏の嵐の様だったらしい。』
呼夏は寝室のドアを蹴飛ばし、春華のベットの前に立つ。
そして、虎の雄叫びの様な大きな声で
「春華お姉様!起きてください!!」
そう叫びました。
しかし、反応は有りません。
今度は無理やり毛布を取り上げてから
「お姉様~!!」
そう言って、春華に飛び蹴りをかまして
無理やり起こしたのでした。
「…う~ん。あと5年…。」
「何洒落にならない事を言ってんの?さあ、冬湖の所に行くよ!!」
『春の女王様を捕まえて
冬の女王様のいる国王のもとへ行く様に忙しました。』
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「えぇ~!?春の女王様は寝てて来なかったの~!?」
さっきまで大人しく座っていた4人が、声を揃えて驚きの声を上げた。
そして、ウサギの人形を持った少女ファミュ、靴を履いていないジェミニ
赤いリボンネクタイが、良く似合っている少年ゲルダ
巻き髪を指でイジっていた、シスカは
春の女王様に呆れて、又その場に座った。
「あ、いや、1度春の女王様はちゃんと交替の日に塔に行ったんだよ。
でも、冬の女王様が変わってくれなかったから
家…城に帰って寝過ごしていたんだよ。」
「…春の女王様が寝坊助なのは、変わらないわね。」
「シスカ…うん。事実だから否定できないね。」
オジサンが「困ったなぁ」と顔を軽く掻いていると
「オジサ~ン。無駄話してないで早く続き読んでよ。」
ゲルダは困った顔でそう言いながら、オジサンの心にトドメを刺した。
オジサンは溜息を吐いてから、本のページを捲ったのでした。
*春の兵は、呼夏がちゃんと手加減したので、全治1週間で済みました。
今回は、仕留めた時の絵を書いてみました。