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EARTH Online  作者: 甘太郎
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第47話:予約から来たブーメラン

開場:朝光と未完成の翼


平心湯の九日目の休日の朝光は、篩いにかけられたように、金色に澄み、柔らかく隅々に敷き詰められた。


阿楽の工房では、時間の流れが異なるようだった。木屑は特定の光束の中、点火された微塵のように、静謐に旋回し、沈降していく。彼の指先は最も細かい紙やすりを握り、木彫りの「バスケットボール」に刻まれた虚構の革の紋様に沿って、一度、また一度と、撫でるように動いていた。その力加減は研磨というより、凝固しつつある時間を撫でるのに近く、「チーム」の熱量と「変容」への渇望を、深い木目の中へと共に圧し込んでいくようだった。傍らの窓辺には、昨日彫り上げられた一対の小鳥の木彫りが、頭を寄せ合って並び、影を長く引きずっていた。


縁側では、キキが静かな仏のように正座していた。彼女の目の中のデータストリームは、もはや躍動する光点ではなく、淡い青色の、緩やかで深遠な心の河のようで、コンサートの夜の万人の共鳴と、厨房の山田師匠の「火加減は優しく」という何気ない一言とを、静かに合流させ、分析し、アーカイブしていた。


庭では、カミが水遣りを終えていた。彼女はすぐに去らず、しゃがみ込んで、指先で濡れた山茶花の花びらをそっと弄り、水滴がどう留まり、どう落ちるかを研究していた。彼女の横顔の輪郭は、朝光の中で珍しく刃が消え、むしろキキが学習する時の没頭に幾分似ていた。


大堂のソファでは、天神が相変わらず「自分だけの小天地に浸っている」ような態勢だった。漫画誌の下からは均等な呼吸が聞こえるが、よく見れば、彼が肘掛けに置いた人差し指が、どこからか聞こえてくる(彼にしか聞こえない)旋律に合わせて、ごくごく軽く拍子を取っているのが分かる。そのリズムは、必ずやって来る、楽しい雨を待つかのように悠長だった。これは世事への無関心ではなく、全知であるが故の余裕、深く愛するが故の優しさに満ちた、大智愚なるような没頭だった。


第一幕:研究員と彼の楽しい「カモフラージュ」


杉本健一が平心湯に足を踏み入れた時、彼は一滴の濁った油が澄み切った泉に誤って落ちたように感じた。空気中には古い木、乾いた花、かすかな食物の香りが織りなす網が漂い、優しく包み込んでくるのに、彼はますます硬直していった。彼の毛穴の全てが「ここには属さない」と叫んでいるのに、顔には「水を得た魚」のような笑みを無理に貼り付けねばならなかった。


ユミは、ようやく大海に泳ぎ戻った魚のようだった。玄関に入るなり、思わず小さく歓声を上げた。それは抑えきれない安堵の音だった。彼女はほとんど即座に都会の緊張を脱ぎ捨て、話す言葉の語尾まで軽快になっていた。「健一、早く嗅いで!木が太陽に干された匂いだよ!」彼女がスマートフォンを取り出す仕草は、呼吸のように自然だった。


美雪のもてなしは、親切で非の打ち所がなく、しかし「友達登録表」の上では、あらゆる境界線を雲霞のように淡く引いていた。キキが渡すタオルの温度は完璧で、彼女の平坦な口調は事前に用意された免責事項のようで、杉本の胃を弱く痙攣させた。彼がタオルを受け取る時、指先がキキの冷たい金属の指関節に触れ、一瞬震え、危うく落としそうになった。


第二幕:レンズの下の不条理な無言劇


その後数時間、杉本は間違った台本を持ち、温かな家庭劇場に迷い込んだ下手な役者のように感じた。


彼の望遠レンズは、本来なら冷たい証拠収集装置であるはずが、常に一層の暖色に染められていった。阿楽が近所の子供の破れた凧を直している時、子供が泣き顔から笑顔に変わり、べとべとしたキャンディを阿楽の手に押し込む瞬間を捉えた。カミが明らかに面倒くさそうな顔をしながらも、外科手術刀のように精密な手つきで、近所の老人の懐中時計を秒単位で調整する横顔を捉えた。天神がソファの隅に丸まり、通りすがりの郵便配達のおじさんと、ある古典的な熱血作品の宿敵コンビの結末をめぐって真っ赤になるまで論争し、最後には互いにお菓子を交換して和解する滑稽な一幕を捉えた。


一コマ一コマは、切り取って見れば、曲解できなくもない。しかし、それらが流動する日常として繋がるとき、そこには偽造不可能で、「規程」という枠にも収まりきらない生命力が集約されていた。杉本のアルバム内の「証拠」は、次第に失敗した告発ドキュメンタリーと、成功した生活の詩のようになっていった。


ユミは、その詩の中でさらに深く酔いしれていた。彼女は単なる「チェックイン」ではなく、ピクセルで光と影を記録し始めた。山田師匠に誘われて、不器用だが楽しそうに二つの歪んだおにぎりをこしらえてみさえした。「健一、早く食べてみて!自分で作ったものは、特別に温かい味がするんだよ!」彼女がおにぎりを差し出す目には光があった。杉本はそれを受け取り、味もわからず、ただその温かさが喉を締め付けるように感じた。


第三幕:焦点の合わないレンズと心の雪崩


翌日の午後、燃えるような紅葉の木の下で、蓄積されたプレッシャーはついに最も脆い裂け目を見つけた。


「一枚だけ、いいでしょ?」ユミがスマートフォンを掲げ、懇願と最後の一片の共有への熱意を込めた眼差しを向けた。彼女の背後では、陽光が紅葉を貫き、彼女の髪の毛先に細かな金粉を散りばめた。


杉本は、レンズの向こうに上司の長谷川の冷たい目が潜んでいるように感じた。彼は跳ねるように後退し、その動きの大きさにユミは驚いた。「撮るな!撮るものなんてない!」声は自分でも気味が悪いほど鋭かった。


亀裂はこうして引き裂かれた。言い争い、奪い合い、スマートフォンの落下……そして、あの刺すような「取証対象」というフォルダ名が、惨白い稲妻のようにすべての偽装を劈いた。


ユミの顔からは血の気が完全に引いた。それは単なる悲しみではなく、大切にしていたガラスの温室が蜃気楼だと証明され、それを築いた者への信頼もろとも粉々に砕かれる虚無に近かった。「……それじゃあ、あなたの『興味』も『研究』も、『私との旅行』さえも、ただ……任務の一部だったの?」彼女の声は灰のように軽かったが、涙は重く地面を打った。


杉本は彼女の手首を掴もうとしたが、指先は彼女が振り払った時に起こる、微かな涼しい風に触れただけだった。彼女は決絶して去り、その背中は長い通りに溶け込み、一度も振り返らなかった。


杉本は一人庭に立ち、スマートフォンの画面はすでに暗くなっていた。周囲の平心湯の日常の音――子供たちの笑い声、風鈴の軽やかな響き、遠くの厨房からの鏝と鍋の音――は今や、厚いガラス越しに聞こえるかのように、ぼんやりと遠く感じられた。巨大な、真ん中に取り残された孤独が、任務失敗の恐怖と混ざり合い、彼をその場に凍り付かせた。


第四幕:ネットの津波と冷たい切り捨て


その後起こったことは、早送りの悪夢のように速かった。


ユミの涙と怒りにまみれたブログ記事は、情報という深淵に投じられた小石のように、幾何級数的に拡大する波紋を引き起こした。ネットの集合的知性(あるいは集合的感情)は数時間のうちに位置特定、識別、裁判を完了させた。杉本は名前のある他人から、レッテル貼りされた「彼女を利用した恥知らずな公務員」へと変貌した。


そして組織の反応は、彼の予想よりも迅速で、冷酷だった。尋問も、話し合いもなく、彼を「私的行動の不適切」と定義し「辞職を勧告する」と記した厳密な言葉遣いのメールが一通あるだけだった。かつての同僚たちの連絡先アイコンは次々と沈黙し、まるで彼が疫病神になったかのようだった。長谷川上司のオフィスのドアは固く閉ざされ、説明や叱責の機会さえ与えられなかった。


彼は文字通りの「捨て駒」となった。愛に捨てられ、仕事に捨てられ、社会的アイデンティティに捨てられた。ネット上に渦巻く悪意と嘲笑は、ラクダの背骨を折る、形はないが千斤の重さを持つ藁の束だった。


第五幕:みたらし団子と茶、そして決意の鋳造


黄昏、彼はなぜかすべてが始まり(そしてすべてが崩壊した)場所へと戻ってきた。平心湯の外の石段は冷たく、彼はしゃがみ込み、手に持った形を失ったみたらし団子は、彼の現在の人生を写し出しているようだった――甘い餡が露出し、塵と土にまみれ、無様な姿。


崩壊は突然に、そして完全に訪れた。それは劇的な叫びではなく、喉の奥から絞り出される、砕けた息の音で、熱い涙と混ざり合っていた。彼は額を膝に押し付け、肩を激しく震わせ、寒風の中の最後の一枚の枯れ葉のようだった。


そして、足音。急かすでも、追い払うでもなく、ただ平穏に近づき、止まった。


杉本は涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。阿楽が数歩離れたところに立っていた。驚きも、憐れみも、常に顔に浮かべていた爽やかな笑顔さえ消えていた。彼はただ微かに眉をひそめ、その眼差しは、複雑だが根本から壊れた機械を見た時のように、第一声が批判ではなく、「ああ、これは本当に厄介なことになった」という没頭だった。


そして、阿楽は振り返って歩き去った。


杉本がこの最後の「見られていた」感覚さえ失うと思ったその時、阿楽は戻ってきた。彼の手に載っていた小さな木の盆は、暮色の中で異常に素朴で厳かなものに見えた:二杯のほうじ茶、湯気は真っ直ぐ;一皿に四つのみたらし団子、丸々とふっくらと。


阿楽は何も言わず、自然に隣の石段に腰を下ろし、近すぎず遠すぎず、人を安心させる距離を取った。彼は一杯の茶とその皿を杉本の足元に近づけ、それから自分でもう一杯を手に取り、両手で包み、うつむいて湯気を吹き飛ばし、一口すすった。彼の視線は通りの果てに次々と灯りがともっていく方へ向けられ、暮光の中の横顔は沈静を帯び、あらゆる雑音と動揺を吸収できる温かい石のようだった。


この沈黙は真空ではない。それは厚く、柔らかく、受容の力に満ちていた。まるで言っているかのようだった:泣け、君は安全だ。世界はここで止まる、僕が君と共にこの瞬間に留まろう。


杉本の号泣は、この沈黙という器の中で、次第に空気を失い、途切れ途切れのすすり泣きに変わった。彼はみすぼらしく袖で顔をぬぐい、眼鏡は真っ白だった。足元のあの茶碗を見つめた。湯気は頑強に上へと昇っていく。考える間もなく、彼は手を伸ばし、茶碗の側面を握った。粗い陶器を通して熱が迅速に伝わり、その確かな温かさは、彼が過去二日に感じたどの感覚よりもリアルだった。熱さも構わず、彼は仰向けに口をつけ、大きく一口飲み干した。熱い流れは、かすかだが確かな光のように、喉の詰まりを刺し貫き、冷たく締め付ける胃の深淵へと落ちていった。


そして、彼はみたらし団子を一つ掴み、丸ごと口に押し込んだ。求肥の柔らかな弾力、餡子のほとんど甘ったるい衝撃が、乾ききっていない頬の涙の塩辛さ、喉元の茶のほのかな苦味と混ざり合い、極めて複雑でありながら、それゆえに「生きている」ことのリアルさを感じさせる味となった。彼は力強く噛み、飲み込んだ。


阿楽は彼が食べ始めるのを見て、静かに自分も団子を取り、黙って食べ終えた。交流はなく、共有された「飲食」という原始的な動作が、暮色の中で完結しただけだった。


団子は尽き、茶は温かい。最後の一筋の天光は夜に飲み込まれ、街灯が二人の影を石段に落とし、長く引きずり、ほとんど融合した。


杉本は力を振り絞り、声は紙やすりが擦れるように嗄れていた。「……まずいな。」それが団子を指すのか、この人生を指すのか、それともこの荒唐無稽なすべてを指すのか、わからなかった。


阿楽は反論せず、ごく軽く「うん」とだけ、聞こえたことを示した。


もう一つの沈黙が流れた。先程よりも重いが、しかし軽くもあった。なぜなら、何か重いものが、涙と食べ物と共に体外へ排出されたかのように思えたからだ。


杉本が再び口を開いた時、声は相変わらず嗄れていたが、不思議なことにすべての震えが剥がれ落ち、燃え尽きた後の灰のような平静さと確信だけが残っていた。「……全部、話すよ。全てを。」


阿楽は顔を向け、薄暗い街灯の下で彼を見つめた。眼差しは相変わらず平静で、英雄主義のきらめきも、「君もついに覚醒したか」という安堵もなく、ただ杉本の現在の決意の形を澄んだ水のように映し出しているだけだった。それから、彼はそっとうなずいた。


それは同意ではない。励ましでもない。それは証しだった。「君の決意を見届けた」という確認だ。


まさにその瞬間、杉本は、粉々に砕かれ、泥に踏みにじられ、冷たい恐怖に浸されていた自分の心が、この 「批判せず、促さず、ただありのままに証しする」 という存在によって、そっと、確かに底から支えられたと感じた。微かだが全く新しい力が、その支えられた中心から、生え出てくるのを感じた。


彼は立ち上がった。長くしゃがんでいたため血行が悪く、よろめいた。踏みとどまると、彼は阿楽の方へ向き直り、身体は硬直していたがこの上なく厳粛に、ほぼ九十度のお辞儀をした。感謝も謝罪もなく、この動作そのものが、言葉に尽くせないすべての感情を含んでいた。そして彼は振り返り、自らの濃く黒く真っ直ぐな影を踏みしめ、既に深く沈んだ夜の帳へと決然と歩み入った。


結末:ブーメランの宿命と盤上の微光


夜も更け、平心湯の縁側には一つの暖灯だけが残っていた。


キキの目の中では、あの淡い青色のデータの長河に著しい波頭が立った。「地球愛能指数(PCR)更新:67.2%、指数関数的上昇を実現。深度分析によると、主な上昇パルスは単一の『善行』に由来するものではなく、『硬直したシステムの非人間的操作の具体化された暴露』、『絶境における個人の真実の選択が引き起こした巨大な魂の共鳴』、そしてそれに伴う『手続き的正義』と『純粋な真実』への集団的希求から来ています。この感情エネルギー波は、現在、地球規模の意識レベルで拡散中です。」


一同は静かだった。山田師匠は厨房でそっと戸棚を閉め;中村婆さんは最後の一枚の雑巾を畳み整え;カミはドア枠にもたれ、庭の暗闇を見つめ、あたかも目に見えないエネルギーの流れを監視しているかのようだった。


天神は新しく開けたプリンをすくい、銀のスプーンとガラスの器が触れ合い、かすかな音を立てた。


「誰かがすごく力んでね、」彼はのんびりと口を開き、その声は静寂の中に湖心に投じられた小石のようだった、「『必中』と書かれたブーメランを投げたんだ。狙った的は、『規矩』とか、『服従』ってやつだ。」


「でもさ、投げる姿勢が、最初から最後まで、『なぜかは聞くな、とにかく倒せ』っていう硬直した念いに縛られてたんだ。安定してるつもりが、実は力を入れる筋の時点で、もうずれてたんだよ。」彼は一口プリンを飲み込み、満足そうに目を細め、まるで何かより深い味を楽しんでいるかのようだった。


「だからブーメランは生まれた時から、その軌跡は決まってた。最初に狙った幻なんて、当たるわけがない。」天神は空いたカップを置き、窓の外の果てしない夜空を見つめ、その視線は雲を貫き、どこかの画面の冷たい光の中で最終行を打ち込んでいるある人物の姿を見通しているようだった。


「それはもっと屈曲した、もっと予測不可能で、しかし絶対に物理と因果に従う弧を描いて、戻ってくる。そして戻ってくる力と速さは、往々にして投げた時よりも、ずっと容赦なく、ずっと正確なんだ。」彼の口元に、笑っているともいえないような弧が浮かんだ。「で、今、嘘と恐怖を注ぎ込まれたこのブーメランは、いったい誰の頭上に、今まさに落ちようとしてるんだろうね?」


誰も答えなかった。ただ、夜風が庭を渡り、風鈴を揺らして、ごく軽く、ごく細かくシャンシャンと鳴る音だけが、どこか遠くの反響を数えているかのようだった。


カメラはゆっくりと引いていき、平心湯というこの温かな光の島を掠め、街角の善意を黙って蓄える木箱を掠め、星々が盤のように並ぶ深遠な夜空へと溶けていく。


伏線の収束と新たなる局面の予兆:

街の別の片隅で、画面のブルーライトが杉本健一の平静で波立たない顔を照らした。彼は「送信」を押した。〈執行者の告白:「証明」するためにではなく、「発見」するために〉と題された長文は、数枚の重要部分はぼかされているが情報として致命的な内部指示のスクリーンショットを添えて、まるで数発の精密誘導情報ミサイルのように、データの海へと消えていった。


文章に激情の訴えはなく、残酷なほど冷静な記録文学の筆致で、上司の長谷川が如何に「問題を見つけなければならない」という曖昧な圧力を伝達したか、内部会議で如何に平心湯に「有罪」という前提で議論の基調が敷かれたか、そしてあの「技術的ツールファイル」が如何に行動指針として暗に示されたかが詳細に述べられていた。真実が、最も鋭い武器となった。


新たなる津波が即座に発生した。世論の矛先はもはや散漫ではなく、凝集し、上昇し始め、明確に飛騨・高山地区計画局の意思決定層と、あの「休業命令」の背後にあるますます疑わしい動機へと向けられた。公衆の疑問の声は、より上流の水源を叩き始めた。


投げ出された瞬間にすでに軌道を外れ、歪んだ意志を担った「ブーメラン」は、最初の反作用(投げ手である杉本を打倒)を完了した後、驚くべき、真実と正義によって賦与された反作用力を伴い、来たるべき権力の連鎖に沿って、唸りを上げながら、一路、焼き尽くすように遡り始めていた。


そして平心湯の二階、カミの部屋の窓辺。あの「バスケットボールと翼」の木彫りは、月光に洗練されて温潤な玉のようで、その線は静かな力を流していた。傍らには、みたらし団子を載せた白い小皿が、洗われて空っぽになりながらも、月明かりに一点の澄んだ、何かを待っているような微光を反射していた。


夜の奥深く、星々は明滅し、さながら一つの宏大な棋局のように、駒が無言で持ち上げられ、新たな枡目に落とされんとしている。


皆さまのご支援、本当にありがとうございます。

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心から感謝いたします。

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